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2018/1/11

映画「恋のしずく」 ヒットの秘訣は地域での盛り上がり

炊き出し、交通整理、恋のぼり― 撮影を支えた地元住民


▲賀茂鶴酒造での撮影風景(10月8日)

 今年秋に公開される映画「恋のしずく」。昨年10〜11月にかけて、東広島市を中心にロケが行われた。主演の川栄李奈さんをはじめ、多くの俳優、製作スタッフによる撮影を支えたのが、東広島市民。炊き出し、交通整理など、映像には写らないが重要な部分を大勢がサポート。瀬木直貴監督に撮影の手応えを聞くと共に、支えた市民にスポットを当てる。


▲東広島市八本松東の「ラテアートカフェ クレマ」からの差し入れ。左=差し入れの「恋のしずく」のデザインカプチーノ(11月14日)

▲撮影用に提供されたソンヌフのケーキ 東広島市八本松町の「パティスリーソンヌフ」の土久岡朋則オーナーシェフ(左)からの差し入れを受け取る瀬木監督(11月2日)

▲昼は美酒鍋、夜はカレーの炊き出しを提供した東広島市西条本町の「ちゅうしん蔵」のスタッフ(11月14日)

市民の協力に感謝。東広島のまちの温かさが伝わる映画に。

瀬木直貴監督に聞く
 ―撮影が終わり、現在の心境は。

 アパートも借りて西条に住んでいたのに、それが遠い昔のように感じています。懐かしいような不思議な気持ちです。

 ―東広島のまちや人の印象はいかがでしたか。

 地元の皆さんが「恋のしずく」を応援する会を結成してくださって大変お世話になりました。朝・昼・晩の炊き出し、交通整理、スタッフ・キャストの送迎など、協力という言葉だけではくくれません。映画を見ていただいたら、きっと西条の街の温かさが伝わると思います。

 ―撮影の手応えは。

 日本映画の発祥の地は京都ですが、本作はカメラマン、照明、技術など京都のスタッフと一緒に撮影を行い、日本映画の本流を行っているような映画になりました。川栄李奈さんという人気女優が主演で、青春映画、ラブストーリーにもなっているし、日本映画ここにありというようなしっとりとした感じにもなっています。お子さんからご年配の方まで、どの世代の方にも楽しんでいただける映画になったと思います。


▲炊き出しの準備をするJA女性部向陽地区の皆さん(11月2日)
 ―地域の協力体制を振り返って。

 本当に力になりました。僕たちは昼間の撮影以外に夜もずっと翌日以降の準備があり、朝は4時ごろに起きるという本当に過酷な1カ月を過ごしていました。そんな過酷な日々をどう乗り切っていくかというのはやはり皆さんの支えなんです。特に食事が重要になってきます。温かいものは本当に力をいただけます。美酒鍋もよく作っていただいて本当においしかったです。今回、弁当も普通のロケ弁ではなかったんですよ。JAの皆さんのご協力で野菜・肉・魚と、非常にバランスの取れたお弁当を提供していただきました。ご飯が、おいしかった!差し入れの巻きずしは見た目がとてもきれいでした。そんな皆さんに支えられ、一体感のある素晴らしい現場でした。

 ―主演の川栄李奈さんの印象は。

 爆発力のある、素晴らしい芝居をするんです。ユニークなアプローチで芝居をするものですから、何をやってくれるんだろうと楽しみでした。「あっ、こう来たか!」という感じ(笑)。正面から役に取り組んでいるんだけど彼女らしさが随所に出ていると思います。

 ―最後に、東広島の皆さんに一言お願いします。

 撮影の最中は市民の皆さまにお世話になり、お礼申し上げます。映画をご覧いただいてお楽しみいただけたらと思います。ぜひ、ご期待ください。

瀬木監督に伺った公開までの主な流れ

2017年 撮影・編集を終了
2018年
 2月 ニューヨークで映画音楽のレコーディング
 3月 作品完成
 4月 関係者の間で試写会 宣伝活動
 秋 公開

せぎ・なおき 1963年生まれ、三重県出身。立命館大学を卒業後、プロダクション勤務を経て独立。2000年に映画制作会社「ソウルボート」を立ち上げた。地方を題材にした作品を多く手掛けている。


さまざまな形の応援

送迎や運搬でサポート!

 荷物の運搬、撮影場所までの移動、宿泊場所までの送迎などをサポートする東広島商工会議所青年部や東広島青年会議所

現場の食事をサポート!

 JA広島中央は撮影現場での炊き出しを行い、出演者やスタッフの食事をバックアップ。「地域の女性部の力をお借りして計2000食を提供。皆さんに『おいしいね』と言って食べていただき、良かった」と、JA広島中央の営農販売部直販課の溝西優課長


▲左=昼食の炊き出しをする賀茂泉のスタッフ。250人分の吟醸クリームシチュー、造賀の新米、安芸津のジャガイモのコロッケなどを提供
地域の盛り上がりをサポート!

約100本ののぼりを、JR西条駅周辺の店舗に立てて撮影を応援した「恋のぼりの会」。「さまざまな店舗に立てていただいた。撮影を通して地域が一つになったと感じた」と、恋のぼりの会の二宮達雄会長


ストーリー

 ワイナリーで働くことを夢見る大学3年生の詩織(21)。ところが、実習先に決まったのは老舗の酒蔵だった。米農家で蔵人の美咲(33)の家に下宿し、失敗しながらも奮闘する理系女子の恋や友情、家族愛を描く。

監督:瀬木直貴 脚本:鴨義信
出演:川栄李奈、小野塚勇人、宮地真緒、青木玄徳、蕨野友也、津田寛治、小市慢太郎 他

製作スタッフからのメッセージ

映画「恋のしずく」
エグゼクティブプロデューサー
中西康浩さん

 1年半以上前、瀬木監督から「日本酒を題材にした長編映画で勝負したい」との意欲的なお話があり、単なる映画ではなく、映画創りをてこに地域、そして日本を活性化する地方創生ムービープロジェクトとして全力で取り組まさせていただいています。酒都西条≠フ皆さま、東広島、広島の方々の熱、そして想いを、キャスト・スタッフ一同で受け止め、渾身(こんしん)の作品として仕上げ全国、世界に広げていきます。今後ともさらなる応援を、よろしくお願いいたします。

映画「恋のしずく」プロデューサー
瀧川元気さん

 「日本酒をテーマにした映画を広島でやるよ」と瀬木監督からお話をいただき、お酒で広島?と思いましたが、広島・東広島、中でも酒都西条の街、人、食には僕自身、誰よりも酔い、醸されてしまいました。完成まで手を抜かず、国内外にこの素晴らしい映画を発信したいと思います。そして、僕は第二のふるさととして、これからも帰り続けたいと思います。


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