週刊大阪日日新聞

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2019/7/27

ヨドバシ梅田タワー 全容明らかに

開業まであと4カ月


▲完成間近のヨドバシ梅田タワー=大阪市北区(計画地北東側から撮影)

 JR大阪駅北側で建設が進む「ヨドバシ梅田タワー」の全容が明らかになった。ホテルの客室数約1千室は大阪市内最大級を誇る。飲食店街やスーパーマーケットなど約200店舗が出店する商業ゾーンにはコミュニティー型ワークスペースもオープンし、新たなライフスタイルを提案する。カメラ・家電量販店のヨドバシカメラマルチメディア梅田に併設する地上35階建ての複合施設は果たして、大阪・梅田の新たなランドマークになるか。開業日の11月27日まで、あと4カ月─。

街とつながり、人とつながる

 「つながるイメージです」。ヨドバシホールディングス(本社・東京都)は今月19日、ヨドバシ梅田タワー内の商業施設名を「LINKS UMEDA(リンクス ウメダ)」に決定したと発表。リンクスの意味について、広報担当者は、つながるイメージが多岐にわたることを説明した。

 具体例として、ヨドバシカメラのビルとつながるだけでなく、「ペデストリアンデッキ」を通して阪急梅田駅、グランフロント大阪とつながる。ペデストリアンデッキはいわゆる歩行者専用の空中回廊であり、ヨドバシカメラビルは既にJR大阪駅、グランフロント大阪とつながっている。

 もう一つのつながるイメージが、コミュニティー型ワークスペースの活用だ。運営する「We Work」(本社・米国)は大阪・ミナミのなんばスカイオに開設済みのため、実践例がある。ヨドバシホールディングスは「新しいアイデアと出会いがリンクする」と説き、イメージとして「コミュニティー型ワークスペースで仕事して昼はレストランでランチミーティング。仕事帰りは仲間と横丁で一杯飲んで終電間近まで過ごす」と提案している。

観光需要吸引の好機

 地上35階建てのヨドバシ梅田タワーは、地下1階から地上8階までが商業ゾーンとなり、9階より上層階は阪急阪神ホテルズ(本社・大阪市)が11月27日に開業する「ホテル阪急レスパイア大阪」となる。約1千室に上る収容力に加え、タワー1階に導入するバスターミナルを通し、インバウンド(訪日外国人客)などの宿泊客を迎える意向だ。

 日本のホテル市場について、不動産サービス大手のCBRE(日本本社・東京都)は、今年秋のラグビーW杯や来年の東京五輪・パラリンピック、2025年の大阪・関西万博をはじめ、カジノを含む統合型リゾート(IR)の開設を念頭に「これまで以上に観光需要を吸引する機会が巡ってくる」と展望している。

 特に、大阪府は14年に訪れた外国人の90%が府内で宿泊し、17年は64%に低下したが、「供給によって予約の取り難さが解消されれば、これまで流出または潜在化していた需要の回帰・顕在化が期待できる」と分析。つまり、ホテル客室の供給が進めば、宿泊率は上昇するというわけだ。

 実際、ヨドバシ梅田タワー内のホテル開設は「大阪・ミナミだけではインバウンドを抑え切れない」(大阪市幹部)表れと言えそうだ。 


▲ヨドバシ梅田タワー地下1階にオープンする横丁館内のイメージ図(提供)

弱者に優しいまちづくりを

 大阪・キタの梅田一帯は、ヨドバシ梅田タワーを含めて大規模な建設工事が進む。建て替え中の阪神百貨店梅田本店が21年に全面開業するほか、24年に旧大阪中央郵便局跡地に高層複合ビルが完成し、うめきた2期エリアのまちびらきも迎える。

 JR西日本、阪急電鉄、阪神電鉄、グランフロント大阪TMOの4社でつくる「梅田地区エリアマネジメント実践連絡会」は今夏も恒例の「梅田ゆかた祭」を通してにぎわいを演出している。関連イベントに参加した地元商店街関係者はキタの活気についてこう指摘した。

 「企業が頑張ってくれるのはありがたいが、水平移動ができるミナミに比べてキタは昇ったり、下ったりの段差が多い」。車いすやベビーカーなど生活弱者に優しいまちづくりは欠かせない。


梅田地区エリアマネジメント実践連絡会

 JR西日本、阪急電鉄、阪神電鉄、グランフロント大阪TMOの4社が2009年11月に発足。梅田地区で大規模施設を運営する4社が連携することで、エリア全体の競争力、集客力、地域力を高め、持続的な発展を目指している。

 活動のコンセプトは、駅から広がるまちづくり▽歩いて楽しいまちづくり▽新しい時代のまちづくり―の3点。具体的には、大阪・梅田駅周辺MAPの多言語化、クリーンアップキャンペーンの実施、風物詩イベントの梅田ゆかた祭や梅田スノーマンフェスティバル開催などを手掛けている。

 同連絡会事務局は「4社が単体で頑張るだけでなく、『来街』促進のため連帯感を持って取り組んでいる」と説明。連携、連帯が梅田発展のベースになっている。


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