週刊大阪日日新聞

大阪市(北・都島・城東・旭・鶴見区)・守口市・門真市
(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2019/7/13

生まれ変わるキタ・ミナミ 大阪はグローバル都市へ


▲JR大阪駅の南西側に広がる旧大阪中央郵便局跡地。高層複合ビルが2024年3月に完成する

 大阪のキタ、ミナミが今年もワン、ツーを独占─。大阪国税局が7月1日に公表した近畿圏の路線価(1平方m当たり)は、北区角田町のJR大阪駅前が1600万円、中央区心斎橋2丁目の戎橋(えびすばし)付近が1488万円を記録し、それぞれ前年比25%以上増えている。キタは大規模再開発が進み、ミナミはインバウンド(訪日外国人客)でにぎわう。群を抜く双方の土地評価はまさに「地方都市だった大阪がグローバル都市に変わりつつある」(大阪市幹部)という進化を物語っている。

【キタ】動き出した大規模開発

 JR大阪駅の南西側に、旧大阪中央郵便局跡地は広がる。日本郵政グループの日本郵便は今年6月、同跡地を含む広さ約1万3千平方mの敷地で計画するビル建設の施工者を決める一般競争入札を公告した。計画によると、ビルの規模は地上39階(高さ190m)で、2024年3月の完成を目指す。

 日本郵便、JR西日本、大阪ターミナルビル、JTBの4社が発注者となり、20年7月に着工する予定。敷地内に立つ吉本興業の劇場「よしもと西梅田劇場」は今年8月に閉館する。

 旧大阪中央郵便局跡地のビル計画はもともと、用途・容積率を規制緩和する大阪市の「都市再生特別地区」の一つとして08年に決定したことがベースにある。オフィスや店舗をはじめ劇場、多目的広場も計画されていたが、同年のリーマン・ショックによってオフィス需要が急速に落ち込み、計画は足踏み状態にあった。

 計画進展に関する日本郵便のプレス発表はないが、今回の入札公告によって計画が動きだしたのは間違いない。周辺では既存ビルのヨドバシカメラマルチメディア梅田に商業店舗とホテルを併設するヨドバシ梅田タワーが今年秋に開業するほか、建て替え中の阪神百貨店梅田本店も21年秋に全面開業する。うめきた2期エリアは24年夏にまちびらきを控え、それぞれに槌音(つちおと)が響く。


【ミナミ】インバウンドの対応を強化


▲買い物客でにぎわう心斎橋筋。近年はインバウンドが目立つ

 大型の再開発事業が相次ぐキタに対し、ミナミはインバウンドの買い物客でにぎわう。顕著なエリアが心斎橋筋だ。客のニーズに対応しようと、店舗のリニューアルが目立つ。建て替え中の大丸心斎橋店本館が今年9月にグランドオープンするほか、大丸の南側(戎橋方面)に位置する不二家の心斎橋店も業態転換に踏み切った。

ファミレスから高級鉄板焼き店へ


▲高級な鉄板焼きレストランに改めた不二家の心斎橋店

 ファミリーレストランだった不二家の心斎橋店は7月、高級志向の鉄板焼きレストランに衣替え。不二家の山田憲典会長の出身地・鳥取県の大山山麓などで育った和牛や日本海の魚介類を食材として使用し、店舗名も「鳥取和牛大山不二家心斎橋本店」に改めた。

 ファミレス時代の客単価は1200円だったが、今後は、食にこだわるインバウンド富裕層を念頭に8500円を想定している。

 業態変更について、山田氏は「心斎橋筋に子どもの姿はほとんどなく、日本人は全体の20%ほどだ。客層が変わってきた」と説明。英語や中国語を話せるスタッフを配し、関西空港などから大阪入りするインバウンドに対応する意向だ。

 大阪へのインバウンドを巡っては昨年1142万人を数えた。13年当時は263万人だったため、5年で4倍余り増えたことになる。今年6月末開催したG20大阪サミットをはじめ、25年大阪・関西万博を通して「大阪」の認知度が一層高まる中、大阪市経済戦略局の柏木陸照局長は「グローバル都市としての『格式』を上げれば、海外企業が拠点を置くようになる」と大阪第2ステージの戦略を練っている。


pagetop