2017/1/28

ストーカー規制法改正 

ネットに強い弁護士に相談を


写真はイメージ

 改正ストーカー規制法が正月早々に施行された。ポイントは、これまで適用が難しかったネットストーカーを、明確に規制対象に加えた点だ。この改正でストーカーによる凶悪事件はなくなるのか。インターネット犯罪に強い弁護士に見解を聞いた。

従来法に問題

 同法が改正されるきっかけとなった事件がある。昨年5月のことだ。アイドルとして活動し、現在はシンガーソングライターをしている現役女子大生(20)が東京・小金井市のイベント会場入り口で27歳の男に刃物で刺された。男は執拗に攻撃しており、刺し傷は首や胸など20カ所以上に及んだ。心臓など内臓への損傷を免れたため、一命は取り留めたものの、意識不明の重体が約2週間続いた。

 この殺人未遂事件の発生で、新たに大きな問題が明るみに出た。元アイドルは事件までに約4カ月にもわたって、自身の「ツイッターに執拗な書き込みをしている」と警察に相談していた。ところが警察ではストーカー被害と認識していなかったため、この件では事件対応せず、凶悪事件を防げなかった。

 なぜ警察は予防できなかったのか。実はこれまでの「ストーカー規制法」に問題があったのだ。現在はだれもが使う会員制交流サイト(SNS)が、規制の対象から抜けていたからだ。確かに同法2条1項5号には「電話をかけて何も告げず、または拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、もしくは電子メールを送信すること」とあるが、このメールとは、あくまで個別の電子メールで、フェイスブックやツイッター、LINEなどのSNSは対象ではなかった。このため警察に相談しても「事件性がない」と動いてくれないケースが多かった。

大阪の相談件数 全国で2番目

 大阪はストーカー被害が東京に次いで全国で2番目に多く、昨春に府警は専従の「ストーカー・DV対策室」を設けて、24時間態勢を確立させている。被害に遭う危険が予想される相談者には、警備会社に直結するボタンが付いた端末の貸し出しも実施中だ。ちなみに大阪での相談件数は2014年が1451件だった。

 警察では法改正を受けて「積極的に適用し、迅速な取り締まりに努める」との姿勢を示した。しかしネットストーキングで難しいのは匿名掲示板を利用するなどしばしば発信者を特定できない場合があることだ。

改正は有効 被害の減少に

 こうした相談に取り組もうとしているのが、ネット犯罪に詳しい中島宏治弁護士(法円坂法律事務所)だ。「現在抱えている案件で、近く警察に被害届を出すことにしているが、相手が特定できていないため、なかなか1回では受け付けてくれないのが現実だ。根気よく足を運ぶしかない。たぶん警察ならアカウントでストーカーを特定できるだろうし…。ネットストーカーは増えており、今回の法改正で非常に認定がし易くなった。改正はかなり有効だ」と評価する。

 また南陽輔弁護士(唯一法律事務所)も「改正でストーカーを特定しやすくなったが、今後はさらに特定に時間がかからない簡易な手続きでやれるようになることと、発信者の制限ができるようになることを望んでいる。それが犯罪被害の減少につながる」という。

 また同じ事務所の河田映子弁護士は「20、30代の女性から相談が増えている。とにかく怖い。どうすれば良いかわからず戸惑うばかり。直接話したくないというのが被害者」と、相談者の心理を分析。とにかくネットに強い弁護士に相談するのが「解決への一番の近道」と呼びかけている。


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