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2018/11/1

ラジオ講座「学びの時間」 11月2〜23日

〈テーマ〉旧暦併用のススメ 季節感を取り戻そう

 広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。11月2〜23日の内容を少しだけ紹介します。

今回の講師 金田 晉さん

かなた・すすむ 博士(文学)。美学専攻。「現象学的美学」の確立を目指す。近年、公共性(パブリック)の美意識という観点から、環境・暦・都市・地域・美術館等の諸問題にも積極的に発言。東亜大学特任教授。広島大学名誉教授、蘭島閣美術館名誉館長等。

 世界には、さまざまな暦がある。

 東アジア、特に日本列島は自然環境に恵まれている。中緯度の地帯にあり、モンスーン気候帯に属し、四方、海に囲まれていて、海抜0mから3000mまでの植生が楽しめる。だから、15日刻みの二十四節気、5日刻みの七十二候など、他地域では考えらえないほど、変化に富んだ暦があった。その暦の魅力を考えてみよう。

月の暦は現代のモダニズム

 太陽と月と地球、天体暦がいい。「暦の時間は、生活の時間と宇宙の時間に架けられた橋である」(ポール・リクール)。その暦に合わせて、人類は、生活し、労働し、戦争にまみれ、文化を築いてきた。5千年以上の歴史がある。

 昼と夜の交替、1日である。地球の側から見ると、太陽は天体上の行路(黄道)を通っているように見 える。元の位置に戻るのが1年。昼の最長が夏至、最短が冬至、昼夜等しいのが春分、秋分である。

 地球の赤道が天の赤道から23・27度傾斜しているため、季節の変化が生まれる。月は地球を約29・5日かけて一周する。それがひと月(1朔望月)。月は毎夜形を変えて、暦の日々を区切ってゆく。


▲『月と季節の暦2018』(月と太陽の暦制作室)の表紙

暦は月の暦から始まった

 太陽を基準にするのが太陽暦。明治以来日本が公式暦として使っているグレゴリオ暦はその代表、1年約365日。今では「世界暦」と言われるほど、世界を席巻している。

 イスラム世界で今も使い続けているのが、月だけを基準にする太陰暦。12朔望月を1年とすれば、354日。この約11日のズレを調整して作られたの が、太陰太陽暦。かつて農業暦として世界中で一般的であった。

 中国の暦も、その中国から輸入して1200年の歴史をもつ和暦もそうであった。「旧暦」と呼ばれる天保暦もそうである。最も正確な暦と言われた。


▲月歴と旧暦が書かれたカレンダー『月と季節の暦2018』

月を楽しむ

 現代人は、月を見なくなった。都会生活者には高層のビルに妨げられて月が見えない。電気照明が月の有難さを忘れさせる。東西が一望できる南向きマンションの住人、田園で周囲を山や森に囲まれて暮らす人々は、幸せである。月が見える。湖や池、夏ならば田植え直後の水郷では、月が水に映える。美しい。

 旧暦では、月が大切である。地球を月が一周するのは約29・5日(1朔望月)。毎夜、月の形が変わってゆく。新月(見えない=闇)|上弦(右側が明るい半月)|満月(望月)|下弦(左側が明るい半月)|新月と。月の形で今日が何日か、分かった。1日(朔=月立ち、ついたち)、7日(上弦、例…七夕)、15日(満月、十五夜)など。旧暦で、日を聞いて月を想像してみよう。


FM東広島 放送スケジュール

 FM東広島(89.7MHz)で金田先生の講座を放送します。それぞれ、日曜日17時〜、再放送をします。

第1回 11月2日(金)12時〜
暦の基本構造

●なぜ今暦なのか。
●太陽―月−地球の物理的特性および周期。
●太陽暦、太陰暦、太陰太陽暦

第2回 11月9日(金)12時〜
太陰太陽暦(旧暦)を学ぶ

●太陽暦的要素と太陰暦的要素
●年始め、月初め、一日の始まり
●二十四節気と七十二候

第3回 11月16日(金)12時〜
暦で文学を豊かに読む

●秋の歌「花野」
●芭蕉「奥の細道」
●蕪村の句の世界

第4回 11月23日(金)12時〜
暦と生活 −豊かな生活のために−

●月を生活の中に取り込む。『枕草子』
●月と動物、植物の関係。畑と虫
●月のエネルギー(引力、潮汐)


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