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2019/6/6

ラジオ講座「学びの時間」 6月7日〜6月28日

〈テーマ〉知的財産権は中小企業の強い味方

 広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。6月7日〜28日の内容を少しだけ紹介します。

今回の講師 保坂 幸男さん

ほさか・ゆきお 生物機械工学、生物プロセス工学、穀物科学、研究開発、知的財産権、MOT(技術経営)等が専門。農学博士、弁理士。広島大学大学院工学研究科客員教授、企業顧問、団体役員、特許事務所代表他。東広島市在住。

 アイデアや創作物などで財産的な価値を持つものを総称して、「知的財産(知財)」と呼びます。その中には法律で規定された権利などがあり、それらを「知的財産権」と呼びます。知財は大企業、中小企業他にかかわらず価値のあるものですが、特に中小企業にとっては経営上の有効な手段です。しかし、中小企業の取り組みは遅れています。そこで中小企業の知的財産権所有の経営上の効果、中小企業と知財の関係の現況について話していきます。

知的財産権とは

 主な知的財産権は次のようなもの。「特許権」と「実用新案権」は発明等を保護し、「意匠権」は物品の外観の創作を保護する。いずれも産業の発達を図ることを目的とする。


 「商標権」は商品やサービスの目印である商標を保護して産業の発達を図り、併せて需要者の利益を保護することも目的とする。 「著作権」は文学や芸術等の思想または感情の創作的表現を保護して、文化の発展を図ることを目的としている。

知的財産権の取得で大企業の事業力に対抗

 大きな販売・生産力を持ち、大きな経済活動を行う事業力のある大企業に、中小企業はかなわない。

 しかし、商品力と知財力は、個人または研究開発グループの努力や才能による 部分が大きく、事業力の大小にかかわらず、中小企業でも平等な条件で能力を発揮しうる。つまり、付加価値の高い商品を開発して、それを知的財産権で守ることによって、中小企業でも大企業の事業力に対抗することができる。すなわち中小企業こそ、強力な知的財産権を積極的に取得して、経営の強い味方にするべきだ。

特許権を所有する中小企業は活力大

 「特許あり」の企業は、「特許なし」の企業に比べて2倍の営業利益率を確保 しており、それは大企業の営業利益率より高い、という統計データがある(右表)。特許ありの中小企業は成長意欲に燃え、研究開発(R&D)に力を入れ、社員の士気も高いからだと考えられる。

先進国に比べ特許の活用遅れる

 日本の全企業のうち、99%以上は中小企業。しかし、中小企業の特許出願件数は、全出願件数の14%に過ぎない(右表)。特許は企業の収益確保の重要な手段になっているが、日本の中小企業は海外の先進国に比べて活用が遅れている。

 そこで国は現在、中小企業向けには特許料等を減免することで積極的な出願を促し、国全体の経済力の向上を図ろうとしている。


FM東広島 放送スケジュール

FM東広島(89.7MHz)で保坂先生の講座を放送します。それぞれ、日曜日17時〜、再放送をします。

第1回 6月7日(金)12時〜
主な知的財産権

●特許、実用新案…発明等
●意匠…物品の外観の創作
●商標…商品またはサービスの目印
●著作…文学、芸術等の創作的表現

第2回 6月14日(金)12時〜
知的財産権の取得で大企業の事業力に対抗

●中小企業は事業力では大企業にかなわない
●知財力は強い味方
●知財力で大企業に対抗可

第3回 6月21日(金)12時〜
特許権を所有する中小企業は活力大

●特許なしの中小企業の2倍の営業利益率
●大企業よりも高い営業利益率
●成長意欲大、R&D盛ん

第4回 6月28日(金)12時〜
先進国に比べ特許の活用遅れる

●中小企業の特許出願件数は14%
●中小企業向けには特許料等の料金を減免し、出願を促す


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