週刊大阪日日新聞

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2019/3/9

最近話題のリバースモーゲージって何?

老後の生活資金。最後に自宅で一括返済

 「リバースモーゲージ」とは、「持ち家のある高齢者が、その家を担保に老後の生活費などを一時金または年金形式で借りられる貸付制度」のこと。銀行などが金融商品として取り扱っています。高齢化の進む日本では、ますます将来の年金や定年後の再雇用、老後生活への不安が増す中、その解決策の1つとして「リバースモーゲージ」というシステムが、少しずつ注目され始めています。

長生きや不動産評価の低下リスクも

 リバースモーゲージは、自宅(持ち家)を担保にして、そこに住み続けながら金融機関から融資を受けられる制度です。

 通常、銀行から融資を受ける場合、担保として不動産などの抵当を差し出します。借り手が返済不能になったとき、銀行はその不動産を競売にかけ、融資残高の回収に充てたいからです。もちろん、それは返済不能になったときの対処で、基本的には借りたお金を毎月少しずつ返済していきます。

 一方、リバースモーゲージは通常の融資と少し性質が違います。生活資金などを毎月借りて、最後(死語)に担保となる不動産で一括返済するという仕組みです。こういう性質から主にシニア向けの融資制度と言えるでしょう。

元金返済は死亡後

 リバースモーゲージのメリットは、お年寄りが住み慣れた家を抵当に入れつつも、融資を受けながら住み続けられることです。 そして、通常の住宅ローンとは違い、高齢でも借りることが可能で一時金や年金形式で受け取れます。

 元金の返済は亡くなった後になるため、生涯返済する必要はありません。

リスクもしっかり把握を

 何ともバラ色のような制度ですが、実はリスクもあります。

 まずは長生きリスク。本来、長生きは喜ばれることですが、債務者の死亡後に不動産を売却して借金を回収するカタチをとっているため、契約期間を超えて長生きした場合に問題が生じます。リバースモーゲージの融資期間を「終身」としている金融機関もあります。

 次に不動産市場の低迷で、評価額が低下するリスクがあります。不動産評価額が下がれば、担保割れの危険が生じ、債権者である金融機関は融資額を少なくしたり、場合によっては融資を停止したりするリスクもあります。

 日本では、大部分は「土地」に準じて不動産評価額が決められます。このため、リバースモーゲージは一軒家を自宅としている人が主な対象です。また、債務者死亡後の自宅売却を前提としているため、自宅を子どもや孫に残すことができません。このため、家族の理解を得にくいケースが出る可能性もあります。

 高齢化や長寿化を受けた「老後の住まいの有効活用」として注目されるこのリバースモーゲージ。大手保険会社でファイナンシャル部門の元部長を務めた福良広治さんは「今後の日本社会では、年配者も自分のことは自分で面倒を見るという風潮が強まるにつれ、徐々に受入れられていくかもしれません。しかし、利用する際には今回取り上げた問題点を十分に把握して、家族とよく相談して決めるべきでしょう」とアドバイスを送っている。


リバースモーゲージのメリット

@老後も離れることなく住み続けられる
A一定の資金が受け取れ、資金用途もいろいろ
B高齢でも借りることが可能
C元金の返済は亡くなった後、月々の支払いは利息のみ

リバースモーゲージのデメリット

@債務者の長生きリスク
A不動産市場の低迷で評価額が下がるリスク
B融資対象は「土地」付き一軒家のみ
C死後売却のため家族の理解を得にくい


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