週刊大阪日日新聞

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2019/6/1

大阪発・論点「野分」

「次は裁判で…木村真豊中市議の闘い」

 大阪北部、人口40万の豊中市。市役所から少し離れた幹線道路沿いにある3階建ての古びた建物。きしむ階段を上がると、そこは市議会議員、木村真さんの事務所です。扉を開けると、拡声器やらビラやらが雑然と山積みに。私の姿を見て木村さんが一言、「一段とアジト感が増してるでしょ(笑)」…確かに。

◇ ◇ ◇

 木村さんはおととし、森友学園に売却された国有地の金額の情報開示を求めて裁判を起こしました。この土地に建つ小学校の名誉校長は安倍昭恵首相夫人。これが発端となって国有地の大幅値引きが明るみに出て、政治を揺るがす大問題になりました。そう、木村さんは森友事件の口火を切ったのです。

 それからも一貫して事件の真相解明を訴えている木村さんは、この4月の統一地方選で行われた豊中市議選で4486票を獲得。定数34人中7位で4回目の当選を果たしました。

「森友事件追及で選挙に勝利」

相沢 今回の得票をどう受け止めていますか?

木村市議 前回から倍増しているから、それは森友のことが大きいやろうね。市民の反応がかつてなくよかった。やはり豊中は(問題の国有地がある)地元なんで関心が高い。ただ、それが実際どの程度の票になるかは最後までよめなかったので、4千票は僕にとっても驚きやったね。

相沢 街頭の反応が良かったとは、どのように?

木村市議 注目度が違う。街頭で訴えていると「がんばってね」と声を掛けられる。ビラも大勢が受け取ってくれる。だから「最初に森友問題を追及したのは木村だ」ということを知ってもらうため、今回初めて新聞折り込みでチラシを配った。森友でアピールしやすかった。

相沢 全体の選挙結果をどう受けとめています?

木村市議 僕は4千票で勝ったけど、以前ならこの票数はトップを争うような数なんですよ。ところが結果は7位。僕より上位に大阪維新の会の候補が5人も並んでいる。
 維新は、大阪は今のままではマズいと感じている人たち、現状への閉塞感を感じている人たちに向かって「変えます」ということをはっきりさせている。都構想の実態はデタラメだと思うけど、すごくわかりやすい形で「大阪をどんどん変えて発展させる」と訴えている。その主張が多くの人を引きつけている。
 僕は今まで維新を批判してきたけど、維新の支持者にとっては単に足をひっぱる守旧派としか映っていない。改革しようとする維新に守旧派が悪口を言っているとしか聞こえない。そこのところを真面目に考えないとあかん。
 僕らの描く近未来の大阪、そちらの方がより魅力的だと思ってもらえるか。「僕らはこう変える」という夢を信じてもらうことができるか。それが大事だと痛感します。

相沢 そもそもなぜあの国有地の問題を調べ始めたんでしょう?

木村市議 あそこはもともと豊中市が公園にしたかった土地だから、何になるか気になっていました。ある日、あの国有地のそばを通りかかったら、周辺に囲いができて、私立の小学校ができると書いてある。そのうちに、幼稚園で教育勅語を教えている学園だとわかって、これは何とかしなくてはと思って調べ始めた。そしたら安倍昭恵名誉校長だとわかって、いよいよおかしいなと。近畿財務局に尋ねても、担当者は売却した金額を言わない。結局非公開はここだけだったんですよね。それで裁判を起こしました。
 あの時、僕らに応対した近畿財務局の担当者が裁判で証人として認められて、僕らは盛り上がりました。「これはえらいことになる。何を言うだろう」と期待したけど、結局、体調不良ということで出てこなかった。彼だけを責められませんが、(不当な値引きを)やらされたとはいえ、やったことは間違いない。そこを裁判で明らかにしたかったんやけど残念やったね。

相沢 その裁判の判決が間もなくありますね。

木村市議 財務局の職員の証人申請を裁判所が認めたということは、少なくとも門前払いにするつもりではないということ。門前払いなら証人を呼ぶ必要なんかないからね。裁判所はある程度こちらの主張を受け入れてくれるんじゃないかと期待しています。

◇ ◇

 森友事件追及のきっかけとなった注目の裁判の判決は5月30日午後3時から、大阪地方裁判所で言い渡されます。

(大阪日日新聞 論説委員・記者 相沢冬樹)


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