週刊大阪日日新聞

大阪市(北・都島・城東・旭・鶴見区)・守口市・門真市
(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2019/9/28

階段で行き先総選挙 

JR西、阪大が混雑緩和実験


▲階段を通行することで投票となる「大阪環状線総選挙」=JR大阪駅環状線ホームへの階段(JR西日本コミュニケーションズ提供)

 「福島派、天満派、アフターファイブに行くならどっち?」―。サラリーマンの利用が多く朝の時間帯では、エスカレーターに10m以上の行列ができるという、JR大阪駅の御堂筋口改札口から大阪環状線ホームへの上り階段で7〜8月にかけて、「大阪環状線総選挙」が行われた。投票結果も気になるが、取り組み自体は仕掛けで駅エスカレーターの混雑を緩和できるかどうかの実験だった。

 総選挙はJR西日本と大阪大が協力し、7月30日〜8月5日に実施。福島派の人は青、天満派の人は赤い部分の階段を使うと、天井のセンサーが検知し、投票数が集計モニターに表示される仕組みだ。

 期間中の階段利用数、エスカレーター利用数を総選挙を終えた翌週のデータと比較すると、平均階段 利用数が1日当たり1万9499人に対し、翌週は1万9311人。エスカレーター利用数は3万7452人に対し、翌週は3万8583人だった。

 週末特有の人の流れやイベントなどの影響を排除して統計処理すると、仕掛けを行った総選挙期間中の階段利用者数は、1日当たり1342人増えたと推計できるという。

 企画したJR西日本コミュニケーションズの武内雅俊さん(44)は「階段を選ぶ人が増え、一定の効果があった。命令調のお願いより、仕掛けを取り入れた方が協力してもらいやすい」と分析する。

 それでも増えた1342人は、1日当たり総利用者の7%にすぎず、「高い効果だったとは言えない」とし、効果を高めるために総選挙の選択肢を増やすなどの工夫が必要とみる。

 人の行動を変える「仕掛学」を提唱する、大阪大大学院経済学研究科の松村真宏教授は「お題を毎週替えることで階段を通ることが通勤の楽しみになり、階段利用が習慣化するようにできれば」とコメントしている。

 ちなみに総選挙の投票結果は、福島派が約5万1千票、天満派が約8万6千票だった。


pagetop