週刊大阪日日新聞

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2019/8/31

梅田でシェアオフィス拡大 新しい働き方広がる

経費も抑制 利用者間で交流


▲御堂筋フロンティアの利用者が自由に使用できる共用ラウンジ

 複数の事業者や個人が仕事場を共用する「シェアオフィス」の利用が、大阪市の梅田エリアで盛んになっている。世界中でシェアオフィスを展開する「WeWork(ウィーワーク)」は今秋、JR大阪駅北側に開業する「LINKS UMEDA(リンクス・ウメダ)」内に同エリアで2カ所目となるワークスペースを開設する。一般的な賃貸オフィスと比べて入居に伴う経費が抑えられる上、利用者間の交流から仕事が生まれる事例もあり、新しい働き方が広がっている。

新しい仕事生まれる

 米ニューヨークに本社を置く同社は昨年12月、同市中央区難波5丁目の複合ビル「なんばスカイオ」内に1400席を用意した。同社にとって関西初のシェアオフィスを開設。

 今年2月には同市北区曽根崎新地1丁目に、20階建てビルをフル活用して2900席を備えた「御堂筋フロンティア」をオープンした。市内3カ所目、梅田エリアで2カ所目となるリンクス・ウメダには、地上35階建てのうち8階部分に800席を設ける予定だ。


▲1400席を備えるウィーワークのシェアオフィス「御堂筋フロンティア」
高いオフィス需要

 利用料は共用エリアの空いている席を利用する「ホットデスク」が、月4万9千円から。専用の机やプライベートオフィスは数や場所に応じて料金を設定している。施設内にはAV機器を完備した会議室のほか、無料Wi─Fi(ワイファイ)や有線のインターネットサービスもあり、入居したその日に仕事を始められる環境が整う。

 同社は梅田エリアに注目する理由を「大阪は日本2番目の経済都市で、梅田は中でも企業が集中するビジネスの中心」と説明する。

 新規に創業した会社が自前でオフィスを構えることはハードルが高いが、シェアオフィスは会社規模の拡大や縮小、商圏の変化などへ柔軟に対応できる点で既存のオフィスビルよりも優位性があるとし、「まだオフィスの需要は高い。大阪の中心地でさらなるイノベーション(技術革新)の創出と新しい働き方の促進に貢献したい」と意気込む。

交流がビジネスに

 同社のシェアオフィス内では、共用ラウンジでの出会いやイベント開催などで生まれた利用者同士の交流が、ビジネスにつながることもある。

 なんばスカイオに入居する「象印マホービン」(本社・大阪市北区)は、新たなサービスや商品を同じオフィスの企業へ試験的に提供。利用した感想を伝えてもらい、商品の磨き上げに生かしている。

 利用する企業の反応は上々で、御堂筋フロンティアの開設に併せて大阪支社での入居を即決したという配送センター代行業務などを手掛ける「関通」(本社・東大阪市長田1丁目)の達城利卓・経営企画本部長(37)は、通勤アクセスがよく「京都や滋賀、兵庫と幅広く優秀な人材を求められる。顧客との商談もしやすい」と評価。

 「どこでもインターネットがつながり、共用スペースでも仕事ができる。環境を変えることで仕事のマンネリ化を防ぐことができ、社員も楽しんでいるようだ」と笑う。


オフィス市場の中心は梅田にシフト

不動産サービス大手CBREがリポート

 不動産サービス大手CBRE(日本本社・東京都)は、大阪の不動産市場を展望するリポートを発表した。JR大阪駅周辺で進む大型プロジェクトを念頭に「立地や機能性に優れたビルがさらに集積する結果、今後のオフィス需要は梅田にますます集中する」と考察している。

 CBREが着目した大型プロジェクトは、大阪梅田ツインタワーズ・サウス▽うめきた2期地区再開発▽梅田3丁目計画―の3事業。

 大阪梅田ツインタワーズ・サウスは、百貨店、オフィス、カンファレンス(会議)の3ゾーンで構成。入居する阪神百貨店梅田本店の建て替えをはじめ、大規模オフィスの整備が計画され、2022年に全体が完成する。

 グランフロント大阪に続くうめきた2期のまちびらきは24年。同年には、旧大阪中央郵便局跡地に高層複合ビルを建設する梅田3丁目計画の完了が見込まれている。

 CBREは「オフィス市場の中心は、淀屋橋〜本町にかけての御堂筋沿いだったが、過去20年程度の時間を経て梅田にシフトしてきた」としている。

 大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)については、25年万博の開催決定に加え、統合型リゾート施設(IR)誘致が決まれば、オフィス街の梅田と商業地の心斎橋・難波との相乗効果が期待されると分析し、「新たな事業用不動産の集積地」になるという。


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