週刊大阪日日新聞

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2019/1/26

高級食パンバトル 大阪冬の陣 

h VS 銀座にかわ


全国47都道府県制覇を目前にする乃が美の阪上社長(左)、大阪に進出した銀座に志かわの高橋社長(右)

 東京・銀座の食パン専門店「銀座に志かわ」が大阪・船場に出店した。大阪を足がかりに関西進出を加速し、全国展開を目指す意向だが、その前に立ちはだかるのが大阪発祥の「乃が美」だ。全国で100店舗以上を構え「日本一」を自負する乃が美の牙城に迫った銀座に志かわの「挑戦」は功を奏すか―。双方の販売価格は2斤で800円(税別)。高級志向の食パン戦争が熱を帯びる。

「聖地」大阪に進出


▲紙袋に入れた食パンを販売する銀座に志かわ船場本町店の店員

 銀座に志かわが大阪市中央区の船場センタービル前に船場本町店をオープンした1月15日。開店前の行列に並んだ40代の主婦は「気に入る味を見つけたい」と話し、乃が美や「高匠」といった大阪の食パン専門店との食べ比べを楽しみにしていた。食パンの選択肢が増えた消費者をいかに引きつけるか。専門店側の個性が問われているのは間違いない。

 銀座に志かわのうたい文句が「水にこだわる高級食パン」だ。パンの仕込みにアルカリイオン水を使用する工程を強調。東京・銀座で昨年9月にオープンした1号店が連続完売を続け、販売数量を1日300本から600本に倍増した実績がある。

 「大阪は高級食パンのブランドが多い。『聖地』で認められるか挑戦したい」。高橋仁志社長(50)は大阪進出の狙いをこう語り、2月に京都、3月に神戸に出店するという。「3年で100店舗」を目指す決意も在阪メディアに示したが、銀座に志かわの構想を間接的に耳にした乃が美の阪上雄司社長(50)の感想は厳しい。「無理だと思う」―。

全国制覇の野望


▲阪上社長の著書「奇跡のパン」

 「5年で100店舗を出店できたのは売り上げを落とさずに来たからだ」。2013年10月に大阪・上本町の乃が美総本店(大阪市天王寺区)を創業した阪上氏は現在、全国111店舗を展開する。特筆すべきは東京進出を後回しにした点だ。狙いについて、著書『奇跡のパン』に「一時的には話題になるが、すぐに埋もれる。ブランド力がつくどころが逆に失速し、全国展開の野望にも大いに水を差される」と記している。

 この結果、乃が美は「東京だけが知らないパン」としてネットで話題になり、満を持して昨年11月にオープンした東京の麻布十番店は「開店時に200人が並んでいる」(乃が美関係者)状況を生み出した。

 乃が美は空白地帯の秋田県へ今年中に出店し、47都道府県を制覇する考えだ。「高級食パン業界を圧倒的に引っ張っていく」と阪上氏。その背中を追う高橋氏は「銀座に志かわはまだ2店舗目。謙虚にやっていきたい」と控えめだが、勝算が無いわけではない。

 「(店名に)銀座≠ェ付くことで注目される」。メディア戦略に怠りは無い。


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