2015/2/14

そうやったんや! 畑山博史のわかるニュース
格安航空時代なのに なぜスカイマークがダメになったのか?

業績悪化、違約金発生で自主再建が困難に

 航空会社スカイマークエアラインズ(以下、ス社)が破たんし、民事再生手続きを開始した。格安航空時代になぜス社はダメになったのか。

LCCの先駆け

 ス社は格安旅行で知られるHIS・澤田秀雄社長らが中心となって1998年に創設。日本のLCC(格安航空会社)の先駆け≠ニもいわれた会社なんだ。

 もともと旧運輸省を引き継いだ国土交通省は、鉄道や船舶、航空などの公共交通会社に対して強い許認可権を持っている。これは一見、「規制緩和で競争を進めて経済を成長」させるアベノミクスの基本的考えに逆行するけれど、公共交通は安全な定時運行≠ニいう基本的な考え方があるので、「もうかれば合理化してよい」というわけにはいかないんだ。昨年の韓国フェリー事故のように、経営者が利益優先に陥ったら乗客の安全を確保できなくなるからね。

 その中で、国交省の国内航空行政は長く日本航空と全日空の2社を中心に回ってきた。後に世界の流れになるLCCにも日本の官僚は懐疑的で、澤田さんは結局多額の赤字を抱えたままス社を手離し、2004年には今回の民事再生直前まで社長だった西久保慎一さんに経営トップを交代した。西久保さんはネット業界の大成功者。異業種からの参入で、ス社再建に数々の思い切った手を打って成功させてきたんだ。

破綻へのシナリオ

 今や時代はLCCに追い風になったが、その分競争が激化。ス社の航空機材はドル建てリースが中心で、円安が経費を押し上げた。さらに国際線参入を目指しエアバス社からの新機種購入を、資金繰りを理由に計画半ばで中止し、多額の違約金が発生。これがとどめになった。

 最初に言ったように、公共交通機関は通常、国が主導して同業他社との吸収合併を仕掛け、救済するものなんだ。ところが、当初ス社が日航と提携しようとしたら、国は「民主党政権時代に多額の国費を投じて救済した日航に渡すのは困る」と難色を示したんだ。やむなく全日空を加えて再交渉を始めたものの今度は全日空側が3社での共同運航交渉を渋り、結局資金繰りに行き詰まってしまったんだ。


JALは会社更生法だったのにス社は民事再生法?

 通常、危機に瀕した企業の命運を握るのは銀行などの金融機関のイメージがある。しかしス社の場合、もともと西久保前社長が多額の負債を肩代わりして黒字転換させた。現在でもメーンバンクはなく、無借金経営と言われる。負債の大きなものは航空機をリースしているエアバス社と一部のファンドだけ。そこで投資のファンドのインテグラル社が90億円の当面の運転資金を出資し、現経営陣や自主営業ができる「民事再生法」を選択したんだ。

 日本航空は経営陣一新と管財人が一括管理する「会社更生法」だったから、その違いは利害関係者数や自主再建の可能性の大小といえるね。