週刊大阪日日新聞

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2019/6/15

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

豪華な返礼品はどうなるの? 「ふるさと納税」の新制度スタート

 換金性の高いカードや豪華家電…。「行き過ぎた返礼品競争に待った!」をかける形で、今月1日から「ふるさと納税」が新しい制度に変わったよ。

 大きく変更されたのは、自治体からの返礼品を寄付額の3割以下で調達した地元産品≠ノ限ること。さらに、これまで届け出だけで自治体は参加できたけれど、今後は総務省の許可が必要になったんだ。こうして、返礼品に上乗せしたアマゾン100億円キャンペーンなどでお茶の間をにぎわせた泉佐野市など4市町が制度対象外になったよ(これまで通り、自治体は返礼品設定できるが、寄付者は税還付対象にならない)。

 4市町ほどではないけれど、「問題があった」とされた岸和田市や和泉市など全国43市町は9月までの仮免許≠ナ、以後の参加を継続するには同省の認可が必要に。寄付者にとってそれでもお得な、ふるさと納税利用≠考えてみよう。

新ルールでも豪華な返礼品は残る?

最初はふるさと♂梔

 2008年に始まった「ふるさと納税」は、ふるさとや以前の居住地など応援したい自治体に寄付すると、額に応じて次年度の所得税などが軽減される制度。現役の労働者世代がたくさん住む大都会と、子どもの教育や高齢者介護にお金がかかるのに、若者が都会に出て税収が落ち込んでいる地方との税収格差を埋めるのが最大の目的だったんだ。最初の7年間は総額で年間500億円くらいで推移し、特に問題もなかった。

 ところが2015年から、各地の返礼品が店のショーウインドーのようにずらりと並ぶ『ふるさと納税専用サイト』が次々に出現し始めて状況が一変。年々寄付額が増えて17年には3653億円に到達。昨年分は駆け込み需要でさらに増える見通しだよ。

 当初は「地方自治体間で競争することは努力結果でよいことだ」と悠然としていた同省だったが、アマゾンのギフト券など換金性の高い金券が次々飛び交うようになり、ついに重い腰を上げて本格的に規制に乗り出したよ。

 実は「ふるさと納税」の税還付には個々に上限がある。所得に応じて額は変動し、仮にサラリーマン夫と専業主婦、子ども2人の世帯で年収が税込み500万円とすると、年間の寄付上限額は約2万8千円程度。つまり、所得が多いほど上限額が増えるので「豪華返礼品は、金持ちを喜ばすだけ」という批判も強かったんだ。

サイト側も懸命維持

 ネット上のポータルサイト側は、面倒な確定申告をしなくても税還付が受けられるワンストップ特例≠フ手助けをしたりして利用者を増やしてきただけに、今回の新制度移行に敏感。楽天市場の専用サイトでは、利用額に応じて付与するポイント経費をこれまでの自治体に代って自社で負担するなど制度そのものの維持に協力的だ。

お得な返礼品は?

 それでは「新しい制度で、お得な返礼品を受けるチャンスは残っているの?」というみんなが関心のある本題に移るよ。

 まず人気だった豪華家電や電動自転車などは備品(資産)≠ニ見なされて次々姿を消すことに。単品10万円以上の返礼品入手はもう諦めた方がいい。家電なら消耗品と判断されるコーヒーメーカーや空気清浄機、掃除機などがひっそりと残っている程度だよ。

 金券やギフト券も完全にアウト。しかし、意外なのは、区域内に空港のある自治体が航空会社とタイアップした3割程度の旅客機搭乗クーポンが残っている。旅行や帰省に実質金券として役立つね。

 同省が口すっぱく示している地場産品で寄付額の3割以下の返礼品≠フ基準にも実は抜け道があるんだ。ある市の担当者は「あくまで自治体の仕入れ価格が3割以下ならOK。市場価格が高くても、 一括仕入れで安くしてもらった≠ニ釈明できます」と教えてくれたよ。じっくりサイト内を比較すると、一部の豪華牛肉や高級果実、ブランド米などはモノによっては100%近い高還元率品もある。ただし、それを目利きができることが条件になる。生産量の少ない地元産希少品は、ネットにアップされたらアッという間に品切れになることも多いので注意。

モノからコトへ移行

 残念な例も。尼崎市が東日本大震災復興支援として取り扱ってきたカウンター・パート気仙沼市(宮城県)の産品は「地元産品に」ということで、やむなくの除外の方針。

 全体として豪華な返礼品競争のモノ消費≠ゥら、地元観光地で使える割引チケットをはじめ、ちょっとひねって地元に残る独居のお年寄り宅への「見守り訪問サービス」(兵庫・市川町など)や「空き家見回りサービス」(秋田・男鹿市など)、地元に残るお墓を掃除して写真を撮って送る「お墓管理サービス」(長野・須坂市など)など、新たな工夫を加えたコト消費≠ヨ移行しているよ。

 私としては、返礼品のない現住地への納税もある程度は義務として果たしつつ、ご縁のある地域に寄付を続ける。届いた返礼品でその地を懐かしむ、という素朴な制度としてずっと存続してほしいと思うよ。


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