週刊大阪日日新聞

大阪市(北・都島・城東・旭・鶴見区)・守口市・門真市
(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2019/6/1

安心安全なオモニの味≠提供

「たかがキムチ、されどキムチ」 キムチ物産代表 西原茂光さん


▲「キムチを生野区の地場産業にしたい」と思いやりの気持ちを込めて「シャカ・マーク」のポーズをとる西原さん(右)と妻の時子さん

 「僕は『コリアンの魂』を探究するためにキムチ屋になりましたが、日本が大好き。だからこそ、安心で安全、世界一おいしいと自負するキムチを全国の皆様に食べていただきたい」。

 両親が済州島出身の西原茂光さん(62)は30歳を前にビデオの通信販売業で成功。そのため、生まれ育った地元生野での嫉妬も尋常ではなく、「生野を離れよう」と思いつめる日々だった。

 そんなときに心の支えになったのが1つ年下の妻、時子さんの存在だった。

 「妻とは私が20歳のときに結婚した。若いときから苦労の連続だったが、妻が家庭を守ってくれたから私は仕事に没頭できた。糟糠(そうこう)の妻です」と笑顔で話す。

 仕事人間だったが、唯一の趣味がサーフィンだった。神奈川県湘南、三重県伊勢、宮崎県日南などサーフィンのメッカで出会ったサーファーからは、「僕が生野コリアンの人間だと知ると、別れ際に『おいしいキムチ、送ってよ』」と声を掛けられた。

 いったんは生野から逃げ出すことを考えていた西原さんだったが、在日3世の西原さんにとってその言葉は素直に心にしみた。

 「コリアンタウンのブランドに成り得るこだわりのキムチをつくろう」と思い立った瞬間だった。そして研究を重ねた末に生まれたのが安心安全なオモニ(おふくろ)の味のキムチだった。

 国産の厳選した素材を使い、野菜に使っている水にも徹底してこだわった。防腐剤などの添加物も使わずに唐辛子も何種類かをブレンドして自然発酵が原則。賞味期限も普通のキムチより2〜2・5倍長い。

 令和元年からは日本の未来を託す子どもたちに元気になってもらおうと、全国の孤児院にボランティアでキムチを届けるという。

 「たかがキムチ、されどキムチ」。西原さんのあくなきキムチ探究の旅は続きそうだ。

 生野区桃谷3丁目6─16、電話06(6717)0008


pagetop