2014/11/8

ペット介護ビジネス需要増 

施設の質や人材不足


▲「犬の夜鳴きや徘徊で介護に疲れてしまうケースもある」と語る杉原さん。訪問介護のニーズも高まっている=10月29日、羽曳野市

 高齢化に伴う介護ビジネスの波は「ペットの世界」にも押し寄せている。寝たきりや認知症になった犬の介護用品や、訪問介護を手掛ける企業が登場。飼い主の負担軽減とペットの幸せな老後を両立する介護ビジネスの進展に期待が集まるが、物言わぬ動物相手の介護にはハードルも多く、施設のあり方に対する議論も深まっていない。

 ペットフード協会(東京都)の調査によると、犬の平均寿命は14・2歳。近年は少子高齢化も進み、推計約1087万頭の飼育犬のうち、7歳以上が52%を占める。

最期をみとる

 ペット用品の通販事業に取り組む新日本カレンダぺピイ事業部(大阪市東成区)は飼い主のニーズを獣医師などから聞き取り、犬の歩行を補助するバンドや徘徊(はいかい)防止用ガードなどを開発してきた。10月16日には、寝たきりを予防する体位変換クッションを新たに発売。筋力低下や関節の衰えを招きやすい老犬が楽な姿勢で眠れる工夫を凝らした。

 商品企画課の成田千恵さんは「愛犬を最期までみとりたいという人が増えた」と、需要増の要因を分析する。

 犬が寝たきりになると、食事の介助や排便の始末などで飼い主の負担は重くなる。羽曳野市に住む女性(70)は昨年4月、12歳のシェルティーが病気で寝たきりになり、介護に没頭した。2人の娘も交代で仕事を休んで看病することに。愛犬は1カ月で歩けるまでに回復したが、治療費は200万円にも上った。「飼った以上は家族だから、しっかり世話しないと」。女性は笑顔で話す。

人材や質が課題

 負担を軽減しようと、ペット向け訪問介護事業も生まれた。ペットケアステーション大阪(堺市堺区)は、自宅に出向いて高齢犬の見守りやトリミングなどを手掛ける。

 「ニーズは高まっているのに『近くに介護の施設がない』との声も多い」と、代表の杉原真理さん(44)は説明する。杉原さんは老犬介護の民間資格講座も開き、人材の養成にも努めている。

 近年は「老犬ホーム」と呼ばれる施設も登場するなど、ペット介護ビジネスは花盛り。一方で、大阪市獣医師会の副会長を務める南大阪動物医療センター(大阪市平野区)の吉内龍策院長(57)は「ケージで生かしておくだけの施設もあり、質や信頼性が問われている」と指摘する。

 人も犬も高齢化の時代を迎えた。吉内院長は「飼い主が病気などで飼えなくなったとき、責任を持って次の飼い主を見つけられる団体や制度が必要になっている」と訴える。


体位変換クッション(手前)や歩行補助バンドなど犬の介護用品の開発が進んでいる
=大阪市東成区中道3丁目の新日本カレンダーペピイ事業部

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