週刊大阪日日新聞

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2019/9/14

児童虐待死ゼロへ取り組み広がる 

悩む親 孤立させぬ 児童虐待防止で会合


▲児童虐待死ゼロに向けて、ステージ上で意気込む浜辺さん(左端)ら関係者=8月27日、大阪市の阿倍野区民センター

 昨今、日本では児童虐待の増加が止まらない。子育てに悩み、孤立している親は多い。また、家庭の貧困などさまざまな不安要因からいつしか児童虐待に走る保護者がいることも、看過できない事実である。そんな状況を改善しようと、大阪府内でも「児童虐待死ゼロ」に向けての取り組みが広がっている。

 子育てに悩み、孤立している親の気持ちに耳を傾ける民間のプロジェクト「ゼロ会議」(発起人・浜辺拡臣さん)の第3回会合が8月27日、大阪市の阿倍野区民センターであった。児童虐待防止に関心を持つ来場者らが、子育て中の保護者が抱える不安や負担などを和らげるための対応方法を学んだ。

 同会議は府内外の子育て支援団体が集まって発足し、2021年に府内の児童虐待死をゼロにする目標を掲げて活動している。

 会合には約250人が参加。浜辺さんと同会議委員の島田妙子さんが、子育てに悩む保護者への対応方法を紹介し、保護者の話を否定せずに聞く▽問題の解決方法を同会議のサイトを参考にして探す▽相談窓口まで同行したり、一緒に電話をかけるなど相手に付き添う─ことが何よりも大切だと伝えた。

 浜辺さんは「いっぱいいっぱいの親にとっては、隣にいてくれるだけで全然違う。力を合わせて大きな渦をつくっていきたい」と呼び掛けた。

 また、バンド「ワタナベフラワー」による公式ソング「ゼロになる」のライブ演奏も行われ、会場を盛り上げた。次回の会合は11月21日に同センターで開催する予定にしている。

大阪市のこどもサポートネット事業 虐待予防にも有効

貧困対策推進本部会議

 大阪市は8月28日、「こどもの貧困対策推進本部会議」(本部長=松井一郎市長)の会合を開き、主な事業の取り組み状況などを確認した。このうち課題を抱える家庭を、学校や区役所、地域が連携して支える「こどもサポートネット」事業については、虐待予防に有効なことも確認された。

 同事業は現在、此花区や生野区など7区でモデル実施しており、来年度からの全区展開を目指している。

 モデル区からは「貧困だけでなく、ネグレクト、不登校への対応にも寄与している。学校も区も手間がかかるが、成果が出ると教師も目つきが変わる」(此花区)、「学校に押しつけるのではなく、一緒に支え合うことが重要。子育てが終わったぐらいの世代にも入ってきてほしい」と、手応えとともに人材確保の必要性を訴える声が上がった。

 大阪府立大の山野則子教授は、すべての児童生徒から気になる子をピックアップし、適切な支援や対応に振り分けるスクリーニングの重要性を強調。「大阪市はチェックし、支援につなげていることが改善につながっている。(会えない家庭にも)どうアプローチしたらいいのかも見えてくるのでは」と指摘した。

 松井市長は「重大な児童虐待ゼロに取り組む市として(同事業は)非常に有効なツール。全区展開に向け積極的に取り組んでほしい」と意欲を見せた。


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