中川俊直氏の女性問題 第2回記者・関係者座談会

 女性問題などの報道を理由に経済産業政務官を辞任し、自民党を離党した中川俊直衆院議員(46)(広島4区)が、週刊誌報道から約2カ月が経った6月22日、初めて選挙区の東広島などに戻った。中川氏は支援者などを回って謝罪をして歩いているという。これから中川氏が取るべき行動は何なのか。本紙編集委員の吉田実篤氏、政治評論家の伊藤正義氏、元市議で議長も務めた坂本一彦氏が本音で語った。(聞き手・日川剛伸本紙編集委員)


▲中川氏が選挙事務所として使用している耕道会館
(東広島市西条朝日町)
自民党離党までの経緯
4月18日 中川氏が「一身上の都合」で経産政務官を辞任
中川氏がフェイスブックで「家族がありながら会社員時代の知り合いの女性に好意を抱き、その方を深く傷つけてしまい、誠に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と女性問題があったことを認め、謝罪した
20日 疑惑を報じた週刊新潮が発売される
中川氏がフェイスブックで「重婚罪」や警察への「ストーカー登録」を否定
野党が中川氏自身による辞任理由の説明を要求。経産委員会の審議が見送りに
自民・二階俊博幹事長「しばらく状況を見る。議員辞職は本人の判断だ」
21日 中川氏が自民党に離党届を提出、受理される

読者アンケート結果

あなたが中川氏だったら 今、どうする?

●即刻議員を辞職し、自分自身にけじめをつける。有権者を裏切ったのだから当然です。女性有権者に対しては、弁解の余地はまったくありません。(革新系女性市議)

●議員辞職をしてけじめをつける。ただ、東広島には帰らないだろう。恥かしくて街を歩くことはできないだろうから。 (市役所男性職員)

●議員を辞職し、新しい道を探す。(40代男性、自営業)

●もう地元には戻ってこない。ほどよく田舎で慎ましく、もしくは程よく都会の雑踏にまぎれて10年くらい姿をくらます。 (40代女性、パート)


日川 座談会に先立って、本紙5月25日号で掲載した、第1回記者座談会の反響は。

福本晋平記者 スキャンダラスな報道に終始した週刊誌とは一線を画した内容で、中川氏問題のリアルな現実を読者に届けられたと思う。

日川 掲載後には、「もしあなたが中川氏だったら、どういう行動を起こすか」をテーマに市民や市議らに聞き取りを行った。分析結果は。

福本 地元市・県議や行政関係者からは、「議員を辞職する」という声が大半。市民からは、議員辞職は6割で、残りは「表に出ていく勇気がないので様子を見る」という日和見的な回答が多かった。

中川氏が果たすべき3つの説明責任

日川 中川氏に近しい人からはどのような声が上がっているのか。

吉田 中川氏本人と直接会話をしたという、後援会の幹部5人に話を聞くことができた。中川氏が取るべき、有権者に説明しなければならないこととして3つのことを強調していた。

 一つ目は、週刊新潮が第2段で報じた、中川氏に渡ったとされる700万円以上の政策活動費を、何に使ったのかということ。二つ目は、地元の重要な会合や冠婚葬祭への欠席が多かったことへの説明。三つ目が、今まで東広島に帰らなかった、帰れなかったことへの説明だ。

日川 政策活動費については、中川氏のスケジュールを見た後援会幹部が、夜の会食や会合が多いことを指摘。その金の出どころを懸念していたが。

吉田 中川氏に言いたいのは、使途が政治資金規正法に照らして合法か、違法かの問題ではないということだ。二つ目の理由については、公務よりも、女性に会う方が忙しかったのでは、という疑念が近しい人の間で広がっている。

日川 三つ目については、中国新聞が、GW前に本人が会見すると報じていたが。

吉田 あの時点での中国新聞の報道は正しかった。後援会幹部が話すには、中川氏本人が「週刊誌の報道には事実に反するところもある」と訴えたため、連絡を受けた支持者たちは、地元に帰って自分の口で真偽をはっきり説明し謝罪した方がいい、と伝えたという。ところが中川氏は「帰りたいけど帰れない。党から止められている」と訴えたようだ。

伊藤 自民党が、中川氏を細田派の派閥から排除しないということをテコに、彼を公の場に出させないように画策したのが真相。なぜなら、国会の終盤は、共謀罪法案など難しい法案を成立させなければならず、彼が表に出て、これ以上世間を騒がせることは、政権与党の自民党にとって得策ではないと判断したからだ。

坂本 僕のところにも、報道後の早い段階で本人から連絡があった。伝えたのは、とにかく早急に東広島に帰ってこいと。100%の人間はいないのだから、悪いことをすれば誠心誠意謝ることだと説いた。3つのことを踏まえ、本人が有権者の前で説明責任を果たさない限り、この問題は解決しない。

伊藤 本人の行動には党のしがらみもあるだろうが、政治家として生き残る気持ちがあるのなら、思い切った行動に出た方が良い。政界はシビアな世界。 派閥に属していても、いざとなれば自民党の後ろ盾はない。最終的には、自分の責任でこの問題に決着をつけないといけない。

日川 中川氏は議員辞職をしない限り現役の国会議員。この状態で政治活動に支障はないのか。

伊藤 40年間政界を見てきたが、中川氏のようにずるずると引っ張ったケースは皆無だ。代議士は、国会をいくら欠席しようが、歳費と秘書の給与は支給されるし、国会議員の資格は、衆議院の解散まで失われない。政治家を続けることは可能だ。ただ、この状態を市民が許すとは到底思えない。

坂本 だからこそ、公の場できちんと説明責任を果たさなければならない。市民は、国政云々のことよりも、中川氏本人が起こした数々の問題の本質を知りたいと思っている。市民一人ひとりに謝罪し、市民と本音で向き合ってほしい。

問題の本質

日川 この問題の本質は。

伊藤 中川氏は、政治家である前に一人の人間。人そのものの生きざまを問われていることが、この問題の本質。だとすれば、中川氏が取るべき行動は一つしかない。世話になった有権 者に心からおわびを言うことだ。

日川 選挙区に戻った後は、後援会幹部や支持者、県・市議らに謝罪して回っているようだ。東広島選出の県議(自民)の事務所にも訪れ、本人が不在だったため、「猛省し心からお詫び申し上げます。生まれ変わる決意で歩んでまいります」と記した名刺を置いて帰ったそうだ。

伊藤 人そのものの生き方が問われているのに、それはないだろう。本当に猛省しているのだったら、きちんとした手紙にしたためたものを添えるべき。

日川 もはや離党したのだから、「(謝罪をしたいのなら)ご自由にどうぞ」と、冷ややかな見方をする党員もいた。面会を拒んだ支持者もいた。2カ月後の地元入りは、有権者との距離を遠いものにしたと言えるだろう。

吉田 今回、どれだけの支持者に会う予定なのか分からないが、先ほど言ったように、おわび行脚だけでは、有権者の信頼を回復することは絶対にできない。週刊誌報道に事実に反するところがあると言うのなら、なぜ訴えないのか。中川氏の言動には、ふに落ちないことが多い。

坂本 帰ってくるのは遅すぎたが、中川氏に一筋の望みがあるとすれば、衆院選は来秋の可能性が高いことだ。3つの説明責任を果たした後は、その間、一切の弁明をしないで、支援者ではない有権者一人ひとりに、どんなに罵倒されようと毎日、頭を下げて歩くことだ。彼が生き残るのには、それ以外にはない。


後援会幹部、関係者から出た

中川氏が信頼を取り戻すための3つの説明責任

その1

 週刊新潮が第2段で報じた、中川氏に渡ったとされる700万円以上の政策活動費の使途についての説明

その2

 地元の重要な会合や冠婚葬祭への欠席や代理出席が多かったことへの説明

その3

 今まで東広島に帰らなかった、帰れなかったことへの説明


記者の目

許せぬ有権者への背信行為

 中川氏にはがっかりだ。東広島に帰郷すると聞き、公の場で説明責任を果たすことを期待したが、記者会見はなく、一部の後援会幹部のみに釈明し、議員辞職もしないという。世間を騒がした公人の取るべき行動とは到底思えない。

 中川氏の大きな失策は問題発覚後、終始、一部の幹部にしか意向を伝えていなかったことだ。3代にわたって中川家を応援してきた幹部は「本人にとって、居心地の悪い人間は排除してきた。あれだけ、応援してきたのに無視をされ、裏切られた気持ち。今後、中川は出入り禁止だ」と激怒する。

 一事が万事で、6月22日に東広島に帰ることも一部の人にしか知らされていなかった。お忍びで隠れるように帰って、一部の人にのみおわび行脚することが、禊(みそぎ)をすませたことになるのか。マスコミに帰郷の情報が漏れ、お忍びでなくなったのは笑えるが。

 上記に掲載したように、多くの支持者や市民は説明責任を果たすこと と辞職を望んでいる。しかし、本人はフェイスブックへの謝罪だけで事を済まそうとしている。有権者の思いとは裏腹の行動は、極めて不誠実と言わざるを得ない。

 そもそも、有権者の付託を受けて選ばれた国会議員が、自らの判断で議員を辞める、辞めないの判断ができるのか。答えはノーだ。辞職の是非は、中川氏を選んだ有権者が判断すべきことだ。

 問題発覚後の対応を誤り、自己都合で、自分の保身のことだけで判断する政治家に明日はない。政治家失格の烙印を押されても当然だ。

 (日川)

ザ・ウィークリー・プレスネット 2017/6/29

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