週刊大阪日日新聞

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2019/1/12

自宅で供養が静かなブーム 生活スタイルの多様化

あなたに寄りそう大切な存在


▲尾形代表(右)のアドバイスを受けブレスレットを作った山下さん

 近年、核家族化や少子高齢化、結婚しない生き方など生活スタイルが多様化し、葬送・供養においてもその形は変化している。そして今、供養の方法も生活スタイルや自分の希望に合わせて選ぶことができる時代となり、新しい自宅供養の選択肢として「手元供養」が静かに広がっている。

新しい自宅供養の選択肢

 生活スタイルの多様化に加え、住宅事情や費用、後継者の問題などから葬送と供養のその時≠ノ不安を抱いているひとも少なくない。そんな社会背景や故人の希望、遺族の意向から家族葬や海洋葬、樹木葬などの自然葬(散骨)を選ぶ人も増えている。

 手を合わせて故人を偲び語りかけられる手元供養は、新しい自宅供養の選択肢として受け入れられ、広がりをみせている。

 2006年に全国初の手元供養専門店としてオープンした「ホウジョウ」代表、尾形邦明さん=門真市幸福町=は「亡き人を近くに感じ、語りかけることで、心の安らぎを得ておられます」と話す。

大切な遺骨が美しい宝物に

 「大好きなおとうさんといつも一緒。何かあったらすぐにおとうさんに話しかけています」。笑みを浮かべ左手首に巻いたブレスレットを見つめながらこう話すのは山下トシ子さん(75)=守口市。

 トシ子さんのブレスレットはおしどり夫婦だった亡き夫(享年72歳)の遺骨でつくった信楽焼のブレスレット。先祖の墓は滋賀県にあるが遠くてなかなかお参りにいけない。寂しさのあまり落ち込む日が続き、二人の娘も心配していたという。そんな寂しい日々を過ごしていたとき、偶然テレビでホウジョウさんの手元供養が紹介されている番組を見た。トシ子さんは「『これだ!』と思った」という。すぐに予約をとり、尾形代表から「ブレスレット&ペンダント」「納骨絆ペンダント」「納骨吹きガラスオブジェ」「ネックレス」など手元供養品の説明をじっくりと受け、「私が生きている間は、おとうさんは私のそばにいてほしい」と夫の遺骨を使い、信楽焼きの伝統工芸を継承したブレスレットの制作を依頼した。「私の元気の秘けつです」と愛おしそうに手首のブレスレットをなでた。

自分の希望に合わせて選ぶ時代

 手元供養は宗教や従来のしきたりにとらわれない、「自分らしい」「故人らしい」の想いを大切にした供養の一つ。

 手元供養を選んだ理由は「納骨をしてしまうと一人きりになりさみしいので一部を身近に置いておきたい」「住宅事情からお仏壇を置くことはできないけれど大切な人を身近で偲びたい」―など生活スタイルの多様化に伴い理由もさまざまだ。

 尾形代表は「選択肢の一つとして手元供養の存在を知っていたたき、悩みの解決のお手伝いをさせていただきたいと願っています」と手元供養の普及に努めている。


《手元供養を選んだ理由》

●年齢的・体力的な理由でお墓参りが大変になってきた
●お墓の継承者が無く、この先無縁仏になる可能性が高いと考えている
●子供もなく、後のお墓のお世話をしてくれる人がいない
●経済的・あるいは何らかの事情でお墓の建立が困難である
●そもそもお墓は不要と考えている
●海外にお住まいの方や、転勤、引っ越しが多くて墓地の場所を定められない


〈問い合わせ〉

株式会社 ホウジョウ 手元供養専門店 天王寺「ほうじょう」
 大阪府門真市幸福町9―7 ミロハイツ101
 電話06(6115)5144 https://houjou-temotokuyou.jp/


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