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2018/7/26

早期発見、早期治療 知っておきたい 乳がんQ&A

 年々増加している乳がん。早期の発見と治療で完治する可能性が高いと言われ、乳がん検診や自己検診の重要性が増している。乳がんの基礎知識と検診について本永病院乳腺外科の笹田伸介医師に伺った。(山名)

乳がんにかかる年齢のピークは40〜60代
早期発見には自己検診と定期的な乳がん検診を

マンモグラフィー検診は効果がありますか。


笹田 伸介医師
広島大学病院乳腺外科に勤務。本永病院の乳腺外科外来も担当

 東広島市の乳がん検診は、40歳以上の女性を対象に2年に1回のマンモグラフィー検診が行われています。乳房圧迫による痛みや放射線被曝という欠点がありますが、マンモグラフィー検診を受けることで、乳がんの死亡率が15〜20%減少するといわれ、効果が確認されています。しかし、40歳未満の女性では、マンモグラフィー検診の有効性は確認されていません。若年になるほど、乳腺組織が多く存在するため、マンモグラフィーでは異常の発見が難しくなります。超音波検査を行うことで、乳がんの発見率が1.5倍に上がるといわれていますので、乳がん検診の対象年齢ではない世代でも、気になることがあれば、超音波検査を受けることをお勧めします。

乳がんに気が付くきっかけにはどんなことがありますか。

 乳がん検診で分かる、自分で異変に気が付くなどがあります。乳がん発見に約60%の方が、「しこりを感じた」などの自覚症状があるともいわれています。広島県の受診率は40.3%で、日本の全国平均44.9%、先進諸国の70〜80%と比べても低く、もっと多くの方が乳がん検診を受け、早期発見・早期治療につなげることが大切です。

乳がんに、年齢は関係ありますか。

 日本人女性の11人に1人が乳がんにかかると言われ、年齢的なピークを迎えるのは40〜60歳代です。40歳未満の女性が乳がんにかかるのは、全ての乳がん患者の約5%といわれています。乳がんは成人女性に一番多いがんで、年間約9万人が新しく乳がんにかかると推定されています。

乳がんは予防できますか。

 残念ながら、乳がんを完全に予防できる方法はありません。しかし、喫煙や大量の飲酒を避け、適度な運動を行うことは効果的です。特に閉経後の女性は、肥満に注意をしてください。大豆食品(イソフラボン)の摂取は好ましいですが、サプリメントや健康食品による予防効果は確認されていません。
 近年、遺伝性乳がん卵巣がん症候群という特定の遺伝子に異常があることによる乳がんが話題になっています。その割合は全ての乳がんの5〜10%といわれ、この遺伝子を持つ人の生涯に乳がんにかかる可能性は、40〜90%と高い確率であることが分かっています。このような方に対しては、乳がんを発症する前から予防的に手術を行うような取り組みが進められており、広島市でも対応を進めている病院があります。

自己検診は有効ですか。

 多くはありませんが、マンモグラフィーでは分からず、触診で発見される乳がんがあります。多くの乳がんは緩やかに発育するため2年ごとの検診で問題ありませんが、一握りの乳がんは発育スピードが速く、前回の検診から次の検診までの間に大きくなって発見されることがあります。また、検診の対象年齢から外れる40歳未満の女性も乳がんにかかる可能性があります。このような問題を解決する方法の1つが「自己検診」です。自己検診は手軽に繰り返し行うことができ、変化に気付きやすいメリットがあります。1カ月に1回の自己検診を行い、異常を感じた場合は、次の検診まで待つのではなく、早めに医療機関を受診しましょう。

乳がんになりやすい人

笹田医師による監修
□40歳以上
□未婚
□高齢初産をした(出産をしていない)
□初潮が早く、閉経が遅い
□肥満である
□血縁者に乳がんになった人がいる
□良性の乳腺疾患になったことがある
□乳がんになったことがある
□更年期以降、ホルモン補充療法の経験がある


自己検診の方法

 生理が終わって1週間後に、閉経後の人は月1回日にちを決めて自己検診を。

■あおむけで触診

@右腕を頭の後ろに置き、左手の親指以外の4本の指の腹で、右の乳房を軽く圧迫しながら、まんべんなく触れしこりがないか調べる

Aそのままの状態で右の脇の下にしこりがないか調べる

B左腕を頭の後ろに置き、左の乳房、脇の下を調べる

■鏡を見ながら観察

@両手を下げて@乳房の形に左右で差がないかA乳房にしこりやくぼみはないかB乳首がへこんだりただれができたりしていないか−をチェック

A両手を頭の後ろで組んでと同じ3点をチェック

■座って触診

 最後に左右の乳首を軽くつまみ、血のような異常な液が出ないか調べる

次の症状があれば乳腺外来を受診を。

□しこりがある
□乳房の皮膚にひきつれやくぼみがある
□乳頭が最近陥没してきた
□乳頭から分泌物(血が混じったもの)が出る
□乳房の皮膚がオレンジ色のように変色している
□乳頭がただれたり、びらんが生じている
□脇の下にぐりぐりがある


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