2017/2/25

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース
働き方改革って何ですか?

安倍首相「時代変った、断行の年」と強調

 突然、週刊大阪日日新聞の佛崎一成編集長が私の席にやってきて、「最近よく聞く働き方改革≠チて何ですか?」と質問してきた。
 私が「何が分からないの?」と逆に問うと、「今なぜ?その実態は? 収入はどうなるの?景気への影響は?」とさすがにポイントを突いた的確な指摘。よろしい、すべて私が教えましょう。

プレミアムフライデー≠フ提唱

 まず「今なぜ?」から。そもそも、安倍政権の最重要課題の一つで、今年の経済界新年会で首相自ら「今年こそ働き方改革断行の年。モーレツ社員の昔は昔、時代は大きく変わった。企業トップが先頭に立って職場が根底に抱える 長時間労働文化≠変えてほしい」と直接経営者側に訴えたんだ。

 背景にあるのは、日本社会が常に抱える最大課題の「少子高齢化」。多くの企業が団塊の世代(現在70歳前後)の定年退職で熟練社員が激減。結果として「有能人材不足と長時間労働の悪循環に陥っている」との危機感がある。一方で企業リタイア層の急増で社会保障費(年金・介護・福祉・医療)が増大。日本企業の働き方を変えてもらわないと、社会全体がすでに回らなくなってきているんだ。

5項目の実施計画

@ 長時間労働の是正
A 同一賃金同一労働
B 副業解禁
C 高齢者雇用促進
D 女性活躍推進

 ではその「実態」をみてみよう。昨春、政府から実行計画として出している5項目を経営者側が指示通り実行すれば、問題はたちどころに解決だ。

 この5項目に従った具体的シミュレーションをしてみよう。まず、正社員はできるだけ残業しない。そのはしりが、2月24日に初めて迎える月末金曜をノー残業で早帰りするプレミアムフライデー≠フ提唱だ。

同一労働同一賃金の導入

 次に「収入」だけど単純に考え残業しない分、正社員は減収になる。しかし、自身がバイトしたり、フルタイムでない高齢者や女性が自分たちで選んだ時間で働いた分、家計全体では穴埋めできる計算だ。同一労働同一賃金は、「貢献が同じなら同じ報酬」が基本。

 「景気に与える影響」だが、政府は「女性や高齢者が働くようになると、社会で活動する人の多様化が進み、発想が変わって新たなイノベーション(切り口やとらえ方)が生まれる」と期待している。

人材こそ日本の宝

 昨年末から今年初めにかけ、大手広告代理店「電通」の女性新入社員が長時間勤務の果てに過労死自殺した問題で、社長が引責辞任するはめになった。安倍首相が言うように、日本の企業風土を根本的に変えないと働き方自体が変わらないだろうね。

 サラリーマン世界で、これを解決するキーワードが「テレワーク」だ。時間・場所にとらわれない働き方≠ニいう意味で、つらい通勤ラッシュを避け長い会議やそのための膨大な資料作成もなくし、インターネットをフルに生かし自宅や出先で仕事をこなす。「これをやらせたら超一流」なスペシャリストを尊重して伸ばしてやる企業風土に変えなくてはならない。

 一方でこれまで労働集約型産業として、スタッフ確保が常に悩みとされた外食や運輸などはどんどんAI(人工知能)が人間に取って替わる時代になる。すでに無人24時間コンビニ「アマゾン・ゴー」は、IT技術と電子決済の組み合わせで実用化秒読みに入っている。

 そもそも、最低賃金法改正で「時給を1000円に」と議論されているが、仮に時給1500円でも1日8時間働いて月20日勤務で年収300万円にも満たない。これでは長い目でみた「自立」は無理。急速な日本の少子化の根底には、若年層の低収入による晩婚未婚に大きな原因がある。

 安倍首相は春闘の今の時期、ずっと「賃上げベースアップを」と叫んでいるが、経営者側は「それなら、繁忙期の1カ月残業上限を100時間に」と要求し労働界から強い反発を受ける相変わらずのこき遣い体質。彼らが発想を本気で変え、「人材こそ日本の宝」と思わないと真の働き方改革は到底実現できないだろうね。