週刊大阪日日新聞

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2019/10/26

大阪発 ザ・論点 維新はなぜ大阪で強いのか?A

躍進を生んだ閉塞感

 橋下徹大阪府知事誕生後、お笑い100万票はどうなったのか。答え。2009年の政権交代選挙で民主党(当時)に集まり、大阪でも勝利をもたらした。

 この時の総選挙で、民主党は全国で308議席を獲得し、劇的な大勝で政権交代を勝ち取った。大阪でも15ある小選挙区のうち13で議席を得た。

 中でも注目すべきは、公明党の現職がいた四つの選挙区でもすべて現職を撃破し、民主党の候補が当選したことだ。公明の支持母体、創価学会は関西では「常勝関西」との異名があり、中でも大阪は牙城と言えるほど選挙に強い。その「常勝関西」創価学会が全力で支援する公明の現職議員が相手だけに、僅差の接戦となった選挙区もあったが、それでもすべて民主が勝ち抜いた。これは大阪の選挙事情を知る者には驚きだった。

旋風の始まり

 さして基盤もない民主の候補が、なぜ盤石の組織力を誇る公明の議員に勝てたのか。お笑い100万票に代表される無党派層が、雪崩を打って民主党に投票したからだ。浮動票が固定票に勝ったのである。事実、この時の投票率は過去最高を記録している。

 しかしご存じの通り、民主党政権はあっという間に有権者の信頼を失った。民主から離れたお笑い100万票を引きつけたのはどこか。ここで初めて維新が登場する。大阪維新の会の結党は10年4月。民主党が参院選で敗北するのが同年7月。その翌年、11年4月の統一地方選挙「大阪春の陣」で維新は大阪府議選で単独過半数、大阪市議選で第1党という大勝利を収めた。維新旋風の始まりだ。

既得権益の打破

 維新はなぜ、お笑い100万票に代表される無党派層を引きつけることに成功したのか。キーワードは 閉塞(へいそく)感≠セ。閉塞感は今の日本社会全体にあるが、大阪ではそれがことに濃厚に充満している。なぜなら東京への対抗心があるから。

 そもそも大阪は天下の台所、日本一の商都で、工業生産も昔は京浜より阪神の方が大きかった。それが今や東京に大きく水をあけられ、大阪発祥の企業も次々に本社機能を東京に移し、東京近郊の横浜にまで人口規模でひき離されている。

 どうしてこうなった! そんな大阪人の鬱屈(うっくつ)した閉塞感に対し、橋下が掲げたのが大阪都構想だ。既得権益を打破し、地方分権で思い切った改革を実現すれば、大阪は繁栄を取り戻す。その夢に有権者が乗った。だが、維新の強さの秘密はそれだけではない。

 (文中敬称略、次回は「維新の強さはなぜ本物になったか」を論考する)

(大阪日日新聞編集局長・記者 相沢 冬樹)

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