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2018/6/21

大学入試改革に対応 中高一貫校のオンリーワンを見る

 2021年から大学入試センター試験に代わり、大学入学共通テストが実施される。新テストに対応するために求められるのが、生徒が主体的に学ぶアクティブ・ラーニングだ。こうしたことを背景に、東広島市の中高一貫校では、6年間の特徴を生かしたカリキュラムに取り組んでいる。3校のオンリーワンの取り組みを紹介する。


近畿大学附属広島高等学校・中学校東広島校

メールで豪州の生徒と交流 本物の英語に触れ意欲高める


▲メールを使ってオーストラリアの生徒と交流する英語の授業

 2016年、英語学習コミュニケーションプログラム「パレーゴ」を広島県内で初めて取り入れた。オーストラリアで開発された「パレーゴ」は海外に住む子どもたちとメールなどで交流しながら、国際感覚やコミュニケーションスキルを養う。

 オーストラリアは日本と時差が少ないため、同い年の生徒とリアルタイムにメール交換ができる利点がある。本物の英語に触れ、英語の学習意欲を高めやすいと生徒からも保護者からも好評だという。

 「パレーゴ」のメール交換学習は、中1・2年時で取り入れられ、中3になると希望者は夏休みを使って8日間のオーストラリアホームステイができる。今年3月に16人の生徒がメルボルンにあるカーネギー小学校で本場の英語を体験した。

 同校はブリティッシュコロンビア大学と提携を結んでおり、中3・高1時には、9日間のカナダ語学留 学も選択できる。リピート留学をする生徒も多いという。

 中・高でしっかりと英語を学んだ後は、近畿大学国際学部に進学し、より一層の英語研究を行うこともできる。「実社会に生かせる知識をじっくりと得られるのが特色」と同校。

生徒に聞きました!

 廿日市から、朝5時半に家を出て通っています。兄弟も通っていることもあって、絶対受験したいと思い、小学5年生から塾に通って受験しました。

 一番の楽しみは、全国にある近畿大学のキャンパスに体験学習に行けることです。実験の体験など、大学生と一緒にできたのがうれしかったです。ソフトボール部に入っていて、県総体まで行けたので、全国大会へ向け練習しています。楽しく通えているので、朝が早くても苦じゃないです。

 社会の授業が好きで、世界史が面白くて、毎時間楽しみにしています。近畿大学工学部のサイエンス実習に参加して、建築や自動車など専門的なことを学び、大学の面白さを知れたので、進学にも興味を持ちました。

 ほかには、図書室の前に園庭があり、いつも友だちと集まって話すのが楽しいです。

■所在地/東広島市高屋うめの辺2
■開校/1996年4月
■生徒数
 中学/413人
 高校/609人
※2018年4月現在


武田中学校 武田高等学校

タブレット導入先駆け校として注目 可視化する「eポートフォリオ」活用の推進


▲授業中に自分でまとめた資料を見ながらプレゼンする

 2015年から、1人に1台の「タブレット」を持たせている。教師主導の一方通行型の授業を見直し、双方向のコミュニケーションを重要視した、ICTを活用するアクティブラーニング型授業を実践している。

 タブレット導入の先駆け校として、教員が2016年度日本私学教育研究所の委託研究員として、全国30人の一人に選ばれた。「ICTを活用したアクティブラーニング型授業の実践研究」を発表し、中学生の数学授業で、グループで話し合い答えを導き出していく「主体的で対話的な授業」を実践し、全国から注目を集めている。

 タブレットには全教科の教材が入っており、予習復習はもちろん、英単語や社会の資料のまとめにも活用している。授業では、インターネットに接続し、教師や他の生徒と情報を共有でき、リアルタイムで電子黒板に表示させることができる。また英語では、自分が作った英文を読んでタブレットに録画するという宿題などを通じて、文章力や表現力が向上し、プレゼンテーション能力を身に付けている。

 入試改革が、知識技能だけでなく思考力や判断力、表現力の評価へ進む中、一人一人の学びや活動と成長のプロセスを可視化する「eポートフォリオ」の活用を推進する指導や研究を行っている。

 生徒たちは、自分の考えが表現でき、周りの意見を受け入れる能力を確実に身に付けている。

生徒に聞きました!

 3年前に日本に来て、グローバルスタディコースができると聞いて入学しました。

 英語の勉強がとても楽しいです。ホームルームが、英語での会話なので単語ブックを活用しながら聞き取っています。直接会話することで、話の内容が理解できるのでだんだん聞けるようになりました。

 日本で暮らしているうちに、日本の文化を知るようになり、世界の文化にも興味を持ち、比較文学を学ぶのが面白いです。夏休みにある海外研修が楽しみです。

 英語教育が盛んと聞いていたので、留学生と話したいと思って入学しました。修学旅行がオーストラリアなので、それまでに会話ができるよう頑張っています。海外の学生の考え方や感覚の違いを感じてみたいです。

 自宅学習では、タブレットを有効に使っています。姉妹で、切磋琢磨しながら学校生活を送っています。

■所在地/東広島市黒瀬町大多田443-5
■開校/1967年4月
■生徒数
 中学/120人
 高校/461人
※2018年4月現在


県立広島中学校・高等学校

ことばの教育で論理的思考力培う 東京大推薦入試で全国トップ


▲ことば科の授業で英語によるディベートをする中学生

 高度な論文作成やディスカッション能力などが求められる東京大の推薦入試で、2016年から連続して全国トップとなる計5人が合格した。京都大の特色入試でも今年度と昨年度で2人ずつ合格者を出した。その要因の一つが、論理的な思考力と表現力を6年間を通じて育てるプログラムだ。

 中心的な役割を担っているのが、同校独自の教科である中学校の「ことば科」の授業だ。週に2時間、各学年とも年間60時間を確保する。中学1年生では、写真やグラフなどの資料を用い、資料を読み解く力や、多面的なものの見方を養う。2年生では、国語と社会の教師でディベート(討論)に取り組み、3年生では英語によるディベートにまで発展させる。扱うテーマが環境や文化、経済など多岐に及ぶため、多くの教科が教科の枠を超えチームティーチングで関わっているのが特長だ。

 中学校で身に付けた力を土台に、高校では総合的な学習の時間を使い、それぞれの課題研究につなげていく。総仕上げが卒業論文の作成だ。特筆すべきは、多くの生徒が、「ことばの力」を試すコンテストやコンクールで入賞をしていることだ。

 開校は2004年。国際社会で通用する人材の育成を教育目標にしたカリキュラムで、明確な数値目標を持ち、世界レベルの研究を行っているスーパーグローバル大学への合格実績を積み重ねてきた。今後もその思いがブレることはない。

■所在地/東広島市高屋町中島31-7
■開校/2004年4月
■生徒数
 中学/476人
 高校/721人
※2018年5月現在


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