週刊大阪日日新聞

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2019/5/18

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

G20 来月末に大阪で開催 市民のメリットは?

「来月末にG20サミットが大阪であるねんて」
「昔、APECって言うの大阪でやったやんか?アレみたいなもん?」
「何やよう分からんけど、阪神高速止まるらしいで。忙しい月末やちゅうのに、うっとうしいこっちゃ」

 大阪の街のあちこちで、こんな会話が聞こえてくるよ。先月末には安倍首相が吉本新喜劇に飛び入り出演して「協力を」とお願いしていた。何がそんなに大変なん? よろしい。私がいまさら人に聞けないG20の光と影≠教えましょう。

 G20のGはグループの頭文字。参加国は図の通り。2年前に三重県の賢島で行われた「G7伊勢志摩サミット」に参加した主要7カ国とEU(欧州連合)が中心。そこへBRICs(ブリックス)と呼ばれる今世紀中盤にはG7を抜くと言われるブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国。さらに新興国で経済成長が見込めるネクスト11と呼ばれる中から韓国、インドネシア、トルコ、メキシコが入る。これに前回議長国のアルゼンチン、次回の議長国であるサウジアラビアの代表が、安倍首相と3人でトロイカ体制を組んで進行役を務めるよ。他の参加国はオーストラリアと南アフリカ。これで20の国と地域になったでしょ。

 でもちょっと待った! 実は招待国として、スペインやベトナムなど8カ国と国連や世界銀行など9機関がさらに参加するよ。その総数は実に3万人。つまり、それだけの要人たちが大阪に泊まり掛けで集まるから、主要な所はもちろん周辺部も観光客は閉め出されてしまう。特に米国、中国、ロシア、EU各国は同宿しないから、それぞれが別の有名ホテルを貸し切る。その間はホテルで飲食したり会合したり結婚式をしたりはできない。

大阪がマヒする4日間

 G20の開催期間は6月28日(金)と29日(土)の2日だけれど、各国の首脳は26、27日ごろに集中して関西空港に到着。離日も30日、7月1日に固まりそうなので、すでに関空は27〜30日は一般客の完全締め出しが決まっている。それ以外の日時でも首脳の離発着に合わせて随時規制されるから「予定は未定」の覚悟がいるよ。

 阪神高速などの高速道も大阪市内を中心にすべてアウト。会場が南港の咲洲にあるインテックス大阪なので、移動は車。メーンの2日と前後の計4日間は高速道はもちろん、並行して走る中央大通りなどの幹線道路も一般車が閉め出される。車を使ったテロを防いだり、事故で高速道の通行に影響が出たりしないようにするためさ。大阪府警は「市内の車を半減させる」と宣言しているから、周辺からの流入自体をあきらめた方が早い。すでに宅配便の主要業者は、「この期間は、荷受けや配達は困難」と宣言を出している。

 「でも、私は電車だから関係ない」と思っているあなた。それはとんでもない間違いです。テロ防止の名目で、ほぼ駅のコインロッカーはもちろんゴミ箱も使用停止。自動販売機すら使わせない。主要な郵便ポストも投入できないように封鎖。

 南港を走るポートタウン線は大幅な間引き運転と出入り口の集約を行う計画も。メーンの咲洲地域は、住宅地もあるのでさすがに立ち入り禁止にはできないから、行政側が忖度して企業や学校も臨時の休みになりそうだよ。

 「でもそれだけの外国人が大阪に来てくれたら、商売が潤うのでは?」と思いがちだけど、大半は外交官や役人、金融機関の職員で大阪観光には興味なし。食事はホテルだし、買い物してもせいぜい離日時にホテルや関空の免税店を使う程度だと思うよ。

万博誘致に一役買ったが

 そもそもこんなやっかいなG20が、なぜ大阪みたいな大都会で行われることになったの? 昨年初めにいったん福岡市での開催が本決まりになっていたものを、2025年万博誘致活動中だった大阪府市の首脳が、仲良しの安倍・菅の官邸コンビに猛アタックして逆転。「地元福岡に持って来れる」と思っていた麻生財相を悔しがらせた。


▲化学防護服姿で要救助者を搬出訓練する救助隊員=4月18日、東大阪市の大阪市消防局高度専門教育訓練センター

 大阪維新の会は、G20開催の意義について「真に喜ばしい。大阪がこれまで経験したことのない緊張感を持って、万全の受け入れ体制で無事成功裏に終えられるように」と手放しだが、せいぜいメリットとしては開業30年以上も経ってすっかり老朽化したインテックス大阪の空調設備やトイレが数億円掛けて全部きれいになることくらいだ。

何が話し合われるの?

 G7でもG20でも今の世界経済のメーンテーマと言えば、トランプ米大統領の大衆迎合・保護主義による貿易摩擦。議論は「19対1」という現状だけど、安倍首相をはじめトランプさんに頭が上がらない首脳がそろっているからTPPなど自由貿易の推進という単純な文言すら入れられない。気候変動やエネルギー問題の危機意識もトランプ氏が応じないから声明すら出せない。だから結局、何も決まらない。トランプ氏は支持者に向けて「自分はこれほど強い指導者だ」とアピールするだろう。

 一方、日本の財務省の思惑としては 「日本の景気は大丈夫だから、秋に消費税10%に上げさせて」という手応えが成果としてどうしても欲しい。実際の世界経済は、米中貿易戦争拡大と英国EU離脱などで舞台裏は波乱含み。アベノミクスのほころびもジワジワと目立ち始めた。これをどう取り繕って安倍首相の成果でG20大成功≠演出するかに掛かっている。経済問題が中心のG20だから、本来は安倍ブレーンの経産省官僚に任せておけばよいのだが、消費税引き上げを控え財務省も後には引けないから、スポークスマンの麻生財相を奉りながら、官邸周辺が画策する消費税10%引き上げ再々延期≠セけはどうしてもつぶしたいんだ。


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