週刊大阪日日新聞

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2019/1/26

相続どう変わる? 40年ぶりの大改正

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D 特別寄与

相続人以外の親族も請求可能に

 介護などの貢献度に応じて、相続額が上乗せられることがある。これを「特別の寄与」という。「これだけ面倒をみたのだから」と主張すれば、相手は「大したことはしていない」と反論し、争いとなるケースは多い。

 ところが介護となると、仕事のある長男や次男などの子どもが直接、世話をしているのではなく、その「嫁がやる」のが現実だろう。しかし現行では、長男の嫁といった相続人ではない者がいくら「がんばって」も、寄与は認められなかった。

 「これでは公平に欠く」と今回、相続人以外の親族も特別寄与者として「相続人に対して金銭(特別寄与料)を請求できる」ようになる特別寄与制度が新たに設けられた。

 特別寄与者になれる親族は、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族とされた。つまり、子の配偶者や先順位の相続人がいる場合の兄弟姉妹、配偶者の連れ子から、いとこの子といった遠い親族まで、この制度の対象になる。

 制度は法律婚を前提としており、内縁の配偶者やその連れ子は対象となれない。もちろん提供した労務は無償でなければならず、内容も食事などの世話や病院の送迎程度ではなく、相当な労力を使い、「財産の維持増加に特別の寄与をした場合」となっており、かなりハードルは高い。

 となると今回の改正で、介護を巡っての争いの種が「なくなった」とは言えないようだ。この特別寄与料は相続人に対して請求され、複数の相続人がいれば、おのおのの相続分から負担することになる。なかには寄与料の支払いに同意しない相続人が出ることもあるだろう。

 話し合いが付かなければ、家庭裁判所の審判で決めてもらうことになるのだが、どれだけの労力を使ったかがポイントなので、日誌などに記録しておけば、説明しやすいうえに有利に交渉が進められるはずだ。


E 相続の効力

義務の承継について明文化

 法定相続分を超えて財産を相続したが、他の相続人に債権者や相続分を買った者などの第三者≠ェいて、せっかくの相続財産が自分の物にならないケースがある。

 この時、第三者に取得を主張するためには、不動産の登記や自動車の登録などの「対抗要件」が、これまでと違って取得方法にかかわらず「すべて必要」と見直された。

 現行は遺贈と遺産分割という取得方法による場合には、対抗要件が必要だった。しかし「これは○○に相続させる」といった遺言がある相続分の指定や遺産分割方法の指定のケースでは、対抗要件は不要とする判例があった。このため、登記などの手続きを急ぐ必要はなかったが、改正によって死亡後すぐに手続きを済ませなければならなくなった。

 また遺言に、法定相続分とは異なった割合で相続させる指定があった。が実は債務がかなりあり、それを返済する資力がない相続人がそれを承継したとすると、債権者は返済してもらえないケースが出てくる。このため債権者は相続分が指定されていても、法定相続分に応じて返済してもらうことができる。これを今回、きちんと条文で明文化した。


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