2017/4/22

エンディングノートを書くことは…

心の整理が終活≠フ第一歩

 万一に備えて準備する―。「終活」という言葉は聞き覚えがあるが、実際は「ぼんやりと知っている」のが多くの人の実態ではないだろうか。そこで「終活」の第一歩として「エンディングノートを書く」ことを勧めたい。

 どういう送られ方をしたいのかがはっきりし、残された人たちに示せる。自分の人生を振り返る手段にもなる。エンディングノートを書けば、あらゆるものが見え、心も整理できるのだ。


終活のススメ どう生きますか、逝きますか?

 人生にも終点はある。その終点をどういう風に迎えるのか。できれば格好良く、周囲の人たちも混乱させず、スマートに迎えたいのが、だれもの思いだろう。そのために欠かせないのが、いろいろな情報だ。知っておいて損はない。そんな情報のいくつかを集めてみた。

何をすればよいかを明確にするには…
エンディングノートを書こう

望みや感謝、自由につづる
30、40代から要望

▲さまざまなエンディングノートが発売されている

 少し大きな本屋をのぞくと、実用本などの棚にエンディングノートが多数並んでいる。どれも大層に分厚く、立派なハードカバーのものまであって、結構な値段も付いている。中を見てみると、かなりの部分を詳しい解説のページが占め、ちょっぴり厳しい感じがしなくもない。

 「終活」という言葉が使われるようになったのが2009年ごろ。エンディングノートのトップランナーであるコクヨの「もしもの時に役立つノート」もその翌年に発売された。30、40代から「自分の情報をまとめるノート」や「気軽に書けるエンディングノート」が欲しいとの要望が多数あることが、リサーチでわかったことによる発売だと、当時、理由を発表している。

 今では葬儀に関わる団体や組合、会社などによって、簡易な多数のノートが制作されており、終活イベントなどで無料配布されているため、手軽に入手できる。「究極的には大学ノートでも良い」とするのは「終活カウンセラー協会」大阪支店(大阪市中央区上町)の賀集一弥理事。同協会は 終活セミナー≠全国各地で開き、終活に関する幅広い、知っておきたい、先々の不安が解消できる基本的な知識の普及に努めている。

家族へのメッセージ

 「最も大切なのは、何のために書くのかということ。子どもに残すものについてでも、家の仕来りであっても良い、家族に伝えておきたいことを書く」のが基本だと、賀集さんは説く。死後に「もう少し話しておけば良かった」と遺族が悔やむことが多いという。そして「家族へのメッセージとして、普段は言えないことを書くことから始めれば」とアドバイスする。「そうすれば自然と財産や葬式などをどうするといった問題に行き着く」としている。

 3年ほど前のある調査でエンディングノートを書いている人は、途中で止めてしまったケースも含めると6・9%という数字が示された例があったという。賀集さんも「実際に書いている人は少ない」と実感している。では必要と考えているにもかかわらず、書かないのはなぜだろう。

終活″u演会の中で、印象に残ったこと

◎終活に関すること

●肉親には愛情があるから心配をかけたくないので終活を考える。
●終活は縁起が悪いというものではなく必要なこと、他人に迷惑をかけないため。愛する人にありがとうと伝えなかったこと遺されたものが望んでいることとは限らない。
●終活とはよりよく生きるためのもの。

◎エンディングノートに関すること

●エンディングノートを書くことでなにが心配で何が不安であるかがわかる。
●死を意識することで、生きている今を大切にする意味がわかる。

◎講演会の内容に関すること

●大変わかりやすく○×クイズもあったので楽しく、時間がたつのを忘れて聞き入りました。
●将来の高齢化のこと
●自分の経験を交えて話してくれたこと

◎「死ぬ時に後悔すること」に関すること

●一つ一つが大変よく印象に残りました。

◎遺言書、相続、遺影に関すること

●相続の件、遺言書について
●早く遺影の撮影をしておくこと

◎その他

●聞きに行ってよかったほどとても良かったです。がとても難しかった。

空きがあってもOK

 ノートの内容を見てみると、不動産や保険、銀行口座、有価証券など「資産」。「相続」を含めた「遺言」。「葬儀と墓」。そして「自分の情報」や家族・親族・友人などの一覧表といったものが共通して項目に並んでいる。確かに項目も多くて、調べなければはっきりしないものも少なくない。手間がかかるし、面倒だと感じても無理ないところでもある。それに日本人に多い几帳面な気質で、すべての空白を埋めなければならないと考えてしまい勝ちだ。「固く考えなくても良い。空白があっても気にしない。書き上げるのが目的ではないのだから。うちのセミナーで書き方の説明をしないのは、そのためだ」と賀集さんは締めくくった。

今を安心に

 また昨年12月まで精力的に「エンディングノートの書き方セミナー」を開いてきたファイナンシャルプランナーの出口卓哉さん(旭区高殿)は「相続など話しにくい問題について家族とコミュニケーションがとりやすくなる利点があって、将来に備えることで、今を安心して過ごせる。それに高齢期のマネープランをたてられる」とエンディングノートを書くことによるメリットをあげる。

 そして書く際には「読む人の気持ちに配慮する」としたうえで、書いたものはそのままにするのではなく「人生のイベント時に見直し、どんどん書き直しするべきだが、書き直した部分は読めないように確実に消去する」との注意を喚起する。


さらば争続=I
家族による家族のための財産管理

 超高齢化が進む日本。2025年には認知症患者が現在の約500万人から約700万人まで増えると予測されている。そこで、財産管理の手法として今、注目されているのが「家族信託」。この信託は大切な財産を自分の信頼できる家族に託して管理・処分を任せる『家族による家族のための財産管理』の手法といえる。

不動産共有問題などの紛争予防の活用

 信託とは、財産を持っている人(委託者)が、自分が信頼する人(受託者)に財産を託して、定められた目的に従って財産を管理・処分してもらい、その利益を定められた人(受益者)へ渡す仕組みのことをいう。

 相続の専門家は「不動産の共有はしない方がいい」とアドバイスする。しかし、「遺産が不動産しかない相続」というケースは「家族信託」を使えば、管理処分権限を一人に集約することができ、最終的に残った財産を受託者に相続することも可能だ。

相続発生時もスムーズ

 相続が発生すれば預金などの資産は、いったん凍結される。それを防ぐためには生前の家族信託契約で信頼できる家族に託し、「死亡しても信託契約が継続する」と設計していれば引き続き財産管理が続けられ、相続発生時の手続きもスムーズになる。認知症など本人が判断能力を失ったときを考え、受託者となる人にできる限り具体的に財産管理のことを伝え、元気なうちは、一緒に管理することも重要である。


司法書士 那須弘成氏に聞く
認知症対策「家族信託」

 親の遺産相続において、遺産分割協議でまとまりにくいのが不動産。争うことなく引き継ぐことが可能な家族信託制度を活用する際のポイントを不動産の観点から説明しよう。

遺言・成年後見の限界

 財産を引き継ぐ方法として遺言があるが、本人が認知症を患い意思能力がなくなると遺言も書けず、不動産としての財産は凍結され宙に浮いた形となる。

 一方、成年後見制度を活用すれば不動産を管理することや、詐欺被害に遭うことを防止することはできるが、現状維持することはできても積極的に活用(自由な売買・賃貸、相続税対策のための借り入れなど)することはできない。

判断能力問わず 相続対策に効力

  家族信託の大きな特徴は、委託者(被相続人)が認知症で判断能力を失っても、信託契約の中で受託者(委任を受けた人)に認める行為の範囲を定めておけば、不動産の売却や賃借、担保設定など積極的な活用ができる。また、相続人を次の受益者(分配を受ける人)に指定しておけば、委託者の不動産を遺産分割協議することなく受け取ることもできる。

 家族信託は、遺言よりも確実に財産を引き継ぐことができ、特に不動産の共有化を避ける有効的な制度であるといえる。また、受益者を連続して指定することができるので、大切な不動産を代々直系に承継させることを決めておくこともできる。これは、遺言ではできない。

 なお、他の相続人から遺留分減殺請求(法定相続分の半分を請求する制度)があった場合、遺留分が認められる可能性は高いと思われるが、まだ判例がないことを認識した上で信託契約を締結する必要がある。

【問い合わせ】
那須法務司法書士事務所
大阪市中央区石町1─1─1 天満橋千代田ビル2号館6階
電話06(6940)4111


断捨離≠ナ始まる、「好きなものだけに囲まれる生活」

元中学校教頭

 超高齢化社会を迎える中で、非婚や子どもがいないなどの理由でシングルライフを送っている人が増えている。気が付けば必要ないもの、使わないものに取り囲まれて生活している人は多い。そこで、今注目を集めているのが、「好きなものだけに囲まれる生活」、いわゆる断捨離(だんしゃり)という生活方法だ。

 市立や国立付属の中学などで教員を務め、元中学校の教頭で退職した男性(63)は現役中は卓球部の監督や顧問を務め、全国でも常にトップクラスの指導歴を持つ。既に両親は亡くなり、「現役中は教師、クラブ活動の指導で忙しく、独身主義ではないのですが、縁がなく現在も独身生活を送っている」という。

 そして、「余生は自分らしく生活したい」と定年前に退職した。そして気が付けば、「洋服タンスには着ない服が散乱していて部屋には本や雑貨で足場がない状況でした。現役時代は忙しく、ものを捨てることにちょっとした抵抗があったからです」。

 そして、独身で自分の年齢も考えてモノへの執着を捨てて、必要ないもの、使わないものを手放すことで、空間・時間・エネルギーにゆとりが出て、それが気持ちのゆとりにつながる。引き算の法則(必要なもの以外捨てていくこと)で人生の停滞を取り除き、新陳代謝を促している。

 世間では「断捨離=捨てること」という認識が強いが、それは違うという。

 断捨離とは、「不要なモノなどの数を減らし、生活や人生に調和をもたらそうとする生活術や処世術のことだと実感しています。」

 自分のノイズ(雑音)を与える床や机の上の物が整理されて、結果として残ったのは大事な両親や友人らとの思い出の写真だけという。


音楽葬≠ナのお別れ会

楽曲の著作権でJASRACからの警告も

▲故人をしのび営まれた音楽葬

 日本とフランスの音楽・文化交流に貢献し亡くなった音楽学校の校長先生のお別れ会が同校のホールで行われ、生前、交流のあった音楽関係者らが参加して故人をしのんだ。

 交流があったシャンソン歌手が追悼演奏として故人が好きだった名曲「愛の賛歌」「枯葉」を弾き語りで披露し、会場いっぱいに響かせ参加者らも喜んだ。

 大事な人とのお別れに思い出の曲でお見送りするというのは、すごくいいことだ。

 今回のケースは非営利のため問題ないが、CD・生演奏に多くの楽曲の著作権を管理する日本音楽著作権協会(JASRAC)は「葬儀場で音楽を流すのは業者の営利。無断で音楽を流してはだめ」と警告を発しているケースもあるので注意が必要だ。


老人ホーム入居を機に「断捨離」再出発

伝統ある家具を高値で買い取る会社とは!?

▲思わぬ高値で買い取りが決まったM子さん所有の北海道民芸家具

 大阪府河内長野市内の閑静な住宅街。その一角で一人暮らしをするM子(71)さんはこの4月、近くに姉が住む神奈川県内の介護付き有料老人ホームに入居することを決意した。M子さんは学校を卒業すると大阪府内の会社で事務職として長年勤め上げ、一戸建てのマイホームも購入。現在の自宅に約30年間居住したが、今回の引っ越しを機に断捨離を決行することとなった。

 「老人ホームは1DKなのでほとんどの家具、家電は不用品として処分しましたが、家と同時に購入した北海道民芸家具の囲炉裏、座卓、食器棚、サイドボードなどは伝統的な家具。誰かが引き取って使ってくださればと思っていました」とM子さん。

 そんな時に廃品回収を依頼したリサイクル業者から、「自分たちでは知識がないので査定できないが、良い家具を専門に買い取ってくれる会社がある」と聞き、家具販売・買い取り業「六家」の桑原貴寛代表と知り合った。


▲英国アンティーク家具ビューローのデスクも高値がついた

 早速鑑定してもらうと、「くるいがなく木目がきれいな樺(さくら)のむく材を使った北海道の民芸家具。ニスを塗り直す必要がないほど状態も良い」と6万円を超える額で買い取ってもらうことになった。

 M子さんは「そもそも回収だけしてもらえたらありがたいなと思っていたのに、こんなに高額で買い取ってもらえて本当にうれしいです」と満面の笑みを浮かべる。

 「断捨離」という言葉が最近よく使われるようになったが、M子さんのケースは「必要ないもの、使わないものを手放すことで、本当に必要なもの、本当に価値のあるものがさらに浮かび上がった」と言えそうだ。

取材協力 六家
東大阪市東鴻池町1−4−32電話(0120)114765
http://www.roccashop.jp/


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