2016/12/10

万博実現へ不退転 

府が誘致推進室を新設 発足式

 2025年の国際博覧会(万博)誘致を目指す大阪府は、府庁内に国との連絡調整や機運醸成を推し進める誘致の専任部署である「万博誘致推進室」を設置し、「不退転の決意で」実現に向けて歩み出している。もちろん競争相手のパリにも勝ち抜く気合十分だ。


▲万博誘致に向けて松井知事(右)の指示を受ける職員

 大阪府が2025年の国際博覧会(万博)誘致に向けた業務を担う新たな部署「万博誘致推進室」を設置したのは11月21日。同室は政策企画部内に設けられ、開催への機運を盛り上げる官民一体の全国組織「誘致委員会」の立ち上げ作業や、国との連絡調整を行う。

 同部内には8月から万博のプロジェクトチームとして、専任職員12人が所属していたが、推進室の設置に伴い解散した上で、同じメンバーのほかに新たに3人(行政職2人、土木職1人)を加えて計15人体制に組織を強化した。

 大阪府は先月9日に大阪市や関西経済3団体、関西広域連合の6者と誘致委員会の準備会を立ち上げており、この中で来年1月以降に設立する同委員会の体制などを協議する。その際に推進室は準備会の事務局としての役割を担う。

 発足式で露口正夫室長は「不退転の決意で取り組む」と語り、松井一郎知事は職員らに「万博実現に力を発揮してほしい」と述べた。

「想定内」「絶対負けぬ」
万博誘致 パリ表明に知事と市長

 また大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長は11月24日、フランス・パリも誘致活動を始める方針を正式表明したことについて「想定内だ」「大阪の都市魅力と民間の持つ力を合わせれば絶対に負けない」と誘致合戦に勝ち抜く自信をみせた。

 吉村市長はこの日の定例会見で、パリが設定するテーマ「知識の共有、地球の保護」と大阪の「人類の健康・長寿への挑戦」を挙げ、「(大阪は)これまでにない課題解決型のテーマ。関西には大学や研究施設が多く、技術もある」と優位性を強調した。

 会場に予定している人工島「夢洲」へのアクセスが課題とみられることについても、鉄道路線の整備を視野に「関西空港や大阪のど真ん中から数十分で行ける。25年までにインフラ整備は可能。アクセスはまったくマイナスにならない」と自信を示した。

 一方、松井知事も府庁で記者団の質問に答え、「日本の英知を結集すれば中身で戦える」と強調。「政府に旗を振ってもらって、世界の課題を解決できる参加型の万博を実現したい」と語った。

 万博誘致を巡っては、すでに府が万博の基本構想を政府に提出。政府は閣議了解を経た上で来春にも博覧会国際事務局(BIE)に立候補を届け出る。


「万博誘致推進室」室長に聞く

関西の存在感向上

▲万博誘致に向けて意気込みを語る露口室長
 −日本で開催する意義は。

 日本や関西の存在感が向上するということ。万博は「国威発揚型」から「課題解決型」に変わってきた。地球規模の課題を解決するためのモデルを開催地から発信できるということで、存在感が上がる。このほか環境をテーマにした2005年の愛知万博では、市民の環境意識も高まった。こうした意識や行動の変化という「レガシー」がもたらされると期待している。

 −テーマの「人類の健康・長寿への挑戦」とは。

 先進国では高齢化が進み、途上国も将来的に向き合うことになる課題だ。感染症や生活習慣病の問題もあり、世界は健康長寿を望んでいる。一方、先進国の中で日本の高齢 化のスピードは速く、特に大阪や関西は速いので、健康長寿を発信する背景があると言える。平均寿命と健康寿命の差を縮め、「クオリティー・オブ・ライフ」(生活の質)を高めることが求められている。

 −誘致を成功させる上で関西や大阪の強みは。

 1970年の大阪万博には640 0万人が来場しました。この開催実績がある。それから関西には京都大iPS細胞研究所や神戸医療産業都市があり、大阪では「うめきた」で健康医療の取り組みが進んでいるように、健康長寿に関する素地がある。

 −1200億〜1300億円と試算される会場建設費の費用負担はどうなるのか。

 閣議了解までに、国、地元(大阪府・大阪市)、経済界がどう負担するのか結論を出さないといけない。

 −機運醸成を担う官民一体の全国組織「誘致委員会」を立ち上げるそうだが。

 すでに府、大阪市、関西経済3団体、関西広域連合の6者で誘致委員会設立のための準備会を立ち上げた。この中でどんな活動をするかを議論して、2月ごろに委員会を立ち上げる予定で、その作業を推進室が担う。

 −ほかに推進室の役割は。

 府は万博の基本構想を国に提出した。経産省が12月中旬につくる予定の有識者の検討会で構想の内容が検証される。その際に中身や妥当性について、推進室が国との連絡調整に当たる。

 −最後に意気込みを。

 6歳のころに父親に連れられて大阪万博に行ったが、すごいにぎわいだった。今回の万博は東京五輪後の日本や関西の経済発展の起爆剤になる。国、地元、経済界が一体になって必ず成功させたい。


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