2008/3/29
今注目される「専門学校」という選択肢
学歴社会から実力社会の時代へ
進む「大卒ブランド」の希薄化、問われる進路に対する考え方

少子化の影響で「大学全入時代」を迎えるなか、各大学は学生獲得のため職業教育に重点を置いたコースや学科などを新設し始めた。歴史の浅い大学の新設学科とは違い、専門学校には長年蓄積されてきた独自のカリキュラムがある。即戦力となる人材の育成を続ける専門学校の強みを探った。
本気なら専門学校へ
しごと観育成′、究会(東京都)が2006年12月から07年1月に実施した共同調査によると、専門学校生の77%が「学んでいる内容と就職先の分野が一致している」と実感。一方で大学生の約52%が「選考した分野やコースと関連のない企業に就職している」と感じているという。(図参照)
専門学校では、学んできたことと就きたい職業のミスマッチが大学に比べ、なぜ少ないのか−。大阪府内の専門学校など約200校が加盟する「大阪府専修学校各種学校連合会」(大阪市都島区)の副会長で進学対策委員長の重里徳太さん(44)は、「大学はあくまで研究機関であり、目的は研究。専門学校は職業教育機関なので、なりたい職業がある程度決まっている学生たちが集まる上、実際に仕事をしてきたプロから現場の息吹を直接教わることができるから」と説明する。
高まる専門生への求人
目的をはっきり持っている人にとって、専門学校は夢への近道。実力社会になり企業は学校名ではなく本当に優秀な人材を求める傾向にある。
リクルートが運営する「リクナビ」に代表される就職活動のためのインターネットサイトでも、専門学校生向けの求人だけを集めたものが存在している。IT分野の専門学校生を対象とした「専ためナビIT」では、ゲーム制作やweb制作などの求人情報が集まってくるなど、専門学校生への求人は着実に増えてきている。
即戦力の育成
またカリキュラムについても、大学と専門学校では性質そのものが違う。重里さんは「大学は旅行に例えるとフリープラン、専門学校はパッケージプラン」という。
大学は積極的・能動的に動かなければ、得るものは少ない。専門学校は現場で役立つ技術や知識を身につけなければ意味がないので、授業、実習、資格取得など超えるべきハードルを全部用意している。そして、即戦力となる人材を育てるためその道の専門家が練り上げたプログラムや、産学共同の事業などを導入している学校が多く、よりリアルな体験ができる。
市内の某コンピュータデザイン系専門学校を今年卒業した古田琢也さん(21)は「デザインに対して取り組む姿勢が変わった。自分が良いと思うものを作るのではなく、相手が求めているものを作るという意識がついた」と職業教育の成果を話す。
増える進路の選択肢
一方、専門学校生にとって、選んだ分野と夢がずれてきたときが問題となる。大学なら、空 いた時間を生かして他の勉強もできる。専門学校生はカリキュラムが体系化し他の時間がとれない。そんな中で濃い授業を受け続けるのはしんどいのでは、という意見もある。
しかし、1999年の専修学校設置基準の一部改定によって、一定の条件を満たせば専門学校から大学への編入が可能になった。さらに、06年からは4年制専門学校卒業者には、条件を満たせば「大学院入学資格」も得られるようになったため、進 路は就職だけに限られず、広がりを見せている。
進路を選択する際、中学、高校、大学という流れだけではないということを認識し、一度立ち止まって自分を見つめ直し、どんな社会人になりたいのかを考えることが大切ではないだろうか。
130万部のベストセラー本 「13歳のハローワーク」
村上 龍著 はまの ゆか絵
出版 : 幻冬舎(2003年11月発刊)
「好きなことを仕事として考える」という、作家村上龍氏のメッセージが大きな反響を呼んだ書籍。動物、スポーツ、映画、音楽、料理など、いろいろなジャンルの「好き」をきっかけにして514種の職業が紹介されている。2004年11月の初版から130万部以上が販売され、全国8000校以上の小・中・高等学校で教材や参考図書として採用されている。
このような大きな反響を呼んだ背景には、近年、小・中・高等学校で「職業教育」を推進する動きが活発になっていることがある。「良い学校を出て、良い会社に就職すれば安心」という時代は終わり、早い時期からの就業意識が必要とされている。
過去のヒット作

-
真相・検証
-
突撃取材
-
ディープサウス探訪
-
スポーツ
- 浪速のJoe「辰吉丈一郎」
- 亀田一家の凋落
- 時代錯誤の日本相撲協会
-
大阪の動向
-
インタビュー

























