週刊大阪日日新聞

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2019/1/26

IRってなぁに? 

大阪万博決定でIR誘致も有力候補


▲壮大な空間が広がるIRのイメージ図(関西経済同友会提供)

 大阪府と大阪市が同市湾岸部の人工島「夢洲(ゆめしま)」(此花区)にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指している。国内では当面、施設数は3カ所までとされ、全国の誘致自治体の中でも大阪は有力候補とみられている。夢洲では2025年の大阪国際博覧会(万博)の開催が決まっており、これに加えてIRの誘致に成功すれば相乗効果によって大阪経済の活性化に弾みがつくと期待されている。

IR効果で大阪の経済発展に期待

 IRは英語の「Integrated Resort」の頭文字で、民間事業者がホテルやレストラン、ショッピングモール、エンターテインメント施設、国際会議場、カジノ施設などを一体的に整備して、運営する複合型の施設だ。

 整備箇所数については全国で上限3カ所となっているが、最初に認定されてから7年後に国が箇所数を見直し、増やすこともできる。カジノフロアの面積は、IRの延べ床面積の3%以下とすることが決まってる。日本人客が入場できるのは週3回、月10回までで、6千円の入場料が設定されている。

  • ▲IRのイメージ図。屋外でダイナミックなエンターテインメントショーが展開(大阪府・大阪市IR推進局提供)

  • ▲IRのイメージ図。斬新なデザインの建物が並び、歩くだけでわくわくする(大阪府・大阪市IR推進局提供)

 大阪府と大阪市が誘致先とするのはベイエリアの夢洲だ。大阪の都心部に近く、関西空港からのアクセスは1時間以内。周囲が海に囲まれ、非日常の空間を演出することもできるという。

 ではなぜ大阪にIRが必要なのか。IR推進局によると、日本国内で人口減少が進んでいるため、このままだと経済が縮小する恐れがある。観光を基幹産業として育て、大阪の成長につなげる考えだ。IRを経済成長のエンジンと位置付けている。

 大阪IR基本構想案の中間骨子の中で、基本コンセプトとして世界最高水準の成長型IRを掲げている。世界中から人やモノ、投資を呼び込み、ビジネス客やファミリーなど世界の幅広い層をターゲットにしている。夢洲にIRができた場合の運営による経済波及効果は年間6900億円で、雇用創出効果は同8万3千人と試算されている。

  • ▲IRのイメージ図。最先端技術を紹介する展示会で、バーチャルリアリティーなどにより世界中の技術を一度に体感(大阪府・大阪市IR推進局提供)

 大阪府と大阪市は2024年のIR開業のスケジュールを描いている。IR推進局は、多くの観光客が大阪に長く滞在することで、より大きな経済効果が生まれると期待を寄せる。国内外から大勢が集まり、長く滞在できる場所が大阪に必要という考えだ。そのための装置がIRだとしている。

 大阪を訪れている外国人観光客は11年に158万人だったが、17年は1111万人に増えた。この6年間で7倍に増えた計算になる。さらに来阪外国人による旅行消費額は14年に2661億円だったのが、17年に1兆1852億円と、4倍以上の伸びを示している。

 観光産業は大阪の経済発展に欠かせない産業となりつつある。こうした中、大阪府・市はIRを核として、持続的な経済成長につなげたい考えだ。


IRを巡る大阪府・大阪市のスケジュール

2016年12月
 IR推進法(手続法)が成立
17年4月
 大阪府市共同IR推進本部会議設置
17年8月
 IR基本構想(案)中間骨子を公表
18年7月
 IR実施法が成立
 11月
 国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決定
19年度〜
 IR事業者を公募、選定
 府市とIR事業者が規模や治安対策を盛り込んだ「区域整備計画」を共同策定
 府議会・市議会が区域整備計画を承認
20年度〜
 国がIR整備区域を公募(最大3カ所を認定)
 府市がIR事業者と実施協定
 国が実施協定を認可
 IRの整備に着手
〜24年度
 IRが開業(目標)
 「夢洲駅」が開業・大阪メトロ中央線が延伸
25年5月
 夢洲の南西部分155へクタールで大阪万博が開幕


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