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2019/4/4

ラジオ講座「学びの時間」 4月5日〜4月26日

〈テーマ〉 水素の贈り物 ―低炭素社会を目指して―

 広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。4月5日〜26日の内容を少しだけ紹介します。

今回の講師 藤井博信さん

ふじいひろのぶ 機能性材料の物性研究(理学博士)元広島大学総合科学部教授、同大名誉教授、元同大自然科学研究センター特任教授、元広島市立大学特任研究員。元国際エネルギー機関(IEA)水素エネルギー専門委員。東広島高美が丘在住。

 皆さん、水素エネルギーという言葉をご存知でしょうか。近年、新しいクリーン・エネルギーとしてメディアの特集に取り上げられるなど、話題になっています。ここでは、エネルギー消費の現状について話した後、水素エネルギーが、今、なぜ注目され、利用しようとされているのかについて、話していきたいと思います。


2020年度に実証運用が予定されている福島水素エネルギー研究フィールドの完成予想図。水素を「造り」「貯め・運び」「使う」という、未来の水素社会実現に向けたモデルの構築に取り組む

エネルギー消費の現状

 私たちは日常生活で、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料を多量に使用しています。その量は、全消費エネルギーの8割に上ります。


家庭用燃料電池


燃料電池自動車

 それに伴って大気中の二酸化炭素ガス(CO2)の濃度が増大し、地球温暖化問題(海面上昇や異常気象 など)が発生しています。中でも、わが国は、エネルギーの多くを輸入に頼っており、エネルギー自給率は8%です。産油国の政変・戦乱によって、将来、エネルギーの入手が困難になることも予想されます。

 原子力エネルギーも安全性に課題を抱えており、エネルギーセキュリティーは、危機的状況にあると言えます。

 こうした中、近年、再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱など)の活用が注目され、日本では、2030年までに25%の利用が期待されています。再生可能エネルギーが将来、切り札になることは疑う余地もありません。

水素エネルギーの魅力

 一方、水素は、化石燃料や再生可能エネルギーなど自然界に存在する資源から比較的容易に生成できるクリーン・エネルギーです。

 水素は、使用しても出るのは水だけです。それと同時に、水素は、電力との互 換性に優れたエネルギーの担い手であることも魅力です。

水素エネルギーの普及

 水素を利用する際にキーとなる技術が、燃料電池です。燃料電池は、水素を効率よく電気に変換でき、電気も効率よく水素に変えられます。

 2009年、世界に先駆けて家庭用燃料電池エネファームが販売開始されました。これは、都市ガスやLPガスから水素を造り、燃料電池を働かせ、得た電力を家庭用電気に用い、余分の熱を給湯に用いる仕組みで、CO2の削減につながります。

 一方、CO2を全く排出しない燃料電池自動車の開発では、2014年、世界に先駆けてトヨタMIRAIが販売開始されました。水素ステーションは、2030年までに900カ所の建設が計画されています。

 徐々にではありますが、低炭素社会を目指した$素エネルギーの利用が進みつつあるのです。


FM東広島 放送スケジュール

FM東広島(89.7MHz)で藤井先生の講座を放送します。それぞれ、日曜日17時〜、再放送をします。

第1回 4月5日(金)12時〜
エネルギー消費の現状

●化石燃料の使用による二酸化炭素の排出
●地球温暖化による深刻な環境問題
●化石燃料の枯渇
●再生可能エネルギーの利用

第2回 4月12日(金)12時〜
水素エネルギーの魅力

●究極のクリーン・エネルギー
●水素は自然界に存在するさまざまな資源から造れる
●水素はエネルギーとして貯蔵できる
●水素は電力との互換性に優れたエネルギー

第3回 4月19日(金)12時〜
燃料電池の仕組みと特長

●水素を電気に変えることも電気を水素に変えることも可能
●エネルギー変換効率が極めて高い
●乾電池や蓄電池のように電気を蓄えるものではない

第4回 4月26日(金)12時〜
水素エネルギーの普及

●低炭素社会の実現を目指して
●家庭用燃料電池エネファームの販売開始
●燃料電池自動車の販売開始
●再生可能エネルギーから多量の水素を造るプロジェクト開始


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