週刊大阪日日新聞

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2019/9/14

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

あおり運転からどう身を守る? 秋の交通安全運動

子育て主婦とシニアのための交通安全のススメ

 「秋の全国交通安全運動」の期間中なので、本紙の読者にも多い子育て主婦と、セミリタイアしても都会の大阪暮らしが心地よいシニア層に絞って、交通安全を考えてみよう。ポイントは@あおり運転おバカドライバー≠ニ関わらない方法A知らないと危険な電動アシスト付き自転車の落とし穴B相変わらず多い高齢者運転事故―の3つだ。

大阪名物「アオリイカ」って?

▲大阪府警が製作したあおり運転防止を呼び掛ける動画の一場面=府警提供

 大阪府警のキャラクターシール「アオリイカ」と、駄菓子の「よっちゃイカン」というのを知っているかな? YouTube大阪府警交通部チャンネルで見られるあおり運転の撲滅を訴えるこのキャラ。シュールな映像で無理な幅寄せや車間距離の詰め過ぎに警鐘を鳴らしている。交通安全運動の期間中は高速道路のサービスエリアなどでこのシールや駄菓子を配ってPRしているよ。

 さらに、府警はヘリで幹線道路上を巡回。悪質な違反行為を見つけたら地上の高速道路警察隊に連絡するなど、かなり積極的な検挙を実施している。

あおり運転する人にからまれないために

 常磐道であおり運転の後、運転手を殴打して逮捕された大阪の会社社長(43)とガラケー女(51)や、東名高速であおり運転の上、エアガンを連射し逮捕された尼崎市の男(40)…。ニュースを見て、普通ならお付き合いしたくないこうしたイタイ人≠ェハンドルを握っていることにゾッとしたんじゃないかな。

 では、こうしたイタイ人≠ニ関わないようにするにはどうしたらいいんだろう?

 まず女性ドライバーは、上から目線の相手からナメられあおられる被害を受けがち。こんな時はやり過ごすのが一番賢明。あおり運転をする人のほとんどは、急いでいるかスピードマニア。単に速く走りたいだけだけだから、こちらが避ければ大半は走り去る。

 追いかけられた場合は一時避難を。一般道なら警察署・交番、消防署、場合によってはコンビニでもいい。高速道は、左側の走行車線をゆっくり走ってサービスエリアか料金所へ。路肩に停めるのは危険だ。

 信号待ちなどで、もし相手が車を降りてきたなら、すべての窓を閉めてドアロック。相手が車のボディや窓を叩いても窓を開けてはいけない。スマホで証拠写真を撮って、すぐに110番。この時点で、暴行罪や脅迫罪、器物損壊などが成立する。

 だが、そもそもあおり運転の標的にならないことが一番。十分な車間距離を取り、急発進や急ブレーキをしない。無理な追い越しや車線変更をしない。運転しながら、ゴミを屋外に捨てない。バックミラーに注意を払い、後続車のスピードや距離もつかんでおく。自分勝手な運転を避けて「道路はみんなのもの」という意識が大切だよ。

重さが危険≠ネ電動自転車

 ロードバイクなどのスポーツ車と電動アシスト付き自転車(以下電動)の売り上げが伸びている。特に電動は、子育て世代のママの必需品だよね。その電動で一昨年末、神奈川県川崎市で重大事故が起きた。女子大生(20)が耳にイヤホンをして、スマホ操作しながら電動に乗り、歩いていた女性(77)に衝突。女性は転倒して頭を強く打ち亡くなり、重過失致死罪で禁固2年執行猶予4年の有罪判決。この刑事責任以外に、民事でも損害賠償を負うことになり、彼女は大学を中退した。

 電動の危険は、実は車体の重さに潜んでいる。ロードバイクの平均的な重量は8キロほどだけど、電動は約30キロ。これだけ重い物が高速で移動するのだから、衝突の衝撃は極めて大きい。あと、チィルドシートは結構幅があるので、すり抜けようと無理な運転をすると人や物を引っかけてしまうリスクも。

 また、利用者は自転車保険にキチンと加入し継続すること。加害者になってからあわてても遅い。

高齢者にはツライ免許更新

 4月に東京・池袋で元通産官僚トップの男(88)が運転する乗用車が、母と娘の死亡など12人を死傷させた大事故を覚えているかな。以前から問題になっていた高齢ドライバーの運転免許保持がクローズアップされた。では、免許を返納すれば世の中すべてうまくいくか、を考えてみよう。

 一昨年春に道路交通法が改正され、実は70歳以上の運転免許更新が劇的に変わっているんだ。簡単に言うと、70〜74歳までに免許の更新時期を迎えた人は、違反歴を問わず5千円程度の2時間にわたる高齢者講習が義務付けられた。近くの自動車学校で事前予約して受講しないと更新自体が認められない。座学はもちろん、動体視力や夜間視力などのチェック、学校コース内での運転実技チェックもある。テストではないので、チェックされてもその時点で免許更新不可にはならないが、チェックの結果が思わしくなかった方には強く「免許返納」が勧められる事は覚悟した方がよい。

 75歳以上になると、受講料は場合によっては9千円近くになり、まず記憶力テストなどの認知機能検査から。この点数で、2時間講習、3時間講習、医師診断の3つに仕分けされる。医師から認知症と診断されると、免許更新はできない。

 有効期限は優良運転者なら70歳までは最長5年だけど、75歳をまたぐ場合は最長3年に。以後は優良者でも3年が最長になる。違反1点の軽微な違反でも、再び高齢者講習が義務付けられ、またも認知機能検査。無事に済んでも、更新ごとに 再び機能検査受講だ。

 死亡事故を起こす率は、10代と85歳以上が突出して高く、次いで20代前半、70代後半、80代前半が並ぶ。高齢者の免許返納は、昨年42万1千人(うち75歳以上29万3千人)と2年連続で40万人を超えた。大阪は東京に次いで、75歳以上返納率7・3%の2位。兵庫や京都も10位内に入っており、公共交通機関の発達した都市部地域が上位を占めている。

 私には府警が主張するように「少しでも運転に不安が生じれば、免許の返納を」との単純な発想はない。友人のニュースキャスター、辛坊治郎さんはもっとはっきりと「高齢者の運転免許返納は意味がない」と言い切っている。

 なぜか?それは現在急速に研究開発されている自動運転車の時代≠ェもうすぐそこまで来ているから。すでに東京都では、アクセルとブレーキの踏み間違い防止の装置購入補助を9割まで負担することが具体化している。将来的に75歳以上はこうした安全装置を義務付けた車での限定免許となる可能性もある。

 自動運転は欧米では相当進んでいて、完全な衝突回避装置などの一般普及はもう目前。しかし、どこまで行っても日本の場合は車の運転には運転免許が必要≠ニいう大前提を行政側が崩さない。いったん免許を返納してしまえば自動運転がどれだけ便利に発達しても、それを利用する機会が永久に失われることになる。


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