週刊大阪日日新聞

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2019/6/29

JR西日本 災害時の対応拡充 

大阪北部地震から1年


▲指令所と乗務員の情報を共有するアプリケーションの画面=大阪市内

 昨年6月に発生した大阪府北部地震から間もなく1年になる。地震発生時は朝の通勤時間と重なり、公共交通機関のまひに伴って大きな混乱が起きた。鉄道で脱線した車両はなかったが、運行中の200本以上の車両が緊急停車。迅速な運転再開や乗客への情報提供など課題が浮かび上がった。JR西日本は、教訓を生かすため乗務員と指令所の情報共有アプリを開発し、京阪神エリアの主要駅や車両に簡易トイレを配備するなど、対策を拡充している。

 内閣府の被害状況のまとめによると、在来線の駅間でJR西は153本、大手私鉄は81本が停車。線路の安全確認で運転再開が夜間にずれ込むなど、近畿圏を中心とした広範囲で、JR西だけでも約240万人に影響が出た。

 JR西は、運転再開に時間を要したことへの対策を見直した。乗務員に業務指示を行う指令所と、現場の乗務員をつなぐ「情報共有アプリ」を今年1月に導入。それまで、各列車の停車位置などの情報は個別に無線で収集したため時間差が生じていた。

 大阪府北部地震の際には、全ての列車の状態の確認を終えたのは発生から約8時間たった午後4時ごろだった。

 導入したアプリは、停止している車線区や列車番号、乗務員の携帯電話番号をタブレットに入力すると指令所に情報が一括で集まり、迅速に状況把握ができる。夏ごろまでに、乗客のけがの有無や乗務員の安否、車内の状況、車両状態を共有する機能を追加する予定だ。

 不測の事態に備え、京阪神エリアを走行する全ての列車と駅員がいる駅には、簡易トイレを配備。3月末時点で、駅員配置駅と管理駅に計6千個を配備している。

 大阪府北部地震クラスの地震を想定した訓練も実施。異常時の乗客の降車、誘導をマニュアル化したガイドブックを、京阪神エリアの社員に配布した。

 来島達夫社長は「着実な手だてを進め、運休時間の短縮につなげたい」と話した。


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