週刊大阪日日新聞

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2019/6/29

教育特集 2021年1月にはじまる新たな大学入試

共通テスト
国・数…リスニングの配点2倍 英語…記述式の問題が登場


▲追手門中高勉強合宿

 2021年度から本格実施される大学入試改革。従来のセンター試験から新しく導入される大学入学共通テストの大きな変更点は「記述式問題の導入」と「英語4技能評価への転換」の2点だ。国際化、情報化の急速な進展により、社会構造が急速に変革している中、自立的に活動するために必要な「学力の3要素」を育成し、中高教育、大学入試、さらに大学教育の一体的な改革を目指している。

 新しい大学入試で大きく変化するのが英語だ。これまでは英単語や文法などの知識の量、いわゆる「読む」「聞く」の2技能で配点する傾向にあったが、新入試はこの「読む」「聞く」に加え、資格・検定試験を活用し、「話す」「書く」も含めた4技能がバランスよく出題されるようになる。実際にコミュニケーションに使える英語力が重視されるからだ。国語・数学も一部、記述式になり、「思考力・判断力・表現力」が問われる。

 大学入試センターは、現行のセンター試験に代えて2021年に実施する「大学入学共通テスト」の配点などを公表した。英語は現在、筆記200点とリスニング50点の計250点。21年からはリーディング100点、リスニング100点の200点に変更される。

 試験時間は、リーディングが80分。国際的な語学力基準「CEFR」でA1(英検3級程度)〜B1(同2級程度)レベル相当の問題を作成。「読む・聞く・話す・書く」の4技能評価で民間資格・検定試験の成績評価を導入する。このため、筆記にあった発音やアクセント、語句整序の問題は単独では出さない。リスニングは問題文の1回読みと2回読み両方を含む構成で実施する。

 また、国語と数学T、数学T・Aはマークシート式に加え、記述式の小問をそれぞれ3問課す。国語は試験時間が従来より20分増えて100分。記述式の問題文は近代以降の文章とし、最長の問題で80〜120字程度を上限に設定する。数学2科目は60分から70分にそれぞれ増やす。配点は記述式を含めて各100点。


▲現在の大阪市大

 マーク式では新たに、前問の答えと連動して次の問題を解く形式を出題する場合がある。1点刻みによる合否判定への批判も踏まえ、大学には参考情報として科目ごとに9段階評価の成績も提供。国語の記述式は全体と小問ごとに段階別で伝える。

 文部科学省は初回の共通テスト実施日を21年1月16、17日とすることなどを盛り込んだ実施大綱を正式決定し、各都道府県の教育委員会などに通知した。センターは出願手続きなどについて来年6月30日までに公表する。

 各大学への成績提供は、従来通り得点を示すほか、科目ごとに9段階評価で提供する。各大学への提供時期は、私立大は21年2月9日、国公立大は同11日から。国公立大の総合型選抜、学校推薦型選抜は同10日からとした。

入試改革がもたらす小中高教育の変化

 そもそも大学入試改革は、社会の時勢の反映だ。国際化、情報化の中、あふれかえる情報を自ら取捨選択し活用しなければならないし、世界が相手の時代にはコミュニケーション手段に英語も必要になってくる。

 一方、入試改革ばかりが注目されるが、大学入試が変われば当然、高校、中学、小学校で身につけるべき内容もおのずと変わっていく。地図で例えれば、大学入試という目的地が変更されれば、おのずと小・中・高というスタート位置からどちらに向けて歩き出すかも変えなければならない。入試で「思考力・判断力・表現力」が問われるようになれば、中・高で知識を詰め込む教育だけでは対応できない。入試に必要な能力に沿って変わっていくということだ。

高校普通科 脱画一化

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫前早稲田大総長)は、第11次提言をまとめた。高校生の約7割が在籍する普通科は大学受験向けの指導が主で、画一的な教育内容になっている点を指摘。各校の教育目標を明確化させ、「グローバルに活躍するリーダー育成」など類型化し、その上で人工知能(AI)などの技術革新にも対応できる多様な人材養成につなげたい考えだ。

 提言のポイントは@教育方針の明確化、生徒の7割が在籍する普通科は、各校が打ち出す特色を踏まえて類型化するA類型化の例として、「自らのキャリアをデザインできる力の育成」「国際的に活躍」「科学技術分野の牽引」「地域課題の解決」B学習指導要領や教科書は、より柔軟に見直すように国に検討を要請C小中を含め情報通信技術(ICT)を活用した教育の強化。大学での人工知能(AI)教育の推進─。

 提言の背景には、画一的な教育では、社会を生き抜く力を育成できないという危機感がある。

グローバル教育に熱心

 私立中高一貫校はグローバル教育に熱心だ。

  21世紀型教育を導入する石川一郎21世紀型教育理事(香里ヌヴェール学院長・アサンプション国際教育監修)は、「多様性や創造性、新しい社会を創出できる課題解決型の人材が求められている」ことから、21世紀型教育の重要性とPBL(課題解決型授業)を実践している。

 アサンプション国際の小中高校、丹澤直己校長は「PBLは生徒の個性、判断力を伸ばしていると思う。生徒たちは自分の考え、意見を述べ、自らの可能性、新たな道を切り開いている」と話している。


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