2015/2/28

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース

暮らしにどう影響するの? 18,000円台回復の日経平均株価

 日経平均株価が1万8000円台を回復し、景気が上向いているように報道されているけれど、一向に潤わない庶民の生活。今回は日経平均と暮らしの関係について勉強していこう。

庶民にはまやかしの景気回復?

 結論的にいうと、日本で上場株を購入している人は全人口の1割程度。だから1万8000円になろうが2万円になろうが、庶民の生活に直接は関係ないんだ。

 中小企業に勤める人を含めた日本国民すべてが潤うためには、賃金が上がって個人消費がどんどん伸びないとダメ。ところが実質賃金は、消費増税8%をまたいで18カ月連続のマイナス。これで個人消費が伸びるはずはない。

 かつては「日本は人件費が高い、日本人はお金持 ち」と言われていたけれど、現在日本人の平均初任給はアジアの中でシンガポールや韓国に抜かれ第3位。後方に中国も迫っている。円安でドル換算した場合の賃金比較とはいえ、日本の企業はあまりにも長く社員の給与を据え置き過ぎているのも事実だよ。

 本当に日本が国力を付けて、世界的に躍進をしているのなら、株価上昇と為替レートによる円高が同時に来るはずなんだ。

日経平均という言葉のマジック

 そもそも日経平均というのは、日本経済新聞が選んだ225社の平均株価のこと。対象は大企業中心で輸出関連のウエートが高い。これは米国のダウ平均(ダウ・ジョーンズ社が発表)も同じだね。もう一つの日本株の指針にTOPIX(東証株価指数)というのがある。こちらは中小企業を含む1860社が対象で、この数字をみる限り、まだサブプライムローン暴落直前の2007年の水準に達していないのが現実なんだ。

海外投資家が影響

 では、日経平均の株高で得をしているのは誰だろう。まず市場の6割を占める海外投資家、次いで保有株式の時価総額が膨らむ大企業、そして個人資産をたんまり持つ一握りの富裕層だ。

 原油も安いし、EUも緊縮財政に反発するギリシャ新政権の誕生でECB(欧州中央銀行)の土台が揺らぎそう。だから、円安で割安感が増す日本株に、海外投資家らの資金が集中しているんだ。

 今や日銀は資金供給量を増やして上場株を買いまくり、政府も公的年金の4分の1を日本株の運用に回している。それでも足りず日本郵便のゆうちょ銀行の資金まで注ぎ込んで株価を吊り上げている。つまり、海外投資家にとって「日本株は円安で割安な上に、日本政府が買い支えているから簡単には下がらない」とみているんだ。

 こうなると危険なのは、安倍政権が第1次政権でつけた日経平均の最高値1万8261円(07年7月)を超えると、政権内部で「もういいんじゃないか?」という空気が流れることだ。

株高、どこまで続く?

 しかし、この株高がずっと続くとは思えない。海外投資家はもうけを出すため常に、意図的に株価を上げ下げするよう仕組んでいるからね。

 過去の歴史をみても、インフレによるバブルは必ずどこかで弾ける。安倍政権は現在、滋賀、沖縄、佐賀と知事選で3連敗中。西川農相の政治資金問題での辞任もあり、支持基盤が揺らいでいる。4月の統一地方選に向け、必死でアベノミクスによる好景気≠演出し続けて求心力を高める必要がある。

 ズバリ5月以降は不安いっぱい。とりあえず現時点で乗り遅れたにわか個人投資家は、いったん株価が沈静化するまで待った方が懸命だね。