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2019/4/25

酒蔵通りに初の鏝絵 

賀茂泉の土蔵 大黒天と恵比寿天描く


▲完成した作品を足場から眺める広島左官マイスターの岡下誠司さん

 賀茂泉酒造(東広島市西条上市町、前垣壽男社長)の北西角に建つ土蔵の妻壁にこのほど、大黒天と恵比寿天を描いた鏝絵(こてえ)が完成し、4月13日の蔵開きに併せてお披露目された。

 鏝絵は、家の商売繁盛や子孫繁栄、火災除けなどを願い、左官職人がしっくいを塗り重ねて、左官鏝で浮き彫りにするなどして作るレリーフのことで、江戸末期に静岡県出身の左官職人入江長八(伊豆長八)が鏝絵技術を発展させたといわれている。


▲鏝絵を前に談笑する(左から)鏝絵楽会の木原さん、前垣社長、広島左官マイスターの岡下さん

 作品は、縦約2m、横約4mで、妻壁に一列に入る水切瓦(みずきりがわら)の上部に描かれている。恵比寿天は、右手に賀茂泉のロゴマークが彫られたとっくりを持ち、左手に大きなタイを抱える。大黒天は米俵に立って、右手に打ち出の小づちを持ち、左手におちょこを持つ。

 前垣社長が昨年秋に黄綬褒章を受章したのを記念して、広島市内で広告代理店を営む鏝絵楽会の楽会長木原実行さんが、鏝絵の制作を提案。木原さんらが山口県岩国市の民家にある鏝絵を原画にオリジナルの下絵を描き、広島左官マイスターの岡下誠司さんが約1カ月がかりで完成させた。素材には「100年後も残るように」と雨風に強い土佐しっくいを用いた。

 前垣社長は「令和という新しい時代の鏝絵が誕生した。酒蔵通りのどの蔵にも鏝絵は見られない。東広島の一つの目玉として行き交う人に楽しんでもらいたい」と笑顔。

 岡下さんは「通りに面しているので、制作中も興味深そうに見学される人が多かった。この作品をきっかけに鏝絵を知ってもらい、左官という職業にも興味を持ってもらえたら」と話していた。

  (茨木)


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