週刊大阪日日新聞

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2019/9/14

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

生活経済の視点から見る消費税10%への備え

 来月1日の消費税10%引き上げまで1カ月を切ったよ。当初は2015年10月に実施するはずだったのが17年4月にいったん延期され、さらに再延期。今回は3度目の正直だけに、政府は@プレミアム付き商品券Aキャッシュレス決済のポイント還元B軽減税率―と、景気の落ち込み対策を手厚くしているようだよ。

 その理由は、過去に消費税を5%に引き上げた時に、山一證券や北海道拓殖銀行の金融崩壊、8%への引き上げ時にはデフレ脱却からの失敗と、いつも増税直後のGDP(実質国内総生産)がダウンしているためさ。

 今回の消費税2%上げで税収は5・7兆円増えるけれど、関連支出は6・3兆円(軽減税率導入1・1兆円、幼児教育無償化・社会保障充実3・2兆円、ポイント還元・プレミアム商品券7千億円、国土強靱化公共事業1・3兆円)と逆転現象を起こしている。

 一部で駆け込み需要≠熄oているが、学校授業料や医療費、家賃など元々消費税自体が掛かっていないものもあるので気を付けて。政府はさらにマイナンバーカード普及目的で来年4月から、全国共通2万円に対して25%付与のべらぼうなポイント還元追加も計画しており、あわてると返って損するケースも。まずは10月からのお得な対応法を考えよう。

プレミアム付き商品券はかなりお得

 今回のプレミアム商品券は、今月30日現在で3歳半以下の幼児がいる世帯か、市民税免除の低所得者世帯(生活保護者を除く)だけが対象。住んでいる自治体から「買いますか?」というお尋ねの封書が届き、「はい、買います」と返事をしないと購入できない。対象者1人2万円が上限で2万5千円分の券がもらえ、3歳半以下の子ども2人の夫婦なら「4人分」ということに。覚えておいてほしいのは、役人は申し出がないと手配や支給はしてくれないこと。

 「私には無理」と早々と諦めないで、別居している親や子に「あなた、該当してない?」と問い合わせよう。500円券のつづりで住居地の商業施設で使用できる。ただしおつりは出ない。各自治体で時々発行される中小企業支援の地域振興券と似ているけれど、上乗せ分はせいぜい10%。こちらは誰でも買えるので、混同しないで。

現金は損 ポイント二重、三重も

 「なぜ、政府はそんなにキャッシュレスを推進するの?」と疑問に思うでしょ。現在、日本でのキャッシュレス決済は2割程度。これを関西・大阪万博の2025年までに4割に増やしたいんだ。表向きは「商店の経営効率化と外国人観光客への対応」と言っているけれど、実際は金の動きを国が把握し、脱税防止とビッグデータに活用するのが狙いだよ。

 とにかく10月から来年6月まで、キャッシュレスで買い物をすれば、国費で中小店は5%、大手チェーンは2%還元されお金が戻ってくる。「この店は何%?」と知るには、経産省が作る店先掲示用ポスターが便利。大手コンビニは支払い時に値引き、クレジットカードは支払い引き落とし時に返金してくれる。各カードには独自ポイントの制度があるケースが多いから、ポイントの二重付けもできるし、カードに加えてスマホのQRコードを読み込むペイと組み合わせた三重付けもありうる。

 「そんなにカード使わないよ」という人も、会社勤めなら飲み会の幹事や出張精算をカードで行えば思わぬポイント長者≠燒イではないかも。

 ただし、1枚のカードについて月間上限1万5千円が設定されるので、複数カード所有ならうまく使い分けて。

 家電やバイクはポイントが付くけれど、車や家は別の税制優遇があるので対象外。プロペイドカードや商品券購入も付かない。

軽減税率複雑化は財務省陰謀

 軽減税率の恩恵に浴さないから、9月中に買った方がよいものは「お酒」「タバコ」「ブランド品」「通勤通学定期券」「人間ドック代」「航空券」「旅行代金」などがあるよ。ただし家電や日用品は、10月に入ってから還元セールを狙った方がベター。

 軽減税率恐るべし≠ネのは、中小小売店で食品を買って持ち帰ればキャッシュレスなら実質税率3%なのに対し、大手百貨店で現金で食品以外を買えば税率は10%になってしまうこと。

 とても複雑で、日刊紙の月極購読は8%なのに、駅などでの1部売りは10%、本みりんは酒類に分類されて10%だけど、みりん風調味料は8%。医薬品は10%だが健康食品は8%、カラオケ店飲食は10%だが映画館飲食は8%…訳が分からないね。

 外食店でのイートインとテイクアウトの価格差はチェーンによってまちまちなので、実際の消費ではレジで間違われても簡単に気付かない。そのレジには国から1台20万円の購入補助金が出ているのに、実際に10%と8%が混在する商品対応レジに交換した中小店は全体の4割程度なんだ。

 原則、「食品を持ち帰ると軽減税率」と覚えれば簡単だけど、食品の家計支出は平均3割程度だから、10%になる品の方が多いんだ。

国民の目をごまかす財務省

 ここまで生活経済の視点で解説してきたけれど、そもそも「なぜ、財務省は軽減税率を導入したのか?」について話しておこう。その答えは「税制が複雑になるほど、国民の目をごまかせる」からだ。しかも軽減税率品があれば、今後15%、20%に引き上げる時にも目立たない。税金は「取りやすいところから取る」が大原則。さらに少子高齢化を背景に「法人税軽減、個人からの取る所得税と消費税は増加」の大原則がある。どこまで行っても、国民は救われないんだ。


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