2017/1/28

近年注目 セブ島(フィリピン)英語留学

「安い」「安全」に加え、「マンツーマン」がキーワード
英語を話す時間は欧米の10倍以上


現地の子どもにそろばんを教える生徒たち

 海外留学に新しい潮流が巻き起こっている─。これまで英語留学といえば、アメリカ、イギリス、カナダなど欧米への語学留学が主流だったが、東南アジアのセブ島(フィリピン)への英語留学が日本から最も近い英語圏として、近年日本からの留学生が急増している。キーワードは「安い」「安全」に加えて、「マンツーマンレッスン」。その魅力のポイントを探った。

ネーティブではないからこそ

語学の天才<tィリピン人

 フィリピンでは英語とフィリピン語の二か国語教育を行っているが、国民のほとんどが英語を話すことができる。セブ・フィリピンは、IBMが毎年調査しているIT企業の進出先として2010年以降、IT先進国・インドを抜いてフィリピンが世界第一位になっている。国際的にもフィリピン人の英語力が認められ、アメリカを中心とした世界中のコールセンターが、今フィリピンに集中している。

 コールセンターの数をみてもフィリピン人の英語の発音の良さが証明されているが、「ネーティブではないからこそ、スラングや複雑な言い回しがない。誰にでも通じる分かりやすくきれいな英語を話すのが特徴です」と英語初心者の留学生には好評だ。

マンツーマンなのに欧米留学より格安

 そしてなんといっても、セブ島英語留学の魅力はマンツーマンレッスンだ。グループレッスンがほとんどの欧米の留学と比べて英語を話す量がはるかに多い。セブ島留学では1日に平均して8時間、最大10時間マンツーマンレッスンを受講することができる。グループ授業にくらべると、1生徒が話す時間は10〜20倍以上。ヒアリングだけでなく、スピーキングを伸ばしたい学生には好評だ。

 留学経験者は「マンツーマンレッスンでは周りを気にすることなく、納得がいくまで先生に質問することができた」という。別の留学経験者は「フィリピン留学は、初級者から中級者がアウトプットのスキルを実践的に伸ばしていくのに最適だと思う」と話している。

 さらに授業料は欧米留学と比べて三分の一程度。基礎をしっかり学ぶにはセブ島留学は最高のコストパフォーマンスといえる。

■フィリピン語研と欧米語研の違い
フィリピン語研 欧米語研
1カ月あたりの授業料は15万円が目安。物価や航空券代金も安め。 留学費用 1カ月あたりの授業料は25〜30万円が目安。物価や航空券代金も高め。
基本はマンツーマンレッスン。グループクラスも10名を超えないので、発言回数も多く確保できる。 学生数 1クラス15名以上。発言回数も少なめで、聞く作業が多くなりがち。
1日6〜10時間の授業で、毎日しっかり英語漬け。 授業時間 1日4〜5時間の授業で、午後は自由時間が多い。
ネーティブの流ちょうさには劣るが、英語水準は高め。学生レベルに合わせて丁寧に教えてくれるので、初心者におすすめ。 英 語 ネーティブの流ちょうな発音を常に耳にすることができる。授業もスラスラと進んでいくので、ついていくのが難しいことも。
治安の良さとリゾート環境

 そして安全面についてはどうか。セブ島はフィリピンで2番目に大きい都市で世界的にも有名な観光地。他の東南アジアと比べても穏やかで治安が良く、過ごしやすい。

 平日はほんどの学生が学校の敷地内で生活し、24時間のセキュリティー体制で管理されている。

 平日はしっかり勉強、土日はリゾートを満喫と、オンとオフを切り替えやすいのもセブ島留学の魅力といえる。また、外国で留学するためには通常「留学ビザ」が必要になるが、フィリピンでは「観光ビザ」を延長するかたちで最長1年、英語留学ができる。

朝から夜までみっちり英語漬け

貧困層の街で地域の子どもとコミュニケーションを図る生徒(左)

 府内の私立高校でもセブ島英語留学を積極的に取り入れている。

 上宮高校(大阪市天王寺区、田中裕史校長)は昨年8月初旬から約2週間語学研修を行った。7年前から修学旅行とは別に、希望者だけに実施している。

 語学研修というとカナダやイギリスが主流だが、費用が高いことから人数が集まりにくい。そこで3年前からはじめたのがセブ島での研修だ。カナダやイギリスに比べ費用が半額ほどで行けることができ、また関西空港からの直行便ができたため飛行時間もわずか4時間半と近くなった。 昨年の語学研修では高校1、2年生から6人が参加し、引率の英語 教諭西村浩一さんとセブ島へ渡った。

 日本人の英語能力の弱点となる「話す」「聞く」を中心に「読む」+文法、発音など不安な要素を一つ一つクリアしていくことで英語に対する抵抗感を取り除いていくのが目的だ。

 「グループレッスンが主体の欧米留学に比べ、フィリピンではマンツーマンレッスンが主流なので会話量は全く違います。そこが英語を学びたい生徒にとって一番のメリットだと思う」と西村教諭。

 さらに、シャイな日本人学生にとってフィリピン人講師の熱血さやフレンドリーな性格から生まれる指導力は馴染みやすい。基礎をしっかりと学びたい高校生にとってセブ島留学は最高のコストパフォーマンスといえそうだ。

地域の子どもとコミュニケーション

 常翔学園高校(大阪市旭区、北尾元一校長)では、すでに実施しているイギリスとオーストラリアでの語学研修に加え、2016年度から夏期休暇を利用した「セブ島英語研修」を導入。

 同研修では、事前に現地フィリピン人講師と1コマ約30分(全8時間)スピーキングを中心にオンラインによる英会話を実施。その後、現地の語学学校でマンツーマンでの対面による授業(1日8時間程度)を受講している。事前オンライン研修を行うことで、生徒の不安・緊張もやわらぎ、現地での効率的な英語学習の後押しになっている。

 また同校では、この研修を通して英語に慣れるだけでなく「現地を知る」ことを目標に掲げ、貧困層が生活する街を訪れ、日本人が運営する現地の国際協力ボランティア団体と協働で子どもたちにそろばんやバレエを教えるなど、国際交流を実践しながら積極的に英語を発信することに努めている。さらに、参加した生徒は研修前後に英語コミュニケーション能力を測定する「GTEC」を受験。英語力の伸長度を可視化することで、生徒の勉学への励みとなるような工夫もなされている。

韓国、台湾からの英語留学も急増

事前オンライン学習の様子。生徒たちはそれぞれのタブレットやスマートフォンを使い現地の先生と会話する

 また、英語力に力を入れている韓国、台湾からの留学生も急増している。特に韓国の若者が多く、韓国ではフィリピン英語留学は当たり前になっている。

 実際、フィリピン政府観光省が発表している外国からフィリピンへの渡航者数の推移は、韓国がここ数年、1位となっており全体の約20%を占めている。近年では韓国を追い越す勢いで台湾からの留学生も増えている。

 費用やマンツーマンレッスン以外にも、フィリピン留学の魅力はフィリピン人の国民性もある。留学経験者は「フィリピン人は非常に明るくフレンドリー。そのため、苦しい勉強でも英語を楽しく学ぶことができる。 特に英語を使うことに慣れていない人でも、フィリピン人持前の明るさで英語を積極的に話すことに慣れることができる」と話す。

TOIECスコアを伸ばすチャンス

 セブ島英語留学には3カ月周期で、語学試験対策の専門コースもある。

 6カ月間程度勉強すると、コミュニケーション力とTOEICスコアは相当高いレベルまで持って行くことができる。フィリピンで日常会話プラスTOEICスコア(700点以上)を習得し、その後にオーストラリアやカナダなどの欧米留学圏に留学される人も多い。


今週号

PCでも紙面が
そのまま
閲覧可能です。
【京阪版】
【市内北東部版】

スマートフォン用
【京阪版】
【市内北東部版】

畑山博史のわかるニュース

おやこ新聞

読者プレゼント

中学入試問題

読者アンケート集計結果

間違い探し

情報提供フォーム

鳥取発!紙上ショッピング

都島ドット・コム

ニーズサービス