週刊大阪日日新聞

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2019/3/9

企画展「黄金の茶室がやってきた」

わび茶の精神≠追求した利休 vs絢爛豪華な世界≠つくりあげた秀吉


▲公開されている黄金色に輝く「黄金の茶室」

5月6日まで開催 さかい利晶の杜


▲千利休(左)と豊臣秀吉(右)の肖像画(堺市博物館蔵)

 豊臣秀吉ゆかりの黄金の茶室(復元)=京都市蔵=を展示した企画展「黄金の茶室がやってきた」が、堺出身の茶人・千利休などを紹介する文化施設「さかい利晶(りしょう)の杜(もり)」(堺市堺区宿院町西)で5月6日まで開かれている。

 黄金色に輝く絢爛豪華(けんらんごうか)な茶室や黄金の茶器を展示。わび茶の精神≠追求した利休の趣とは異なり絢爛豪華な世界≠つくりあげた秀吉。2人の偉人の際だった対比を目の当たりにし、鑑賞者らは歴史的な想像力を駆り立てられている。

 堺市は昨年10月、千利休をはじめ、今井宗久や津田宗及らの茶人を生んだことから茶の湯振興を目指して、「堺茶の湯まちづくり条例」を施行。利休や茶の湯への理解を深めてもらおうと、施設で「黄金の茶室」展を企画した。


▲利休の邸宅跡

 黄金の茶室は、秀吉が大坂城内でつくらせ、御所や北野大茶湯などでも披露されたといわれる移動可能な組立式の茶室。茶事の記録を著した『宗湛(たん)日記』など当時の文献によると、秀吉がつくらせた黄金の茶室は平三畳で、天井と柱などは全て金箔を張っていたとされる。障子紙、台子、茶わんなどの道具もすべて黄金だったと記されている。

 文献に基づき京都市が復元した茶室は、横約3m、奥行き約2・8m、高さ約2m。茶釜や茶わん、ひしゃく、茶せんなどの道具類やそれらを置く台も黄金色に輝いている。

 「利晶の杜」は京都市が所蔵する復元した組み立て式の茶室を借りて、千利休茶の湯館の常設展示室前コンコース(1階)で公開。その圧倒的な存在感に鑑賞者らは息をのんでいた。また、秀吉の7回忌にまつわる祭礼の様子を描いた屏風なども展示されている。


▲秀吉の7回忌にまつわる祭礼の様子を描いた屏風(堺市博物館蔵)

 伏見城に大坂城、さらに聚楽第(じゅらくてい)と黄金を使って絢爛豪華な世界をつくりあげた秀吉。

 担当の小林秀行広報マネージャーは「秀吉は茶の湯においても、金づくしの茶道具に始まり、ついに茶室までも黄金で飾りたてました。わび茶の精神≠ニは異なる華やかな趣で、決して利休好みではなかったでしょうが、何らかのかたちで関わったと考えられます」と解説していた。

MEMO

観覧料は大人300円、高校生200円、中学生以下100円。抹茶と和菓子付きのセット券、大人600円(通常800円)で販売。
大阪府堺市堺区宿院町西2丁1―1。
最寄駅:阪堺線「宿院駅」から徒歩1分。「南海高野線 堺東駅」からバスで約6分。「南海本線 堺駅」から徒歩で約10分/バスで約3〜5分。
http://www.sakai-rishonomori.com
問い合わせは、さかい利晶の杜、電話072(260)4386。


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