2015/5/16

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

地震大国 日本で生き延びるには?

箱根山、火山活動続く

 箱根山(神奈川県)の火山活動が活発だ。昨年秋の岐阜・長野両県にまたがる御嶽山の噴火も記憶に新しく、九州では、熊本県の阿蘇山で火山性地震が続き、鹿児島県の桜島では爆発的噴火が起きている。なんだか、日本列島の火山が活発になってきていると心配する人も多いのではないかな。昔から『地震、雷、火事、親父』と、日本では強くて怖いモノをそう呼んだ。

 事件事故を担当する社会部記者が長かった私は「本当に恐ろしいのは自然災害」と身に染みている。1991年の雲仙普賢岳の火砕流で私の同僚3人を含む43人の報道関係者らが犠牲になった。95年の阪神・淡路大震災では約1カ月間、大阪の新聞社に泊まり込んで取材チームの指揮を執った。

 事件事故現場での取材を通じて大自然の驚異にはまったく無力だ≠ニいうことを何度も思い知らされたよ。今号では、こうした自然災害のメカニズムについて考えてみよう。

地震・火山のメカニズム

 地球の内部にはマントルという物質があり、その上を生物が住む地殻が覆っている。図のように、地殻と最上部マントルの部分はプレートと言って、少しずつ動いている。プレートは地球全体では全部で十数枚あって、それが組み合わさって、押したり引いたりして地表や海底部分を作っているんだ。マントルはもともと固体なんだけど、圧力が低くなったり温度が高くなったりすると、部分的に溶けてマグマを生み出すんだ。このマグマが地表に噴き出したのが火山噴火だね。

 日本列島は縦に「糸魚川―静岡構造線」と呼ばれる大きな断層がくぼんで走っていて、東側はシベリアから北アメリカ全体までつながる北米プレートで、西側はアジアからヨーロッパ全域につながるユーラシアプレートなんだ。その先端がこの構造線で、引き裂いたりせり上がったりして地形を作っている。

 北陸新幹線が金沢までの最短距離を取らず、上越地域で大きく右に迂回しているのは「黒部立山地区の複雑な構造線内をトンネル通過するリスクを避けた」とも言われているんだ。

 警戒レベルが1から2に引き上げられた箱根山や、300年間噴火していない富士山は、この二つのプレートと、フィリピン海プレートとの三つがぶつかりあっている場所。伊豆半島一帯が盛り上がっていたり、駿河トラフという深い海溝があったりするのはこのためなんだ。

 ベストセラーになった小松左京さんのSF小説「日本沈没」(1973年)は、こうしたプレートとトラフの動きをものすごく早回しにした結果といわれ、「遠い遠い将来、日本列島は日本海溝に引きずりこまれる」というわけだ。

火山列島・日本

 今の日本で火山警戒レベル2と3の地域は、南九州と北関東・東北に集中していて、このすべてはプレートの押し合う場所≠ナ共通している。ちなみに先日、大きな地震災害があったネパールのエベレストも、ユーラシアとインド・オーストラリアの二つのプレートが押し合って隆起した場所なんだ。

 さて火山だけど、世界で記録に残るマグニチュード9以上の大地震は7回起きていて、このうち、数年以内に火山爆発がなかったのは東日本大震災だけ。昨秋の御嶽山の水蒸気爆発がソレに当たると「見るか、見ないか」は専門家の間でも意見が分かれている。もし違ったら、火山の活性期に入っているわが国は、どの山が噴火してもおかしくないことになる。

災害少ない古都の街

 では、私たちの住む関西はどうだろう。古くから都が開けた大阪・上町台地、京都盆地、奈良・大和平野などは伝統的に自然災害が少ないんだ。先人たちは経験で分かってたんだね。日本には活火山が110カ所もあるけれど、唯一京阪神と山陽路には火山帯がないんだ。

都市防災について

 「直接被害は軽微」とされる免震対策の行き届いた大規模高層ビルは、停電でエレベーターが使えなくなった途端に縦型・陸の孤島≠ノもなる。都会は便利な分、電気・ガス・水道などがダウンすると自然界に代替手段がないから、生活基盤がもろいんだ。

 だから、災害用の食料備蓄は都市部、特にマンションなどでは、これまで言われていた「家族数×3日分」から「10日分」ぐらいまで増やすことがお勧めだよ。