2017/3/11

冷暖房熱源に地下水を活用 
うめきた2期エリアで再生可能エネ実験

消費エネ、CO2削減へ 実験成功させ水都大阪PR

▲地下水をくみ上げる井戸と循環させるためのパイプ =13日、大阪市北区大深町の「うめきた2期エリア」

 周囲に高層ビルが建ちならぶJR大阪駅北側の「うめきた2期エリア」で、地下水を活用した再生可能エネルギーの実証実験が始まる。冷暖房の熱源として活用し、空調のエネルギー消費効率を向上。地下水への蓄熱により、夏場のヒートアイランド現象の軽減も期待される。豊富な水源を抱える「水都・大阪」が、環境の街≠ニして名乗りを上げる。

■熱利用

 温度変化の少ない地下水は、季節に左右さる外気と比較して夏に冷たく、冬は温かい。実験では、エアコンと同様のヒートポンプ機構による熱交換により、この冷たさ≠竍温かさ≠空調に活用。井戸の掘削工事が終わる3月には実験を開始する。

 井戸を掘るのは、同エリアの東側。120m間隔で掘削した2本の井戸をパイプで結び、地下水を循環させる。地下約50mの砂れき層「第2天満層」から1日当たり1千tを取水する予定で、8階建てビルに相当する延べ床面積1万平方mの空調が賄える。

 実験は、CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業として環境省の採択を受けており、市が大阪市立大、関西電力などと産学連携で取り組む。

■自然の蓄電池

 同エリアには常時19度を保つ地下水が存在。冬季の実験で熱を取りだした地下水はより冷たくなって地下へ戻り、夏季は逆に温まる。実証実験に参加する大阪市立大の中曽康寿特別研究員によると、地下では水温の80%を約半年間保つことができるため、実験後の地下水は夏さらに冷たく、冬はより温かくなって蓄積。その結果、ヒートポンプの熱交換率が向上し、空調のエネルギー消費率を下げることができる。

 中曽研究員は、地下水の蓄熱効果を「地下に巨大な蓄電池を設置するようなもの」と指摘。「風力や太陽光発電の余剰電力を熱エネルギーに変換して蓄えることも可能で、再生可能エネルギー普及の後押しになる」と強調する。

■モデルケース

 実験では、消費エネルギーの35%削減を目指しており、同省地球温暖化対策事業室は「大都市ほど空調の需要があり、CO2削減効果は大きい。大阪をモデルケースに社会全体に普及できれば」と期待する。

 大阪市は過去、地下水の過剰利用で地盤が沈下し、現在は空調利用を目的にした取水が禁じられている。市は実験結果を有識者や環境省を含めた検討会議で検証し、空調への活用を推進する考え。

 市エネルギー政策室の担当者は「ヒートアイランド現象に悩む全国の都市圏でも活用できるアイデア。実験を成功させ、水都大阪をアピールしたい」と意気込む。


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