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2018/9/6

ラジオ講座「学びの時間」 9月7〜28日

〈テーマ〉 環境にやさしい バイオプラの開発

 広島大学OBの教職員らでつくる「広大マスターズ」の会員を講師に迎えた週1回のラジオ講座を放送します。テーマは生活、地域社会などで、全4回。9月7〜28日の内容を少しだけ紹介します。

今回の講師 白浜 博幸さん

しらはま・ひろゆき バイオプラスチックなどの高分子化学が専門の工学博士。三井化学(株)研究員、広島大学工学部第三類応用化学、同大学産学・地域連携センターの教員を歴任。現在、西邦エンジニアリング(株)生分解性樹脂事業部開発技術部長、広島大学客員教授。東広島市三永在住。

 軽くて丈夫で腐らないことから、自動車や家電製品などの多くの分野で石油由来のプラスチックが用いられてきました。しかし、これらの特徴が災いして自然環境中では腐らず、鳥や魚がこれらを食べ死亡するなど種々の環境問題を引き起こしています。そこで、今回は環境中で分解するなどの特徴を持つバイオプラスチックについて、その定義・種類・応用などについ て話します。

バイオプラは2種類

 石油由来のプラスチック(ポリエチレンや塩化ビニルなど)を焼却処理すると、地球温暖化の原因となる多量の炭酸ガスや有毒な塩化水素ガスを発生する。

 また、マイクロプラス チックと呼ばれる微細化プラスチックが海洋中には多量に存在し、これを鳥や魚などの海洋生物が食し、死亡するなどの被害も多数報告されている(下図)。


 これらのことを防ぐにはわれわれ自身もプラスチックゴミを安易に河川や海に捨てないことはもちろん、 バイオプラスチックの一つであるグリーンプラスチックを使用することが有効な手段となりうる。

 バイオプラスチックには自然環境中で分解する生分解性プラスチック(グリーンプラ)と、原料が植物由来のバイオマスプラの2種 類がある。

 グリーンプラには大きく分けて、セルロースやタンパク質などの天然系高分子▽微生物ポリエステルなどの微生物発酵合成系▽脂肪族ポリエステルなどの化学合成系高分子―の3種がある。

 想定される用途を表1に示したが、従来の石油由来プラスチックの大部分の代用が可能であり、実用化もされている。

注目集まるPLA

 ポリ乳酸(PLA)は、自然環境中や生体内で分解されるグリーンプラであると共に、植物由来のバイオマスプラでもあり、資源循環型の樹脂。

 われわれは産学官の密な連携によって、自動車内装材としてPLA系バイオプラの実用化に成功した。これには樹脂物性と成形性などの高度なバランスが必要であった。

 この他にも、医用材料(バイオマテリアル)としての可能性もあり、今後、一層、注目が集まるプラスチックである。


FM東広島 放送スケジュール

 FM東広島(89.7MHz)で白浜先生の講座を放送します。それぞれ、日曜日17時〜、再放送をします。

第1回 9月7日(金)12時〜
バイオプラスチックとは

●グリーンプラ(生分解性プラ)とバイオマスプラ
●なぜ、バイオプラが必要か

第2回 9月14日(金)12時〜
バイオプラの種類と用途

●バイオプラの種類
●利用可能な用途

第3回 9月21日(金)12時〜
ポリ乳酸(PLA)系のバイオプラ

●資源循環型樹脂としてのPLA
●PLAの長所と短所
●新しい乳酸系バイオプラの開発

第4回 9月28日(金)12時〜
PLA系バイオプラの実用化と問題点

●自動車内装材としての実用例
●その他の想定される応用分野
●今後の展望


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