週刊大阪日日新聞

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(社)日本ABC協会加盟紙 251,012部

2019/3/23

人生100年時代をどう過ごす?
楽しく働き、自分らしく$カきる

セカンドキャリアを満喫


▲元気なシルバースタッフ≠ェ出迎えてくれる喫茶チエブクロー

 「いらっしゃいませ」「味はどうでしたか?」。

 門真市内の住宅街にある「喫茶チエブクロー」の店内で、黒い帽子とシャツ、真っ赤なエプロン姿の店員たちの元気な声が弾ける。声の主はいずれも60歳以上の高齢者。現役時や人生の豊富な経験を生かし、セカンドキャリア≠満喫している。

見える化≠意識

 同店は門真市シルバー人材センター(門真市SC)が、会員の活動拠点として空き店舗だった喫茶店を借り受け運営している。現在16人が朝7時から夕方4時まで3交代のシフトで勤務。居心地の良い接遇と安価なメニューが好評で昼どきは多くの客でにぎわう。


▲現役時代の接客業経験を基に新たなステージで活躍する門真市シルバー人材センターの会員たち=門真市速見町2丁目の喫茶チエブクロー

 2年前のオープン時から働いている中山敬子さん(71)。レストランなどでホールスタッフを30年間勤めただけに、客を見るだけで注文が決まったのか分かると言い「接客がいいねと褒められることもあり、自分を見てくれているんだとうれしくなる」と話す。

 門真市SCは1980年に設立。現在1767人(男性1033人、女性734人)が登録している。行政との結び付きが弱かった背景から、各種イベントに積極的にボランティア参加するなど活動を広く周知する 見える化≠意識。ブースの出店にとどまっていたふるさと門真祭りでは、主催者側として交通整理や会場誘導などに参加し、天神祭ではうちわを配布、大阪マラソンでコース誘導も行っている。

 独自の試みとして、喫茶店運営や自転車点検、包丁研ぎなどを行う「シルバー便利やDay」といった地域に根差した多彩な活動にも取り組む。会員のやりがいや企業への絶好のアピールにつながっており、会員の山本信子さん(65)は「家の中でこもっていても気分がめいる。年齢の割にみんな元気がいい」と実感。大型スーパーやファストフード店からも多くの人材派遣依頼がある。

チャレンジを応援


▲マクドナルドでデリバリーを行う門真市シルバー人材センターの会員

 趣味や生きがいを満喫する高齢者のやってみた い≠応援するユニークな「コンシェルジュサービス」を展開する施設もある。

 京阪・守口市駅前にある介護付き有料老人ホームの大阪〈ゆうゆうの里〉。サービスは、ミュージカルや芝居のチケットの手配から旅行プランの相談、旅先までの行き方を詳しく教えるなど多岐にわたる。

 導入のきっかけは、近年の音楽や芝居などのチケット販売が窓口からインターネットに移ったことで、デジタルでのチケット購入が難しく行くのを諦めたという入居者の話を聞いたこと。事務管理課の宇田知香夫主任は「年齢を重ねただけで、やってみたいことや好きなことを諦めてしまっていいのか」と知恵を絞った。

 職員に申し出る入居者を支援する形だが、職員から入居者に希望を聞くなどきめ細かくサポート。「趣味を謳歌することで、次の楽しみの糧になる。それに向かう入居者のチャレンジを応援したい」と話す。


新たな友人と第2の青春


▲トレーナー(左)の指導の下、ゲーム形式のトレーニングに励む北村さん=大阪市城東区中央2丁目のきらめき脳若ラボ

 認知症予防講座「きらめき脳若ラボ」(大阪市城東区中央2丁目)に通う北村紀子さん(73)。家族に迷惑を掛けないようにとの思いで通い始め、新たな友人たちと第二の青春を謳歌(おうか)している。

 札、橙(だいだい)、杉…。トレーナーが出した「木へんの漢字を書いてください」というお題に、手元のタブレットで答えていく。「なかなか思いつかんなぁ」とぼやきながらも表情は明るい。

 教室は週1回、1時間半。70代〜90代の男女6人が集まり、ゲーム形式のトレーニングで認知機能の向上を図っている。「みんなでしゃべりながらするのが楽しい。みんな初対面だったけど、友達もできた」。昨年末には全員で忘年会も開いたという。

 「娘や孫から、前より明るくなったと言われる」とうれしそうだ。自身も以前より前向きになったと感じており「家事もできるようになったし、前みたいにコンロの火を消し忘れることがなくなった。効果出てるわぁ」と笑顔で話す。

 「職場の雰囲気がいいから一日があっという間に感じる」。そう口をそろえるのは、門真市のネクストステージで働く50〜60代の面々だ。

 農場などで除草や設備の修理、倉庫整理などの業務に携わる男性(58)は日々、同世代の同僚らと仕事に汗を流し、成長の喜びを感じているという。

 女性(61)も、始めた頃は「肉体的にハード。初めて見るような道具も多かった」と不安を感じたが、支えになったのは仲間との何げない会話だった。現場までバスで移動中、車内で交わすテレビ番組や仕事の苦労話など。同年代が多いからこそ「気兼ねなく話せる」という。

 仲間に励まされ、こつこつとできることを増やした。「最初はできなかったことが、できるようになっていくのが楽しい。褒められるとうれしいし、もっと頑張ろうと思う」と充実感をにじませる。


▲第8回大阪マラソンのボランティアに参加した門真市シルバー人材センターの会員たち

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