週刊大阪日日新聞

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2019/3/23

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

さよなら平成の30年4カ月 冷戦終結とバブル崩壊

 歴史上200年ぶりの天皇生前退位を受けて、間もなく新たな令和時代がスタートする。国民にとって改元は天皇崩御とセットが当たり前だったので、こんなに明るく祝賀ムード一色の新元号スタートは経験がない。平成最後の月となる今こそ平成年間30年4カ月≠、上下2回にわたって振り返ってみよう。消えた物、生まれた物から新たな時代の予感が透けて見える。

 まずの今回は、米ソ冷戦体制が終結して新時代を迎えた『国際』と、戦後一貫して続いた自民党政権の下野とバブル経済崩壊の『国内政治経済』。そして明るく『スポーツ』平成日本一を考える。

変わったもの、変わらなかったものは?

【国際】崩れた旧体制 ソ連消滅と米国失速

 平成時代幕開け間もない2(1990)年に米ソ冷戦の象徴だった東西ドイツが統一された。翌3(91)年にソ連が崩壊しロシアをはじめとしてウクライナなど各国が一斉に誕生。旧ソ連消滅の間隙を縫うように、この年イラクがクウェートに侵攻して湾岸戦争が勃発。世界の火薬庫≠ニいわれた中東が一気に不安定化し、長い地域紛争の幕が開いた。

 欧州は統一ドイツ誕生とソ連の脅威から解放されたことで、5(93)年にそれまでのEC(欧州共同体)がさらに通貨統合などを含むEU(欧州連合)へと進化。28(2016)年に英国が離脱を決め足元がぐらついているが、新たな結束による新秩序誕生へ期待が広がった。

 しかし13(01)年の21世紀幕開けは、米国中枢へ3ハイジャック機が突入する同時多発テロが発生。15(03)年のイラク戦争から27(15)年のIS(イスラム国)無差別テロへと紛争はどんどん拡大の一途で、冷戦後の新たな宗教戦争として地球規模で暗い影を落とした。

 この間に米国は国内世論が2分し先鋭化。21(09)年に初めて黒人の民主党オバマ大統領が登場したと思えば、28(16)年には正反対の白人至上主義者の共和党トランプ大統領誕生とぎくしゃく、世界リーダーの地位を自ら退き始めた。大航海時代のスペイン、植民地主義で発展した英国に代って20世紀に世界の盟主となった米国も落日間近。一方、ソ連に代わる米国対抗勢力として台頭したのが、4(1992)年に改革開放経済にかじを切った中国。20(2008)年代に入って、米国を経済的にも追い越す勢いで急成長、今もトランプの怒りを買っている。令和時代には完全な主役交代となりそうだ。

【政治経済】揺らぐ自民党政権、経済失敗とデフレ

 昭和時代には当たり前だった 1億総中流≠ェ幻想となった。2度の自民党政権下野とバブル経済崩壊後のデフレで失われた20年≠経て、日本は格差社会≠ニなり経済二流国に転落しようとしている。

 元(1989)年に始まったのが消費税3%、国民の怒りを買い社会党の土井たか子委員長が「山は動いた」と称したマドンナ旋風が吹き荒れた。3(91)年にはバブル経済崩壊が始まり、5(93)年に非自民・非共産の細川連立政権が8会派共闘で成立。翌6(94)年には「価格破壊」が流行語となりデフレ経済へと急速に陥る。

 9(97)年の消費税5%で景気はさらに悪化。山一証券や北海道拓銀などが倒産し、護送船団方式が崩れた金融界再編が現実となった。しかし官界は相変わらずの横暴ぶりで10(98)年にはノーパンしゃぶしゃぶ接待疑惑が発覚。大蔵省は解体され、財務省と金融庁に分離される省庁再編へと進む。

 「自民党をぶっつぶす」の自虐的スローガンを掲げた小泉首相は14(2002)年に北朝鮮・平壌に乗り込み拉致家族5人を帰国させる荒技で一躍人気者に。17(05)年の郵政民営化の是非を問う総選挙にも完勝。その部下だった竹中経済財政担当相主導の規制緩和と市場開放のグローバリズム(世界基準)で日本企業は軒並みハゲタカファンドや外国人投資家の標的に。19(07)年にはホリエモン(堀江貴文)や村上ファンドが時代の花形となる。結局は20(08)年のリーマンショックによるサブプライム不況でITバブルも吹っ飛ばされ、21(09)年の民主党鳩山政権誕生へとつながっていく。

 24(12)年に史上初の2度目の首相の座に返り咲いた安倍政権は、アベノミクスで懸命の経済浮揚を図り、26(14)年に消費税を8%引き上げた。

 平成の30年間で世界企業の時価総額では、元(1989)年にはトップ50社で上位5社をはじめ32社を日本企業が占めたが、30(2018)年には35位のトヨタ自動車1社に急落。特に上位を占めていた金融機関は軒並み再編で消滅、日本経済は依然として後遺症から抜け出せていない。

【スポーツ】Jリーグ登場、平成の大横綱は?

 5(1993)年にJリーグが発足。それまでのサッカー後進国がカズ三浦や中田英寿などのスター選手登場で一気に人気スポーツに成長。女子も23(2011)年なでしこジャパンが男子に先駆けてW杯で優勝。澤穂希らの人気選手を生んだ。

 旧式の上意下達や根性論から脱した近代トレーニング方式が発達。28(16)年夏季リオ五輪ではメダル数最多41個を獲得、冬季五輪でも男子フィギュアスケートの羽生結弦五輪2連覇というヒーローが誕生。

 伝統のプロ野球は16(2004)年近鉄バファローズ消滅と翌17(05)年楽天イーグルス誕生を経て、それまでの首都圏・関西圏へのチーム集中から、北海道や東北にも本拠地球団ができ、地域密着型でも観客動員増加の新たな時代へ。ちなみに平成ナンバー1打者は通算安打数2539本の金本外野手(広島・阪神)、投手は214勝の山本昌投手(中日)。数字的には昭和の張本や王、金田らには遠く及ばない。日米通算ではイチロー(45)が、4(1992)年にオリックス入団。13(2001)年に米メジャーリーグに移り今年3月に引退するまで、日米通算4367安打でまさに平成の申し子≠セった。

 大相撲で平成の大横綱は、文句なしで優勝42回の白鵬(19年昇進)、次いで25回の朝青龍(15年昇進)とモンゴル勢が並ぶ。引退後に波瀾万丈の貴乃花(6年昇進)は優勝22回で3位。昭和の双葉山、大鵬、千代の富士に比べ印象度はどうだろう。

 最後にプロボクシングは、昭和時代のファイティング原田や具志堅用高らの人気とは比べるべくもないが、強さだけなら現在バンタム級世界王者の井上尚弥(25)は別格。デビュー6戦目世界王座獲得と日本人スピード記録を更新。現在17戦全勝で3階級世界制覇と向かうところ敵なし。令和時代へとつながって行くチャンピオンだ。


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