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2018/1/18

みんなのぷらざ

広島大学マスターズ 学びの窓 <12>

数学の問題作りの活動

受け身でなく能動的に学ぶ数学の楽しみ

▲今岡光範
(数学・数学教育)

 大学生に、学校での数学の感想を聞くと、好きだったと答える多くは問題が解けたときの喜びを上げ、嫌いだったと答える理由には解けない辛さがよく見られる。数学で、問題を解くことは大きな楽しみ(苦しみ?)であるが、自分で問題を作ってみるのはどうだろうか。

 実際、生徒の問題設定を実践されている先生もいる。成否は生徒に委ねられるが、多くがその大きな効果を報告されている。

 面白いのは、日頃は数学に関心の薄い生徒が本気になって工夫した問題を作ろうとすることである。学んだことから題材を探し、あれこれ考え、問題をひねり出す。楽な作業ではないが、事後アンケートでは自分なりの問題ができた喜びを書く生徒が多い。授業で公開すると級友の問題に強い関心を示す。それは自分の問題に対する愛着の裏返しであろう。

 生徒の問題設定活動は世界でも評価されているが、日本はその先進国である。大正末期の奈良女高師附属小学校での作問中心の算術教育や、1970年ごろからのオープンエンドアプローチ研究の一環として問題設定活動が行われてきた。

 筆者は、下村哲教授(広島大学)たちと高学年のコンピューターを活用した問題設定を共同研究し、学会発表や論文で報告してきた。問題設定は数学の本質を含む活動だと考えている。

 図は、高校生の作問「O中心で半径4の円から中心A(マイナス1・2)の内接円を省いた図形の面積を求めよ」の図示である。生徒は「図を書きながら考えた」という。「省いた」という工夫がほほ笑ましくないだろうか。

 広島大学マスターズは、広島大学を退職した教職員で組織しています。市民を対象にした講座も行っています。
【問い合わせ】kazuwp@hiroshima-u.ac.jp(渡部)


親と子 <2>

『安心していられる環境』を作る

 たまたま出会った2人が、結婚し、子どもを授かったところから「子育て」というドラマが始まります。

 私は、妻が出産した時のことを今でもよく覚えています。おろおろしながらわが子の誕生を待ちわびました。長い時間待ちながら、やっと生まれたわが子に対面した時、看護師さんからの「お父さんそっくりですね」という言葉に「ありがとうございます」と返すのがやっとでした。

 妻には申し訳ないのですが「わが子」という実感が全く湧いてこなかったのです。今でこそ『発達段階』という言葉に接する機会が増えましたが、当時はそんな発達段階なんて全く考えることなく初めての子育てに突入しました。

 子どもの発達段階はとても重要な事柄です。乳児期、幼児期前期、幼児期後期、学童期、青年期、成人前期、成人後期、老年期と人は成長していきます。親が子どもに関わるのは青年期くらいまでかもしれませんが、その関わりが成人期以降にも大きな影響を及ぼしていきます。

 子どもとの関わりで大切なことは「安心していられる環境」を作ることと言われ、その中で有効なやり取りが重要です。母が子どもを抱え、父が母と子を抱え、さらにこの親子を援助者が抱えることで「安心」を手に入れることができます。このことから「自己」が生まれ、赤ん坊から青年期まで親は「与える」のが仕事で、子どもは「受ける」のが仕事になります。

文/田邊 恭 東林館高校呉校校長、NLPマスタープラクティショナー
フリースクールあいびぃ(東広島市西条昭和町)代表


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