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2018/10/11

防災・減災研究C設置 相乗型豪雨災害に特化

広島大


▲研究の目的を話す土田孝センター長

 広島大はこのほど、大学内に「防災・減災研究センター(HRRC)」を設置した。今年7月の西日本豪雨が、従来の防災学や減災学では対応できない災害だったことから、全学を挙げて研究する拠点を構築するため開所した。(日川剛伸)

研究成果、地域に還元を

 広島県内では、近年、1999年の6・29豪雨災害や、2014年の8月豪雨による広島市土砂災害など大規模な自然災害が頻発。特に今回の西日本豪雨は、土砂災害や洪水、内水氾濫が複合的に発生して広範囲に被害をもたらした「相乗型豪雨災害」と分析。これらを踏まえ、今後の災害を軽減するために新たな研究集団組織を、とセンターの開設に至った。

広島大防災・減災センター 今後の研究課題

@相乗型豪雨災害のメカニズムの解明と、災害を未然に防ぐための早期検知システム等の開発

A災害に強い社会システム、インフラ、ライフラインの整備に向けた研究

B適切な避難・復興行動ができるよう心理学的・医学的アプローチからの分析

 スタッフは当面、各研究科から集まった39人でスタートし、今後増員する。センターは工学部棟の一室を充てる。相乗型豪雨災害が生じた場合、被害はインフラを遮断するなど広域的で長期的なものになることから、3分野で研究を進めていく(上表)。

 一方で、行政や民間企業との共同研究講座などを設け、実践的な研究で培った技術を地域に還元し、防災に役立てる。今後は、国内外との有力研究機関とネットワークを形成し、豪雨や土砂災害を中心にした災害科学に関する最先端の学術研究を目指す。

 全国の大学には、東京大地震研究所、京都大防災研究所など自然災害に関する研究所はあるが、相乗型豪雨災害に特化した大学の研究機関は広島大が初めて。

 土田孝センター長は「相乗型豪雨災害は今の日本社会の喫緊の課題。地域社会に貢献できる研究成果を発信したい。また、東アジアや東南アジアはモンスーン地域で土砂災害はどこでも起こりうることを踏まえ、国際的な発信拠点も目指す」と話している。


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