2017/2/25

高齢者は若返っている

健康年齢、5─10年延びる 人手不足の突破口にも

 「10〜20年前と比較して加齢に伴う身体的機能変化の出現が5〜10年遅延しており、若返り′サ象がみられている」─。日本老年学会などが「高齢者の定義見直し」を求めた提言にあった言葉だ。市民感覚からすれば「何を今さら」かもしれないが、医学的根拠も含め、公的に認められたということだろう。つまり「アラ70(古希)」の活躍が今の日本社会には必要なのだ。

健康寿命の伸び、盛ん


※厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会「健康日本21(第二次)の推移に関する参考資料」より

 スポーツ庁が公表した2015年度「体力・運動能力調査」によると、65〜69歳の女性、75〜79歳の男女が過去最高を更新。高齢者の体力が向上している。
 調査は東京五輪が開かれた1964年度から毎年実施。98年度から60歳代と70歳代も対象に。65〜79歳の運動能力は握力、開眼片足立ち、6分間歩行、上体起こしなど6項目(60点満点)で測定。

 拍手、笑いが絶え間なく会場を包む。持ち時間を大幅にオーバーし、熱弁をふるう登壇者の連続にも、聴衆は熱心に耳を傾け、質問を投げかける。ともに中心世代は60、70代だ。大東市立市民会館(同市曙町)で2月9日に開かれた「大東シニア総合大学」の受講生39人(平均年齢67・7歳)の「学習発表会」でのことだ。

 同市は「高齢者が元気になる」さまざまな施策を実施。他県にも知られる存在だが、同大学も大阪産業大学と連携した、そのひとつである。

 発表された数あるテーマの中、関心が高かったのは「健康寿命のアップをめざして」だ。健康寿命とは、心身ともに自立し、健康に生活できる期間のこと。2000年にWHO(世界保健機関)が提唱して以来、単に寿命を伸ばすだけでなく、健康である期間をいかに伸ばすかが注目された。そして現実に寿命の伸び以上に健康寿命が伸び、左図のように、たった10年ほどの間だが、高齢者の若返りが見て取れる。

働くことが健康に生きるコツ

 では健康寿命を伸ばすには、具体的にどうすればよいのか。無論、運動と食事と生活習慣がポイントとなるが、人間なのでつい、楽をしたがる。だから、最低限守っておきたいポイントのみ上げてみると─。

 @酒を飲み過ぎない
 Aできるだけ野菜や果物を食べる
 B運動を定期的に続ける
 C趣味や交流など楽しみを見つけ、散歩でもいいから出かける機会を増やす

 よく考えると普通に暮らしていると、さらには普通に働いている人なら、すでにやっていることではないだろうか。つまり、健康寿命を伸ばす一番簡単な方法は「できるだけ長く働く」ことだ。

人材不足はシニアで解消

 ただ、高齢者が働き続けるには、本人の労働意欲よりも、むしろ雇う側の意識変革が必要だ。どの業界も人手に困っている割りには、高齢者の採用を避けたがる。反対に高齢者を採用し、うまくいった企業の実例をひとつ上げよう。

 門真市四宮にある「大阪コロナ」。松下電器を得意先とした樹脂・金属装飾部品のメーカーだったが、弱電撃沈の時代に直面。しかし、取引先の多方面化を成功させ、ほぼ3倍の忙しさになり、人手不足に陥った。ハローワークや求人誌で募集をかけるが「良い人材がいない」。その時、中田達也社長が気付いた。「よく考えたら私もシニアの年齢だが、まだまだ元気。そうだシニア人材センターに頼もう」

 「おかげで良い人に入ってもらい、以後は同センターを活用しながら、今では十数人のシニアに働いてもらっている」と笑顔満面で話してくれた。

 昔よりも高齢者が若返っている事実を経営者側が気づけば、多くの企業が直面している人材不足が解消することは間違いない。


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