週刊大阪日日新聞

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2019/9/28

消費増税直前 軽減税率てんやわんや

問われる社会保障制度改革

 消費税8%から10%へアップする10月1日が直前に迫った。ちまたの話題は何と言っても、初めて適用される軽減税率のややこしさだ。大阪商工会議所が今夏まとめた調査結果によると、軽減税率の対応を終えていると回答した企業は2割にも満たなかった。「混乱無く実施できるかどうか」(大商担当者)との懸念に対し、国は、万全を期すべきだろう。併せて、消費増税の前提である「持続可能な社会保障制度の構築」にも襟を正す必要がある。

■増税対策に苦言

 「上がり率は前回の方が厳しかった。今回は2%分のことで、なぜこれだけややこしくしたのか」。天神橋三丁目商店街振興組合の築部健二理事長は、5%から8%へ3%分アップした前回(2014年4月)を引き合いに、「何してんねん」と苦言を呈した。

 日本一長い商店街として知られる天神橋筋商店街。大阪を代表する観光名所だが、店舗運営は決して楽ではない。国が打ち出したキャッシュレス決済のポイント還元について、書店経営者は、店負担の決済手数料を問題視し、「利益率が下がる。店の家賃は増税なのに割に合わない」と指摘した。「面白い決め方をするなぁ」と話すのはお好み焼き店主だ。軽減税率として飲食品を現行の8%に据え置く一方で、店内で食べれば税率10%になる複数税率を暗に皮肉った。

「メリットが感じられない」

 大商が軽減税率の対応を会員企業に6〜7月調査した結果、「大体対応が済んでいる」との回答は17・2%にとどまり、前回の4月調査(13・0%)から進展はほとんど見られなかった。回答者が挙げた課題は「帳票入力や税率確認などの経理事務の負担増」が最も多く、「軽減税率の対象品目の確認や判断」「従業員への教育・研修」「システム改修、レジの入れ替え」と続いた。

 キャッシュレス決済の動向についても聴いたところ、「ポイント還元策が実施されても導入しない予定」の回答が39・6%を占めた。消費の落ち込みを防ぐための国の肝いりとはいえ、「メリットが感じられない」「システム使用料などのランニングコストがかかる」ことを理由に導入を見送る企業は少なからず存在した。

「全世代型社会保障制度」の名の下に…

 納得感の乏しいまま迎える消費増税―。大商は先ごろ、持続可能な社会保障制度の構築に関し、国への意見書にこう記した。「『全世代型社会保障制度』の名の下、本年10月には幼児教育の無償化を開始するなど、歳出拡大に歯止めがかかっていない」。

 消費増税の10月1日に同時スタートする幼児教育無償化をはじめ、税金の使い方を巡る国の施策は一層問われよう。「ちゃんと、正しく使ってほしい」(前出の書店経営者)と訴えるちまたの声は少なくない。


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