2016/4/9

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース
どうなる日本の家電? シャープ、台湾企業の子会社に

 先週、シャープ(本社・大阪市阿倍野区)が台湾の鴻海ホンハイ鴻海精密工業の子会社になることが正式に決定。東芝も白物家電事業を中国の美的ミデア集団に売却。本紙読者とも縁の深い京阪沿線に工場や事業所を持つパナソニック(本社・門真市)も、すでに子会社の旧三洋電機の白物家電事業を中国・ハイアールに売り飛ばしている。日本の産業をけん引してきた家電メーカーは、なぜおかしくなったんだろう?

 東京商工リサーチが3月18日に発表した「白物家電関連メーカー業績動向調査」によると、大手家電の昨年下半期業績は三菱電機を除いて減収傾向。東芝とシャープが大幅減、パナソニックも下方修正。ソニー、日立製作所も黒字ながらまだ上昇気流には乗り切れていない。

■世界基準に乗り遅れ

 なぜ日本の家電メーカーはダメになったの?少子高齢化の進む日本は、国内だけでは家電業界を維持できない。しかも単純機能家電は人件費の安い中国製品に勝てない。高機能高価格製品なら確かに一部で信頼と人気はあるけれど販売数自体が少ない。だから輸出の得意先だったアジア新興国では、どんどん中国製品に取って変わられてしまったことが背景にあるんだ。

 特に携帯電話市場は、日本人好みの「ガラケー」にまい進した日本企業に対し、アップル社からのライセンス生産を一手に引き受ける鴻海などの海外機器メーカーや韓国サムスンのギャラクシーなどが台頭。そう言われると「なるほど」と実感するはずだ。

 液晶テレビも、日本と韓国の品質差はほとんどないのに、値段が高いから世界市場で勝負にならないんだ。

■アフターサービスは大丈夫?

 気になるのは「外国系企業になった場合の製品のアフターサービス」。結論からいうと、大手家電量販店が一時の売りっ放し商法を反省し、各社とも保証期間を延ばす傾向にあるから心配いらない。部品の調達ルートは代わっても、修理のノウハウは当分維持されるからね。

 その家電大型量販店もインターネットの普及で下降気味。今は欲しい商品をネットで検索すれば実店舗よりも安く購入できるからね。家電量販店は現物をチェックするためのショールームみたいになってしまっているんだ。

 大手家電業界は今、生産、流通、販売までがグローバル化の波に洗われ、大変革のまっ最中。それを乗り越えられた社だけが生き残れる。逆に、炊飯器やポット、空気清浄機能付きクーラーなど特定製品に特化し、生き残りを図る中小家電メーカーはオンリー・ワン≠目指して嵐の中をたくましく歩んでいるという構図かな。

■技術は問題なし

 最後に、日本の家電メーカー社員は「外資の新経営者の下でやっていけるのか」だけど、「経営陣はアウト。管理職は引き継ぎ要員。技術屋は将来有望」ってところ。1990年代に外資に飲み込まれた日産自動車は、伝統の企業風土を仏ルノーのゴーン社長にズタズタにされたが、約10年でよみがえった。

 外資の参入は、裏を返せば「商品や技術力自体は問題なし。企業風土を変えればもうかる余地がある」という証明なんだ。特に第一線の技術屋を中心とした一般社員は期待されている。だから心機一転、新たな仕事に積極的に打ち込む気持ちが必要だよ。最もよくないのは、良かった時代の成功体験を引きずるマンネリ体質さ。