2016/11/12

「ATMで返金」にご用心 大阪の特殊詐欺被害、過去最悪

「わたしは引っかからん」は甘い!

 大阪で特殊詐欺の被害が激増しており、過去最悪だった昨年の年間被害額をすでにオーバーしてしまっている。なかでも深刻なのが、払った金が戻ってくるというおいしい話≠エサ≠ノした還付金詐欺だ。これから犯罪が増える歳末を迎えるが、世の中、そうそう甘い話はないことを肝に銘じて注意を怠らないようにしたいものだ。


▲犯罪をにらむ目玉マークをデザインした
ステッカーを車両に張る運送会社社員

 守口市京阪本通に住む高齢者宅に10月5日、「守口市役所保険福祉課の○○」と名乗る男から電話があった。「医療費の還付金がある」。男は続いて手続きの説明で「日本年金機構から連絡があるので、携帯電話の番号を教えて」と言ってきた。この件は高齢者が電話を不審に思ったため被害に遭わずに済んだが、これが還付金詐欺の典型的な手口である。

 この事例のように、まず電話の主は市役所や区役所、あるいは社会保険庁や社会保険事務所などの職員になりすまして、電話をかけてくる。

 なかには警察官を名乗るケースもある。還付金詐欺ではないが、「事件であなたの通帳がみつかった」(枚岡)といって、いろいろなことを聞き出そうとした。

 役所が医療費や税金の還付の通知をすることは絶対にないし、しかも電話での通知はあり得ない。このことをきっちりと覚えておこう。こうした電話は詐欺だと思って間違いない。

 還付金詐欺は、狙った相手を「ATMで受け取って」と告げるのが常道の手口で、とにかく「行って」と誘う。それも金融機関のATMより、考える時間を与えず、しかも警戒する行員らがいない近くのコンビニやショッピングセンターなどに行くように誘導するケースが多い。

03や0120の局番が多い

 ATMでお金が返ってくるなんてことは絶対にない。機械に弱い高齢者に「操作は教える」という。先の件で携帯電話の番号を聞いたのも、指示するため。「ATMに行ったら、この電話番号にかけて。方法を教えるから」と、被害者に電話させるケースも多い。この場合には「局番が03や0120が多い」と警察では注意を喚起している。もちろん指示通りに操作すると、還付されるどころか、反対にお金を犯人側の口座に振り込んでしまう。

 府警によると、「還付金詐欺」を含めた「おれおれ詐欺」や「架空請求」などの特殊詐欺の大阪府の被害総額は年々増えており、2011年には約12億5000万円だったが、昨年は3倍強になった。しかも今年はさらに増加し、10月までで被害額は約44億8000万円。過去最悪だった昨年の年間額をすでに上回っている。

おれおれ詐欺には強かったが…

 かつて「おれおれ詐欺」が全国で蔓延した頃、世間では「大阪人はひっかからない」と盛んに言われたものだ。確かに「おれおれ詐欺」は他府県よりも少なかった。しかし実は、当時から「還付金詐欺」は全国的に多かったが、「おれおれ詐欺」が全盛の時代。被害額が比較にならないほど少なかったので目立たなかっただけだった。

 大阪人の気質について詳しい経済学者の岩田年浩さんは「もともと大阪人には、人の話に簡単には乗らないのと、欲の皮が突っ張ったという両極端の性格がある。しかも犯罪者側が長けてきていて、詐欺なんかには引っかからんという考えは甘すぎる。向こうが上手になっているのだから、こちらも気を引き締めて、常に注意を怠らないように」と警鐘を鳴らす。

 府警は11月1日に特殊詐欺の取り締まりを強化する「緊急プロジェクトチーム」を立ち上げた。「とにかくお金を返します≠ニ言われても、鵜呑(うの)みにせず、一度電話を切って親しい人や警察など公的機関に必ず相談を」とアドバイスしている。


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