週刊大阪日日新聞

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2019/4/27

貴重な「からくり時計」復活 

京阪東通商店街


▲記念ステッカーなどをアピールする鈴木さん(左)とニルミニさん

 透明感あふれるメロディーに合わせて小鳥が登場し、妖精が小気味よくベルをたたく─。京阪土居駅前の京阪東通商店街(守口市)で、愛らしいからくり時計が話題になっている。約10年前からからくりの故障のため時計と音楽は作動していたが、愛好家らの調べで正常に動けば「全国でも珍しいものになる」と判明。今年3月、地元有志らの修理で 完全復活≠遂げ、地域活性の機運が盛り上がっている。


▲約10年ぶりに完全復活したからくり時計

マニアの間で有名

 商店街に衝撃が走ったのは今年1月末。からくり時計に詳しい府外の男子高校生2人が、商店街事務所の外側壁面に約25年前からある時計の見学に訪れた。名称は「セイコーからくり時計 リング・リング・ベル」。動いているのは「全国で守口市と群馬県伊勢崎市の2台だけ」で、どちらも「からくりは動いていない」と話した。

 生徒らに対応した「メガネの正美堂」の鈴木昭則さん(51)は「普段何げなく見ていた時計がマニアの間では以前から有名だったようで驚いた。何とか直すことができれば町おこしにつながると思った」と振り返る。

 セイコーホールディングス(東京)広報室によると、当該時計については正確な設置台数を特定することはできず、修理は設置後かなりの年数がたっていることなどから難しいという。

地元住民が修理

 鈴木さんらは3月9日、機械修理の経験がある地元住民で友人の高橋正さん(47)を頼りに、修理を決行。照明の交換時に使う大型のはしごを伸ばし、まずは時計内部で小鳥≠フ無事を確認。緩んでいたねじを締めたり、センサーの位置を調整したりした。

 作業はスムーズに進んだが、肝心の小鳥は一向に飛び出してこない。広がる不安。もう一度調整し、再挑戦した1回目だった。「よっしゃあー」。黄色の小鳥が見事、時計から羽ばたき、アーケード内に歓声が響いた。

■1日3回、時計演奏

 「時計の中にこんなかわいい小鳥がいたなんて感動」と話すのは、時計前でスリランカ料理店を営む池本ニルミニさん。来店客には時計を説明するのが日課になり、時計の見学に訪れたという食事客にはドリンクのサービスも始めた。

 時計演奏は正午、午後3時、同6時の1日3回。演奏曲は全5曲あるのを2カ月ごとに変更しており、3、4月はビバルディ作曲の「四季」より「春」が流れる。記念ステッカーやクリアファイルも完成し、事務所内で販売している。

 鈴木さんは「近所に住んでいてもこの時計を知らない人は多い。まずは地元の人に知ってもらい、守口市の宝として盛り上げたい」と話す。


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