週刊大阪日日新聞

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2019/6/1

維新なぜ圧勝

統一地方選前半戦 ジャーナリストや元秘書ら討論


▲ダブル選などでの大阪維新の会の勝利を巡り、意見を交わすパネリストら

政策にわかりやすさ=@ビジョンなき対抗勢力

 統一地方選前半戦で大阪維新の会が圧勝した府知事と大阪市長のダブル選と、維新が躍進した府議選と大阪市議選について、ジャーナリストや元衆院議員秘書など幅広い立場のパネリストが集まり、「勝因」を話し合った。来場者からも次々に熱を帯びた意見が飛び出した。パネルディスカッションは「国民投票/住民投票」情報室が主催し、5月16日夜に大阪市天王寺区のカフェで開かれた。

 議論の口火を切ったのは元新聞記者でライターの松本創さん。ダブル選で維新が知事と市長のポストを入れ替えて出馬した手法を問題視。しかし「僕らが問題視するほど(有権者は)問題だと思っていなかった」と分析した。

 維新の政治手法や民主主義観など、モラルや理念が批判の論点になることが多いが、今の有権者は、そういう意味での『正しさ』より、維新が「大阪の成長を止めるな」のキャッチフレーズで選挙を戦ったように、成長への期待感や体感景気に対し好意的な評価が安定した支持につながったとみる。

 教育施策を注視してきた放送局勤務の迫川緑さんは、吉村洋文知事が市長時代に打ち出した、児童や生徒のテストの成績を教員のボーナスなどに反映させる手法を取り上げ、「私はこうした維新に疲れていて、ほかの人々も同じだと思っていたが、(有権者は)競争社会を勝ち抜く強い子どもをつくる熱心なアプローチだと受け止めたのではないか」と分析した。

 元衆院議員秘書の小辻昌平さんは、「有権者は自分が正しい投票行動をして、正義の味方を選んでいると思いたい。しかし(実際は)難しいことを考えるのは嫌だと思っている」と独自の視点で切り込む。また、こうした場合、維新のような分かりやすい$ュ策に支持が集まりやすいと提示した。

 会場からも次々と意見が寄せられた。維新と対抗した勢力に対し「単に維新批判を繰り返すだけでなく、大阪をこうしたいというビジョンがないと、絶対に人はついてこない」と注文。「維新は関西代表というブランドイメージを獲得している」との声もあった。

 ジャーナリストの今井一さんは今後について論じ、維新に限らず特定の政党が首長と議会の両方の主導権を握る状況は健全ではないと考える中で、民主主義を育てるため「市民が時間を掛けて、知事選と市長選の候補者を見いだすべきだ。そうしないと大阪は一方的になる」と危機感を口にした。


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